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【新車情報】新型電動SUV メルセデスEQB正式発表

2021年4月27日

最大7人乗り。メルセデスは新しい電気自動車SUV EQBを発表した。

EQAの直後に、メルセデスは次なるコンパクトな電動SUVを発表した。EQBは、実質的にGLBを電動化したものだ。すべての情報をお届け。

➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ サイズと外観
➤ インテリア
➤ 装備
➤ テクニカルデータ

「メルセデスEQA」に続いて、ダイムラーベンツは同じくEVである、「メルセデスEQB」を発表した。
パワートレインは「EQA」から、技術的なベースは「GLB」からそのまま移植したような形だ。
そのため、実用性を重視した設計となっており、オプションで3列目のシートも用意されている。

メルセデスEQBは、市場投入時には様々なパワーレーティングが用意されている。

早ければ2021年末にはディーラーショールームに並ぶことになる。
しかし、この電気自動車は、エントリーレベルの価格が高すぎるため、エコ助成金の対象にはならないだろう。
我々は、「EQB」のスタート価格を50,000ユーロ(約660万円)と予想している。

ビジュアル的には、「EQB」は「GLB」と比べてそれほど大きな変化はない。
電気自動車のSUVには、すべてのEQモデルを統一するブラックグリルエレメント(もちろん閉じた状態)が採用されている。
大きなスリーポインテッドスターの左右にある2つの水平方向のくぼみは、「EQA」には1つしかない。
また、連続したLEDストリップによるライトシグネチャーやスカートのデザインも「EQA」から受け継いでいる。
唯一の違いは、「EQB」のプラスチック製被覆がやや幅広で、中央のエアインテークの上に続いていることだ。
リアについても同様のことが言える。
ここでは、連続したライトストリップを備えた「EQA」に比べてライトシグネチャーが若干変更されており、ナンバープレートはエプロンに移設されている。

ブラックのグリルエレメントとフロントおよびリアのLEDストリップは、EQモデルの特徴的な機能だ。

幅とホイールベースは「GLB」と同じだが、「EQB」の方が若干長く、高くなっている。
EQB各サイズ:
● 全長: 4685mm
● 全幅: 1834mm
● 全高: 1667mm
● ホイールベース: 2829mm
● ラゲッジコンパートメント容量: 495~1710リットル(5シーター版) / 465~1620リットル(7シーター版=オプション)

「メルセデスのEQB」は、インテリアもほとんどすべて「GLB」と同じだ。
当然のように、「EQB」のインテリアも、内燃機関の同僚であるGLBに似ている。
すなわち、おなじみのワイドバンド方式のデュアルモニターには、走行データやMBUX(メルセデスベンツユーザーエクスペリエンス)システムのコンテンツが表示され、ステアリングホイールやシートはメルセデスのコンパクトな規格に準拠しており、「EQA」に比べて「EQB」はやや箱型のデザインを採用しているため、空間の広さを十分に感じることができるようになっている。
フロントは背の高い人でもゆったりとよく座れるし、アンダーボディが少し高くなっていることも基本的には気にならない(バッテリーが下に収まっている)。
リアも、「GLB」同様、足元と頭上に余裕がある。
大人4人が長距離を移動する際にも、「EQB」には十分なスペースがある。

背もたれ付きの後部座席ベンチは最大14cmまで調整可能で実用的だ。
オプションとして、追加料金を支払えば、「EQB」は7人乗りにすることができるようにもなっている。
その場合、トランクフロアに2つの追加シートを折り畳むことができるようになっている。
これは身長1.65メートルまでの人が乗れるようにできているが、正直なところ、子供の誕生日会や小柄なスポーツマンや女性のための非常用シートというべきだろう。

GLBとの違いをざっと挙げれば、MBUXシステムとメーターのグラフィックの違い、助手席前の電飾の装飾などがある。

メルセデスの電動SUVはオプションで緊急車線を形成する
メルセデスの多彩なドライビングアシスタント機能の中から、「EQB」には「アクティブレーンキーピングアシスト」と「アクティブブレーキアシスト」が標準装備されている。
それ以上を望むなら、「ドライバーアシスタンスパッケージ」を予約する必要がある。
「ドライバーアシスタンスパッケージ」は、渋滞時に「EQB」が緊急車線を確保して走行したり、降車時に車や自転車の接近を警告したり、横断歩道で道路を渡ろうとする人との接近などをドライバーに知らせたりすることができるようになっている。

新型メルセデスEQBの走り、航続距離、充電について
走りに関しては、メルセデスはまだ詳細を明らかにしていない。
発売当初は、前輪駆動と全輪駆動の2種類のモデルが用意され、パワーレベルも異なる予定だ。
最もパワフルなモデルでは、最高出力272馬力(200kW)以上を発揮すると言われている。
しかし、バッテリーは66.5kWhのものが1つだけ搭載されるという。
最大100kWの急速充電器で充電でき、30分強で10%から80%まで充填できるという。

このバッテリーが車をどこまで走らせることができるかは、まだわかっていない。
メルセデスは、プレミアの航続距離の値を示しているだけだ。
「EQB 350 4MATIC」としての電気自動車のSUVは、最大419kmの走行が可能だとされる。
航続距離の長いバージョンも計画されているので、この数値はまだまだ改良の余地がありそうだ。
「EQA」とパワートレインを共有しているため、性能に関する情報はまだないものの、おそらくその性能値が想定される。
そのため、ベースとなるのは前輪駆動モデルで190馬力(140kW)の「EQB 250」と思われる。
一方、トップモデルとして発表される予定の「AMGモデル」は、300馬力を超えるパワーを発揮することになるだろう。

今回発表された「EQB」、正直言ってスタイリッシュかと言われると返答に困るが、ボクシーで広そうな感じが実用的っていえば言えるような一台である。荷物は積めるし、ミニバン的にも使えそうなシート配置、見かけよりも実利、そういうEVだ。
正直いってもう覚えきれなくなるほどのEV展開をメルセデスベンツも行っているが、こちらの路線もフルラインナップで展開していくのだろう。普通のモデルで足りない人のためには「AMG」も用意されるというが、もちろん電動パワーユニットを思い切り使って走ればメキメキバッテリーを消費し、航続距離が少なくなることをお忘れなく。
ガソリンエンジンもディーゼルエンジンもEVも同時開発させなくてはいけない開発陣の苦労も偲ばれるが、我々も今何を購入するのが一番得策なのか、試されているような気もするのである。

Text: Peter R. Fischer and Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: Daimler AG