1. ホーム
  2. ニュース
  3. 【特許出願】アウディの仰天特許!電気自動車に人工的なターボラグを導入?

【特許出願】アウディの仰天特許!電気自動車に人工的なターボラグを導入?

2026年10月21日

将来の電気自動車を、もっと感情に訴えかけ、運転する楽しさを実感できるものにするために、アウディは風変わりな変更を加えるかもしれない。少なくとも、インゴルシュタットの同社が出願した特許からは、そんな可能性がうかがえる。

アーク放電、飛び散る火花、そして人工的なターボラグ。これらは、アウディが出願した特許に盛り込まれたアイデアのほんの一部だ。具体的には、将来の電気自動車を、より感情に訴えかけ、ドライバーが運転を実感できるものにする方法を検討している。十分に実現できそうなものもあれば、まったくもって荒唐無稽に思えるものもある。

だが、順を追って説明しよう。アウディは、ドイツ特許商標庁にこの特許を出願した(出願番号:DE 10 2025 107 436.4)。運転体験をより強く感じられるようにするため、電動モーターの振動を、これまで以上に車内へ伝えることなどを考えている。さらに、モーターの音がよく聞こえるよう、防音処理を省くことも検討されている。

人工的なギアチェンジと疑似ターボラグ

引き続き、音の話をしよう。内燃エンジンのような疑似エンジン音やギアチェンジは、ヒョンデやポルシェなどのメーカーですでにおなじみだ。アウディも、自社の電気自動車に疑似変速や手動による変速操作を取り入れることを検討している。さらに、クラッチを介して電動モーターを駆動系から切り離すことも考えられている。これにより、停車中でもモーターの回転数を上げ、音や振動を発生させられる。いわば、内燃エンジンの「空ぶかし」を人工的に再現するわけだ。

それだけではない。アウディは、電気自動車が本来持つ長所を、あえて人工的に打ち消すことまで考えている。電動モーターは通常、アクセル操作に対して即座に反応する。一方、ターボ付きの内燃エンジンには、いわゆる「ターボラグ」がある。エンジンにもよるが、この遅れを乗り越えてアクセル操作が実際の加速に反映されるまで、多少の時間がかかる。アウディは、出力の立ち上がりを遅らせる人工的なターボラグも、この特許に盛り込んでいる。

アウディが公開した新たな電動スポーツカー「コンセプトC」。2027年に量産を開始する見込みだ。その際には、この特許のアイデアも取り入れられるのだろうか?

ここまでのアイデアなら、十分に実現できそうに思える。だが、アウディの発想力は、疑似変速やターボラグ程度では尽きない。ただし、その内容はますます奇抜になっていく。

本物の火花と、走りに合わせた香り

加速感をさらに強めるため、フロントウインドウの縁に設けたディスプレイで、人工的なぼかしや歪みの効果を生み出すことも考えられている。また、車外からも、その速さをよりはっきり感じ取れるようにするという。そのアイデアのひとつが、スポーティな走行時に火花を散らすことだ。特許には、金属部品を制御しながらアスファルトに押し付け、摩擦によって火花を発生させる方法などが記載されている。あるいは、2つの電極の間にアーク放電を発生させることも考えられている。

それでも目立ち方が足りないというのなら、走行モードに応じてボディカラーまで変えられるかもしれない。例えば、白いアウディが、スポーティに走ったり速度を上げたりすると、電子制御によって赤くなるという具合だ。

925馬力を誇る「RS e-tron GTパフォーマンス」は、現在のアウディで最もパワフルな電気自動車だ。ただし、火花は散らさない。

ドライバーに究極の体験を提供するため、アウディは嗅覚にまで働きかけようとしている。状況に応じて、芳香装置から異なる香りを放出するというのだ。ゆったり走るときには心を落ち着かせる香りを、スポーティに走るときには気分を高揚させる香りを使う。特許には、「電磁波」や「電磁スモッグ」を連想させる匂いまで登場する。一体どんな匂いがするというのだろうか。

アウディが将来の電気自動車にこれらのアイデアを採用するのか、そして、どれが実際に量産車へ導入されるのかは、今後を見守るしかない。少なくとも、インゴルシュタットの面々に創造力が不足しているわけではなさそうだ。

Text:Maurus Elias Moritz
Photo:Audi AG