日産GT-Rニスモ スペシャルエディション登場 そのハイライトポイントとは?

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日産は、GT-Rニスモの贅沢なスペシャルエディションを提供。

日産は、グレーのGT-Rニスモにスペシャルエディションを与える。エンジンをほぼ全面的に刷新している。しかし、実はハイライトは別のところにある。その詳細。

「日産GT-R」が発売されてから14年が経過した。
そろそろ後継モデルが必要な時期だ。
しかし、2022年の発表を前に、日産は最上級グレードである「GT-Rニスモ」を刷新する。
新たにスペシャルエディションを用意するものの、エンジンにはほとんど手を加えず、性能はそのままだ。

今回のモデルチェンジでは、ホワイト、グレー、ブラック、シルバーに加えて、「ステルスグレー」を選択することができるようになっている。
この色は、歴代の「GT-R」が記録を塗り替えてきたレーストラックのアスファルトをイメージしたものだそうだ。
また、このGT-Rには、新型SUV「アリヤ」でおなじみの新しいブランドロゴが採用されている。
しかし、今回の特別仕様車の特徴は、それだけではない。
通常のニスモとの違いは、赤のアクセントが効いた20インチの特別なレイズ鍛造ホイールと、カーボン製のボンネットだ。
塗装層がない分、100g(!)の軽量化が図られているという。

VR38DETT V6を手作業で組み立てる。写真左上のスカイラインGT-RニスモZチューンにも注目!

クランクシャフトのバランスを調整したツインターボV6

カーボン製のボンネットの下では、VR38DETTの名を冠した3.8リッターツインターボV6が600馬力を発揮し、最新の改良でGT3レースカーのターボチャージャーを搭載している。
スペシャルエディションでは、このパワーユニットは内外にわたってチューンされており、新しいピストンリングとコンロッド、新しいプーリーを備えたバランスのとれたクランクシャフト、新しいフライホイール、製造公差の少ないバルブスプリングなどを採用している。
これにより、エンジンの回転が速くなり、ターボチャージャーの反応も良くなっているとのことだ。

スカイラインのRB26DETTエンジンをたっぷりお楽しみになりたい方はYouTube動画でどうぞ。

ブルーグレーの塗装色は、過去の記録を思い出すためのものだ。また、背景にはZチューンが並んでいる。

後ろにはスカイラインニスモのZチューンが

しかし、今回の発表で筋金入りのGT-Rファンが最も興味を抱くのは、「GT-Rニスモ」そのものではないだろう。
なぜなら日産は、ニスモの聖地ともいえる横浜の大森工場でプレスフォトを撮影したからだ。
そして、この写真の背景には、偶然にも19台製作された「日産スカイラインGT-R R34ニスモZチューン」の1台が写っている。
この50万ユーロ(約6,600万円)の逸品を、日産が見せびらかすために置いたと考える人がいても不思議ではないだろう。

話を「R35」に戻そう。
新型と特別仕様車は、日本では2021年10月から発売される。
ドイツにもいつ、どのような形でやってくるかはまだわかっていない。
日産は、価格についても沈黙している。
現在、GT-Rニスモのドイツでの価格は209,990ユーロ(約2,770万円)からで、2014年のかつてのエントリー価格よりもちょうど60,000ユーロも(約790万円)高くなっている。
そして今後も特別仕様車が再び大幅に高価になる可能性が高いと思われる。

結論:
日産が14年前の車を微調整するためにどれだけの努力と注意を払っているかを知ることは魅力的だ。
「GT-Rスペシャルエディション」の走りがどう変わったかどうかは、あまり関係ない。
それよりも、この姿での「GT-R」も、徐々に終焉が近づいていることを、憂うべきだと思う。

今回の「GT-R」、一番気になる部分は、通常以上にバランスとり(精度)に気を配って作ったというエンジンといえる。通常の「GT-R」も、一台一台のエンジンに、それを組んだマイスターの名前のプレートがつくが、今回のクルマに関しては特別に赤いペイントで「匠」と刻まれることからも、その特別感を演出しようという努力が感じられる。
また今回の写真では写っていないが、金メタの特別色「GT-R」も用意されている。これはマクドナルドとのコラボレーション企画で、ハッピーセットのおまけとして「あたり」の景品が金色の「GT-R」のミニカーが用意されることにちなんだ一台なのだそうだが、「GT-R」とマクドナルドのコラボレーション??と不思議に思う方もいるかもしれない。
これは、日産とマクドナルドのCMに共通するキャラクターであるキムタクを巻き込んで展開するアドバタイジングなのだが、生粋の「GT-R」ファンが、このややミスマッチ的なコラボレーションをどう思うのかは正直よくわからない。
でもハッピーセットを購入した子どもたちに、アニメキャラクターやゲームのキャラクターではなく、ちゃんとした自動車のミニカーが用意されるという点に関しては、なんだかちょっと嬉しい気もするのである。

Text: AUTO BILD
加筆: 大林晃平
Photo: NISMO