【新車情報】進化の度合いが気になる トヨタGR 86
2021年4月13日
トヨタは、GT 86の後継モデルGR 86を発表した。
GT 86の後継モデル、新型「トヨタGR 86」が発表された。ボクサーエンジンを改良して登場するがやはりターボは採用されなかった。GR 86と呼ばれるこのモデルは、姉妹モデルであるスバルBRZとほぼ同じだ。新着全情報をお届け。
➤ 市場ローンチ時期と価格
➤ サイズと外観
➤ インテリア
➤ エンジン
価格は上昇する見込み
トヨタは、「GT 86」の後継モデルを発表したが、その名前は少し変わった。
トヨタのスポーツカーは、「GR 86」と呼ばれるようになり、トヨタのスポーツブランドである「ガズーレーシング(Gazoo Racing)」の、「GRスープラ」と「GRヤリス」に続く3番目の「GRモデル」となる。
すでに2020年末に発表された姉妹モデルの「スバルBRZ」とは異なり、このクルマは欧州でも発売される。
価格は先代に比べて若干上昇し、その結果、3万ユーロ(約390万円)を超えることになりそうだ。
注: 日本市場では、新型「86」は排気量のアップや先進運転支援システム「アイサイト」の搭載があることを考慮に入れ、現行モデルから15万円~20万円アップし、約280万円~370万円と予想されている。
GR 86のBRZとの違いは細部にとどまる
「GR 86」の外観は、「BRZ」とほとんど変わらない。
一見して異なるのは、グリルとライトだけだ。
もちろん、先代の「GT 86」との違いはある。
全体的に少しずんぐりとした印象を受けるが、青々としたビーディングやエッジはなく、全体的に滑らかなデザインになっている。
ヘッドライトはアーモンド型で、小型化されていて、グリルやエプロンも、より抑制されたスッキリとしたデザインになっている。
グリルの基本形状はシンプルで正方形に近く、フレームとグリルはブラックアウトされている。
「GR 86」のサイドエアインテークは、スロットのようなデザインになっていて、新しいサイドギルと同様に、ブラックのトリムエレメントで強調されている。
デザインが変更されたリアエンドでは、トランクリッドが取り付けられているように見え、その丸みを帯びた表面は、「GRスープラ」のリアエンドを強く連想させるものとなっている。
クラシカルなテールランプや、ブラックで縁取られたエプロン、目を惹くデュアルフローエグゾーストシステムなどは、「BRZ」と同じだ。
サイズは先代モデルを踏襲している。
GR 86のサイズ:
● 全長: 4265mm
● 全幅: 1775mm
● 全高: 1310mm
● ホイールベース: 2575mm
7インチのデジタルコクピット
「GR 86」の室内は、「BRZ」とまったく同じように見える。
つまり両車ともデジタルコクピットを採用している。
それは7インチのもので、一方で中央のスクリーンは8インチだ。
先代モデルと比較すると、インテリアはスポーツカーとしての魅力が若干失われている。
助手席前のダッシュボードはオーソドックスなデザインとなり、デジタル表示付きエアコンのロータリースイッチもスポーツカーというよりも、むしろ乗用車らしい要素となっている。
一方、今回のモデルでは、その下にトグルスイッチを思わせる金属製のスイッチがあり、よりテクニカルな印象を与えている。
センターコンソールは、新デザインではより成熟した印象になっている。
改良型ボクサーエンジンで231馬力を発揮
もちろん、トヨタのスポーティな車には、再びボクサーエンジンが搭載されている。
「スバルBRZ」のボンネットに搭載されているのと同じ自然吸気エンジンで、多くのファンが待ち望んだターボ版は実現しなかった。
2.4リッター4気筒で、231馬力、250Nmを発生。
そのパワーは、6速マニュアルで後輪に伝達され、オプションで6速オートマチックも用意されている。
トヨタは、この新しいパワーユニットが、より優れた応答性を示すことを約束している。
「86」も「BZR」も大幅な改良が施され、今年の中頃からデリバリー開始されることとなった。
なによりも今のような状況下で、こういったモデルが新たに発売開始となることが頼もしく、嬉しい。両車を合わせても台数的に大きな利益を生むことは考えにくいし、ハイブリッドでもない純粋な内燃機関のクルマを、そこそこの値段で出すということが、大メーカーであったとしても、どれほど大変なプロジェクトであるかは予想がつく。
それでも今、こういった自動車を世の中に出そうとする元気さと明るさは、貴重だしメーカーのイメージをさらに向上させるだろう。
噂では「GR 86」と「BZR」では、そのセッティングが異なり、かなり乗り味が変わるのではないかと言われている。そんな点も含めて、2021年に世の中に生まれた2台は、注目されてしかるべき存在といえよう。
Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: Toyota