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フォード レンジャーに6輪の軍用仕様 兵士を悪路の先まで運ぶ6つの車輪を英国陸軍向けに提案中

2026年9月25日

6輪、ハイブリッド駆動、そして多様な任務に対応する車体。フォードは、レンジャーをベースにした軍用車両を英国陸軍に提案している。

「フォード レンジャー(Ford Ranger)」は、世界で最も成功しているピックアップトラックのひとつだ。しかし、今回登場した車両は、通常の市販モデルとは似て非なるものになっている。

フォードは、ゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズUK、エンジニアリング企業のリカルド(Ricardo)と協力し、軍用レンジャーのシリーズを提案している。狙うのは英国陸軍による数十億ポンド規模の調達契約だ。その中心となるのが、6輪とハイブリッド駆動を備えた「レンジャー スーパーデューティー(Ranger Super Duty)」である。

普通のフォード レンジャーではない

フォードが提案するのは、単一の軍用車両ではなく、用途に応じた一連のモデルだ。老朽化した「ランドローバー ディフェンダー(Land Rover Defender)」や「ピンツガウアー(Pinzgauer)」の後継として、英国国防省はさまざまな任務に適応できる新しい車両の基盤を求めている。

計画には、人員輸送車、装備品や物資の輸送車、防護仕様、救急車、特殊な任務用システムを搭載する車両などが含まれる。いずれも「レンジャー」をベースとし、可能な限り市販車の部品を使用する。

フォードは、輸送車、救急車、戦術車両など、レンジャーの幅広い用途を想定している。
Photo:Ford

外観も通常のレンジャーより、はるかに軍用車らしい。大型のフロントガード、軍用の塗装、補強された架装を備え、任務に応じて異なるボディ形状が用意される。

重い任務を担う6輪仕様

シリーズの主役は、頑丈な商用車として開発された「レンジャー スーパーデューティー」をベースとする6×6仕様だ。改造を担当するリカルドは「HEX-6×6」と呼ぶシステムを採用。ピックアップの基本構造を大幅に変えることなく、車軸をひとつ追加する。

開発にはフォードとリカルドに加え、ゼネラル・ダイナミクス・ランド・システムズの英国法人も参加している。
Photo:General Dynamics UK

追加された車軸は積載能力を大きく高め、悪路走破性の向上にも寄与するという。リカルドによれば、必要に応じて6×4として運用することも可能だ。その場合、追加車軸は駆動せず、主に荷重を分散する役割を担う。

軍用車として、駆動系の強化、スチール製のアンダーボディガード、デフロック、頑丈なサスペンションも採用する。最低地上高は約30cm、渡河性能は最大850mmだ。

ディーゼルにモーターを組み合わせる

ボンネットの下には、「レンジャー スーパーデューティー」の3.0リッターV6ターボディーゼルを搭載。さらにリアアクスルに電気モーターを組み合わせる。ディーゼルエンジンの出力は約206馬力、電気駆動はさらに282馬力を発揮できる。ハイブリッド技術は性能を高めるだけでなく、重い荷物を積んだ際に駆動力を補う狙いもある。

「レンジャー6×6」の牽引能力は最大4.5トン。フォードによると、最大積載量は約2トンだ。一方、リカルドは「HEX-6×6」仕様の最大積載量として、最大3.8トンという数値を示している。

室内には馴染みのある装備も残る。標準の12インチインフォテインメントシステムには、用途や要件に応じて戦術用アプリや任務用ソフトウェアを組み込める。

フォードが実際に契約を獲得するかは、まだ決まっていない。それでも、伝説的なディフェンダーの後継候補として、この6輪レンジャーは早くも強い存在感を放っている。

Text:Nele Klein