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国産SUV選びに待った!369万円からの「フィアット グランデパンダ(FIAT Grande Panda Hybrid)」が洒落ている

2026年10月19日

フィアットの新型コンパクトSUV「グランデパンダ ハイブリッド」が日本に上陸した。初代パンダの機能美を受け継ぐスクエアなボディに、遊び心のある内装、日常に十分な実用性を凝縮。10月16日の発表会で感じたのは、国産車を検討している人にこそ見てほしい、そのデザインと価格の魅力だった。

初代パンダの機能美を現代に受け継ぐグランデパンダ ハイブリッド。日本では11月7日に発売される。

実車を見て思った。「国産車よりおしゃれでは?」

クルマは移動の道具だが、毎日使うものだからこそ、姿かたちにもこだわりたい。2026年10月16日に行われたグランデパンダ ハイブリッドの発表会で、まず感じたのはそんなことだった。四角く、親しみやすく、それでいて埋もれない。国産コンパクトカーやSUVと比べても、こちらのほうがおしゃれではないか。少なくとも、筆者にはそう映った。

しかも価格は369万円から。輸入車だからといって、最初から候補から外す必要はない。もちろん国産車にも安価なモデルはあるが、このデザインと実用性を手に入れるための価格と考えれば、十分に魅力的だ。装備やグレードによっては国産車と比較する価値があるし、見た目の満足感まで含めれば、こちらを選びたくなる人もいるだろう。

全長4010mm、全幅1765mmの扱いやすいサイズ。スクエアなボディにSUVらしい力強さを組み合わせた。

発売は11月7日。ラインナップは「アイコン」と上級仕様の「ラプリマ」の2種類で、日本に導入されるのはいずれも48Vマイルドハイブリッドを搭載した前輪駆動モデルだ。

初代パンダの四角さに、現代の遊び心をプラス

1980年に登場した初代パンダは、ジョルジェット ジウジアーロが手がけた、シンプルで実用的な小型車だった。限られたサイズの中で空間を有効に使い、余計な装飾を加えない。その合理性が、結果として時代を超えるデザインになった。

グランデパンダも、この考え方を受け継いでいる。全長4010mm、全幅1765mmというボディは、名前に「グランデ」が付いても、日本の街で持て余すほど大きくはない。全高はアイコンが1585mm、ルーフレールを備えるラプリマが1630mm。ホイールベースは2540mmで、乗車定員は5名となる。

Cピラーのグラフィックは、見る角度によってFIATロゴから4本のラインへと変化する。

印象的なのは、四角を基調としながら単調に見せない造形だ。ヘッドライトには1980年代のデジタルカルチャーやレトロゲームを思わせるピクセルデザインを採用。左右非対称に置かれたFIATロゴも、かしこまりすぎない雰囲気をつくっている。

ドア下部の「PANDA」は、ボディパネルへのプレス加工で表現したもの。Cピラーには、見る角度によってFIATロゴと4本のラインが切り替わるグラフィックも仕込まれている。単なる懐古趣味に終わらず、いまのクルマとして楽しませる。このさじ加減がうまい。

やわらかなラインで構成された前席。背もたれにある「PANDA MADE WITH LOVE IN FIAT」のレタリングが心地よい空間を演出する。
Photo:Stellantisジャパン

パンダだから竹! 内装にもイタリア流のユーモア

外観がスクエアなら、室内は丸みのあるオーバルが主役だ。着想源は、トリノにあるフィアット旧リンゴット工場の屋上テストコース。楕円形のコースをモチーフに、ダッシュボードやディスプレイ周辺、ステアリングなどをデザインしている。

ラプリマのダッシュボードには天然竹繊維を約33%配合した素材を採用。パンダと竹を結びつけた遊び心だ。
Stellantisジャパン

タスマニア ブルーを基調に、イエローのアクセントを組み合わせた室内も明るい。高価な素材を並べる方法とは違う、色と形でつくる魅力がある。日々乗るたびに目に入る場所だからこそ、こうした工夫は効いてくる。

リンゴット工場の屋上テストコースに着想を得た室内。ブルーとイエローの配色にもフィアットらしさが光る。

素材にも遊び心がある。ラプリマのダッシュボードには、天然竹繊維を約33%配合した「BAMBOX Bamboo Fiber Tex」を採用した。パンダといえば竹。その連想を内装にまで持ち込むところが面白い。

さらに、1台当たり約140本分の飲料用紙パックに由来する再生素材「Lapolen Ecotek」を内装各部に使用。再利用が難しいプラスチックとアルミニウムを組み合わせた部分を活用し、アルミ粒子による独特の輝きも生かしている。環境への配慮をデザインの魅力につなげている点にも好感が持てる。

412Lの荷室。おしゃれだけでは終わらない

スタイルが気に入っても、普段使いに不便では困る。その点、グランデパンダは初代譲りの実用性も忘れていない。荷室容量は通常時で412L。後席を倒せば最大1366Lに拡大する。全長約4mのボディで、これだけの荷室を確保したことは見逃せない。四角い空間は荷物を整理しやすく、買い物から旅行、週末のレジャーまで用途が広がる。

荷室容量は通常時412L、後席を倒すと最大1366L。コンパクトなボディでも積載性に妥協はない。

後席は60:40の分割可倒式。ダッシュボードの上下に設けたグローブボックスやオープンシェルフなど、車内の収納スペースは合計13Lに達する。見せるためのデザインと、使うための工夫が共存している。

両グレードとも10インチのデジタルメーターと10.25インチのタッチパネルモニターを装備し、Apple CarPlayとAndroid Autoにも対応。初代の思想を受け継ぎながら、現代の日常に必要な機能を盛り込んでいる。

110PSのハイブリッドは、短距離ならモーターだけでも走る

パワートレインは、1.2リッター直列3気筒ガソリンターボに最高出力15kWのモーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッド。変速機は6速DCTで、システム合計最高出力は110PSとなる。マイルドハイブリッドという呼び名だが、状況によってはモーターだけで走行できる。メーカーによれば、30km/h以下では最大約1kmのEV走行が可能。街中の低速域でも電動化のメリットを生かす仕組みだ。

1.2リッターターボとモーターによるシステム合計最高出力は110PS。WLTCモード燃費は20.8km/Lとなる。

WLTCモード燃費は20.8km/L。走りの滑らかさや乗り心地については試乗で確かめたいところだが、日常を支えるコンパクトSUVとして、性能と効率のバランスを狙った構成といえる。なお、指定燃料はプレミアムガソリンだ。

エンジン: 1.2 L直列3気筒ガソリンターボエンジン
モーター最高出力: 15 kW
駆動用バッテリー: 48V
システム合計最高出力: 81kW / 110 PS
トランスミッション: 6速デュアルクラッチトランスミッション
燃費: 20.8km/ℓ(WLTC モード)

369万円から。この個性なら国産車と比較したくなる

価格はアイコンが369万円、ラプリマが409万円。いずれもジェラート ホワイトの税込価格で、リモーネ イエロー、アクア アジュール、チネマ ブラックは5万5000円高となる。

アイコンは16インチのスチールホイールとマニュアルエアコンを備えた、シンプルな仕様。一方のラプリマには17インチアルミホイール、オートエアコン、ワイヤレス充電、バックカメラ、フロントパーキングセンサーなどが加わる。竹繊維を使ったダッシュボードや専用シートも、上級仕様を選ぶ楽しみだ。

衝突被害軽減ブレーキやレーンキーピングアシスト、クルーズコントロール、リアパーキングセンサーは両グレードに標準装備。ラプリマには、前席シートヒーターなどをまとめた5万5000円のウインターパッケージも用意される。

ピクセルデザインのLEDヘッドライトと、左右非対称に配置したFIATロゴが個性的な表情をつくる。ボディカラーはリモーネ イエロー、アクア アジュール、チネマ ブラック、ジェラート ホワイトの4色展開。

国産車よりも得かどうかは、比較するモデルや必要な装備、維持費によって変わる。ただ、価格表だけで選ぶのはもったいないと思わせる魅力が、このクルマにはある。気に入った服や家具のように、日常を少し楽しくしてくれるデザイン。それに実用性とハイブリッドが付いて、この価格だ。

フィアットが掲げる合言葉は、PandaとFantasticを組み合わせた「PANDASTIC」。発表会で実車を見た筆者としても、この明るい提案にはうなずける。国産コンパクトSUVを検討しているなら、一度は実車を見てほしい。候補が、思いがけずイタリア車に変わるかもしれない。

【兄弟対決】ハイブリッドか電気自動車か?「フィアット グランデパンダ」のHEV対BEV どちらが真のグランデパンダであるかを検証!:https://autobild.jp/60415/

Text&Photo:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)