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469馬力のディーゼルPHEV! 絶滅寸前のパワートレインでチェリーが「チェリー ストックマン」でピックアップ市場に参入する ただし、ひとつ残念な点がある!

2026年11月1日

中国メーカーのチェリー(奇瑞汽車)が、活況を呈するピックアップトラック市場に参入する。しかも採用するのは、今や珍しい存在となった技術だ。「チェリー ストックマン(Chery Stockman)」は、実に469馬力を発揮するディーゼルのプラグインハイブリッドを搭載する。これにより、このピックアップは同クラスの電動化モデルの中でも、屈指のパワーを誇ることになる。

その名の意味は、文字どおり「牛追い」

「ストックマン(「牛追い」の意)」は、タフなオフロードルックをまとった、遊びにも仕事にも使える王道のピックアップという姿で登場する。全長5.45m、全幅2.01m、全高1.89mのボディは、欧州の競合モデルの多くを上回るサイズだ。247mm超の最低地上高、オールテレインタイヤ、そして頑丈そうな外観は、その名にふさわしく、舗装路だけでピックアップを使うつもりのないユーザーに、とりわけ響くだろう。

「チェリー ストックマン」は、フロント、センター、リアの3か所にデフロックを標準装備する。サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがリーフスプリング式だ。最大3,495kgの牽引能力は、「フォード レンジャー」、「トヨタ ハイラックス」、「VW アマロック」といった定評あるモデルと肩を並べる。

チェリーが選んだのはディーゼル

室内には、先進技術を過剰に詰め込むことなく取り入れている。運転席には10.25インチのデジタルメーターパネルを備え、15.6インチのタッチスクリーンは運転席からも助手席からも利用できる。14スピーカーのサウンドシステムに加え、数多くの運転支援システムも用意される。

新型チェリー製ピックアップのインテリアは、ひと目見た限りでは、なかなかモダンで上質な印象だ。
Photo:Chery

しかし、本当のハイライトは、その内側に隠されている。現在、プラグインハイブリッドの大半がガソリンエンジンを採用する中、ストックマンは2.5リッターのディーゼルエンジンに電気モーターと容量34kWhのLFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを組み合わせる。電気だけで最大96kmの走行が可能だという。

こうした構成は、今や珍しくなった。欧州でも、ディーゼルのプラグインハイブリッドは、メルセデスの一部モデルなどに見られる程度である。主な理由はコストの高さだ。現代のディーゼルエンジンは、厳しい排出ガス規制に対応するため、複雑な排出ガス後処理装置を必要とする。そこにバッテリー、電気モーター、パワーエレクトロニクスまで加われば、同等のガソリンハイブリッド車よりも大幅に高価になってしまう。

結局のところ、技術的な狙いの相反が浮かび上がる。ディーゼルエンジンが本領を発揮するのは主に長距離走行だが、プラグインハイブリッドは、短距離を電気で走ることを主眼としている。長距離走行では、バッテリーや電動駆動システムによる重量増が、ディーゼルの燃費面の優位性を部分的に打ち消しかねない。

欧州は当面、お預け

ストックマンのコンセプトは魅力的に聞こえるが、現時点で、このディーゼルPHEVはオーストラリア専用となる予定だ。大きな牽引能力が求められ、移動距離も長く、ピックアップ文化が根付いている同国は、チェリーがストックマンで強調する特性に、まさに合致する市場である。

もちろん、このモデルは欧州でも十分に通用する可能性がある。ピックアップ市場は縮小したものの、フォード レンジャーとVW アマロックは、頑丈な働き者への需要が健在であることを示し続けている。さらに、新たな、そして何より手頃な価格のライバルが、この市場に参入しつつある。BYD シャークという次なる電動化モデルも、すでに出番を待っている。

中国メーカーのBYDは、2027年にシャークを欧州へ導入する計画だ。これまでは、アフリカ、アジア、南米、オーストラリアのみで販売されていた。
Photo:BYD

したがって、チェリーが現時点ではストックマンをオーストラリア専用として計画していることに、ピックアップ愛好家だけでなく、欧州メーカーの一部も胸をなで下ろしているはずだ。もし、この中国メーカーが販売地域を拡大すれば、レンジャーやアマロックなどが競う市場に、またひとつ強力なライバルが加わることになる。

Text:Nele Klein