マツダファンフェスタ2026レポート!787Bと2万6000人の熱気
2026年10月14日
2026年10月3日、4日、富士スピードウェイで開催された「MAZDA FAN FESTA 2026 at FUJI SPEEDWAY(マツダファンフェスタ2026)」。2日間の来場者数は計2万6000人と、前年比で約2割増を記録した。マツダ787Bと歴代レーシングカー、新型CX-5、そしてクルマづくりを身近に感じる体験企画。会場を訪ねると、マツダを愛する人々と、それに応えるメーカーとの距離の近さが見えてきた。
2万6000人が集まった、マツダを楽しむ週末
クルマのイベントには、新車を見る楽しみもあれば、レースを観戦する興奮もある。マツダファンフェスタは、それらに加えて「自分の好きなクルマをつくる人たちと出会う」という楽しさを持つイベントだ。舞台は富士スピードウェイ。レーシングコースだけでなく、パドック、ピットビル、イベント広場へと、さまざまな企画が広がっていた。
入場者数は10月3日が1万5000人、4日が1万1000人。合計2万6000人という数字は、前年比で約2割増となる。マツダ車のオーナーはもちろん、モータースポーツ好き、家族連れまで受け止めるプログラムの幅広さが、このイベントの魅力を物語っている。

会場案内を開くと、「観たい・乗りたい」「知りたい・ふれたい」「くつろぎたい・味わいたい」「買いたい」という分類が並ぶ。速いクルマを見るだけで一日が終わるわけではない。技術に触れ、開発者の話を聞き、食事や買い物も楽しめる。クルマを中心に、それぞれの楽しみ方を選べる週末なのである。
787Bと寺田陽次郎さんがつなぐ、ルマンの記憶
プログラムの大きな柱は、マツダ787Bと歴代レーシングカーのデモランだ。1991年のルマン24時間レースで総合優勝を飾った787Bは、マツダの挑戦を象徴する存在である。展示された姿を間近で眺められるだけでなく、レーシングコースで走る姿に触れられることに、この祭典ならではの価値がある。

両日のプログラムにはデモランが複数回組まれ、グリッドウォークやサーキットサファリも用意された。観客席から見る、コース上で車両に近づく、サーキットの空間そのものを体感する。レーシングカーとの接点をいくつも設けることで、往年のマシンを単なる展示物で終わらせない構成となっていた。

そして、もうひとつ欠かせないのが寺田陽次郎さんである。長年にわたりルマンに挑み、マツダのモータースポーツ史と深く結びついてきた寺田さんのルマントークも、両日の予定に盛り込まれていた。3日はイベント広場のLEDビジョンへの中継という形式で、来場者にルマンの世界を伝えるプログラムだ。

今回の取材では、寺田さんの姿を写真に収めることもできた。歴代のレーシングカーとともに、その時代を知る人物に出会える。記録や車両の説明だけでは伝えきれない歴史を、人を通じて身近に感じられることも、マツダファンフェスタの大切な魅力だ。
ロータリーを「見る」から「理解する」へ
ロータリーエンジンも、マツダを語るうえで外せない。会場ではRX-8に搭載されたロータリーエンジンの分解実演ショーに加え、MX-30搭載のロータリーエンジンの組立体験が用意された。外から眺めるだけではわかりにくい機構を、部品や作業を通して知る機会である。
ロータリーという言葉は知っていても、内部の構造や部品の関係まで説明できる人は多くないだろう。分解と組立という入口があれば、クルマ好きには技術を深く知るきっかけになり、子どもには機械への興味が芽生える。マツダの特徴を、わかりやすい体験に置き換えた企画といえる。
4日のステージには「ロータリーエンジン生誕60周年プレイベント」も組まれていた。さらに、コスモスポーツのマラソン・デ・ラ・ルート仕様の展示も会場案内に掲載されている。787Bだけにとどまらず、ロータリーと挑戦の歴史をさまざまな角度からたどれる内容だ。

CLASSIC MAZDAの展示や「レストアこぼれ話」、マツダアーカイブの世界も、その流れを支える。古いクルマを大切にすることは、形を残すだけではない。つくった時代の考え方や、それを維持する技術を次の世代へ渡すことでもある。そのための話題が、新車と同じ会場に用意されていた点が興味深い。
運転体験を通して、マツダのクルマづくりを知る
歴史を振り返る一方で、マツダが大切にする運転の楽しさや安全への考え方に触れる機会も充実していた。クルマを眺めるだけでなく、自分の身体や感覚を通して理解できる体験企画が用意されていた点も、このイベントの特徴だ。
「身体の使い方から学ぶ、ドラポジレッスン」では、運転姿勢という身近なテーマから、人とクルマの関係を考える。「開発者が語る 運転の愉しみ方」やマツダ車試乗体験も組まれ、日頃の運転を見つめ直す入口が設けられていた。

普段は何気なく座り、ハンドルを握っている運転席。しかし、身体の支え方や操作のしやすさを意識すれば、愛車との付き合い方にも新たな発見が生まれる。開発者の視点に触れることは、マツダがクルマづくりで重視する「人」を理解する手がかりにもなる。

さらに、滑りやすい路面でクルマの反応を学ぶ体験や、安心ドライビングレッスン、シートベルト効果体験も用意された。運転の楽しさと安全を、同じイベントの中で学べる構成である。サーキットで走るクルマに胸を躍らせながら、日常の運転に持ち帰れる知識にも触れられる。そんな体験の幅広さが、ファンフェスタの魅力を支えていた。
ロードスターのレースと、ものづくりの入口
レーシングコースでは、3日にマツダグループチャレンジカップ、4日にメディア対抗ロードスター耐久レースの決勝が行われた。デモランで歴史を感じる一方、競い合うクルマを通じて、モータースポーツの現在にも触れられる。

Photo:MAZDA
マツダ車のパレードランも2日間にわたって設定され、オーナーズクラブの枠も用意された。自分の愛車で富士のコースを走ることは、観戦とはまた違う思い出になる。メーカーとファン、そしてオーナー同士のつながりを、実際の走行で確かめられる企画だ。

パドックやイベント広場には、スーパー耐久レースカーの展示・整備体験、クレイモデルの造形実演・体験、デザイナー体験なども並んだ。エンジン、デザイン、整備と、クルマが生まれ、走り続けるまでの仕事を身近に感じられる。

キッズなりきりエンジニアやモーターの工作体験、ロードスターのヘッドカバーと定規の磨き体験など、子どもが参加できる入口も多い。完成したクルマだけでなく、その手前にある工夫や技能に触れられることが、家族で訪れる価値を高めている。
好きなクルマの先に、人と技術が見える
カスタムショップやパーツメーカー、販売会社、メディアの出展に加え、広島の土産を扱う「ひろしまマルシェ」やキッチンカーも用意された。会場を巡り、ひと息つき、また別の企画へ向かう。クルマの話をしながら一日を過ごせる環境が整っていた。

787Bの走る姿から、ロータリーエンジンの仕組み、デザインや整備の仕事まで。会場には、マツダのクルマと、それを支える人や技術を身近に感じる機会が広がっていた。好きな一台をきっかけに、その背景にある挑戦や工夫を知り、愛車への思いがさらに深まる。前年比約2割増となる2万6000人を迎えた今回のファンフェスタは、クルマを楽しむ気持ちを通じて、マツダとファンのつながりを育む2日間だった。
Text&Photo:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)

