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ガチンコ勝負 スポーティなSUVクーペ三強 アウディQ5スポーツバック対BMW X4対メルセデスGLCクーペ 勝者は?

2021年4月13日

アウディQ5スポーツバック、BMW X4、メルセデスGLCクーペ: SUVクーペのテスト。アウディQ5スポーツバックがBMW X4とメルセデスGLCに挑む。ハッチバックSUVのアウディQ5スポーツバックとBMW X4、そしてメルセデスGLCクーペの3台はすでに人気のある存在だ。その正体に迫る。

Q5スポーツバック、X4、GLCクーペのデザインは二極化している。
それら3台、Q5スポーツバック、X4、GLCクーペのルックスはそれぞれ好みの分かれるところだ。

それはBMWが発明したジャンルだ。
2007年に「X5」のハッチバック版である「X6」を発表したときには、大きな笑いが起きた。
その信じられないほどスタイル優先のリアエンドに対して。
しかし、その笑いはすぐに収まり、「X6」は大成功を収めた。
2014年には「X4」が続き、メルセデスは2015年に「GLE」、2016年に「GLCクーペ」を投入して対抗した。
そしてアウディも、2018年から「Q8」、そして今回は「Q5スポーツバック」を投入した。
ハッチバックSUVは基本的に同クラスのハッチバックよりも高い。
アウディは「スポーツバック」と「Q5」の間で2,300ユーロ(約30万円)、BMWは「X4」と「X3」の間で3,800ユーロ(約50万円)、ベンツはクーペとGLCの間で4,980ユーロ(約65万円)という価格差がある。
それにもかかわらず、後部座席のスペースが狭くなり、トランクも小さくなっている。
「スポーツバック」の場合、通常は「Q5」よりも10リットル少なく、背もたれを倒すとさらに40リットル少なくなる。
その数値は、「X4」では25リットルと170リットル、「GLC」では50リットルと200リットルにもなる。
ちなみに、今回のアウディ、BMW、ベンツは、いずれもガソリン車である。

以下、フォトギャラリーとともに、我々のテスト結果をどうぞ。

メルセデスは、SUVのハッチバックを単にクーペと呼んでいる。まあ、このボディスタイルは実際には4ドアで、セダンをベースにしているのだが、悪くはない。
いずれにしても、「GLCクーペ」は、美しい計器類や大型のナビゲーションディスプレイ(パッケージで3,790ユーロ=約50万円)など、センスよくまとめられている。
シートはスポーティというよりも快適で、後ろのシートの座り心地はX4より優れていて、特に上の方にゆとりのあるスペースがある。
2.0リッター4気筒マイルドハイブリッド(258馬力)は、アウディやBMWよりも加速などの面で時間がかかっているように見える。また、燃料消費量も、リッターあたり9.2kmと最も悪い。自慢の9速オートマチックコンバーターも、あまり役に立たない。
エアサスペンション(2,261ユーロ=約30万円)を装着すると、「GLC」は非常に自信に満ちたバネを発揮するが、トータルで70,532ユーロ(約930万円)という金額になる。

第3位 800満点中509点: メルセデスGLC 300クーペ
広さと快適さ、最高のマルチメディアは評価できる。ステアリングは良好だが、燃費が悪すぎる。

第2世代の「X4」。BMWは成熟し、自信に満ちている。
スペースはまずまずで、iDriveは今も昔も市場で最高のシステムだ。ただし視認性の悪い計器類(パッケージで2,800ユーロ=約37万円)には当てはまる評価ではない。
252馬力の2.0リッター4気筒は、例えばアウディのTFSIよりも走りが荒く、エネルギッシュに回転し、高回転域ではかなりのサウンドを発する。

また、いつものように、効率の良いZF社製オートマチックコンバーターは最高の状態にある。「X4」はタイトなレイアウトで、正確で素早いステアリングでしっかりと安定して走り、非常に機敏な動きをする。68,000ユーロ(約897万円)というテスト車の価格も2位につけている理由である。

第2位 800満点中524点: BMW X4 xDrive 30i
全体的に非常にまとまりがある。俊敏なハンドリングとパワフルなエンジン。素晴らしいオートマチックトランスミッション。

アウディは、ハッチバックSUV開発に時間をかけたが、それが功を奏して、我々の意見では、「Q5スポーツバック」のリアエンドデザインは最も成功していると思う。
最高のスペースを持ち、スライド式リアシート(オプション装備で350ユーロ=約4万6千円)が用意されているのもこのモデルだけだ。
操作の大部分はタッチスクリーンで行う。メニューやグラフィックには問題ないが、スクリーンはドライバーからかなり離れている。
265馬力の2.0リッターエンジンは、VWグループのさまざまなモデルでおなじみだが、ここでも納得のいく仕事をしており、滑らかで、そして静かに働いている。
7速デュアルクラッチトランスミッションは、素早く、そしてスムーズにシフトアップする。試乗した「Q5」にはエアサスペンション(オプション装備で2,000ユーロ=約26万円)が装着されていたが、非常に敏感だ。
ステアリングは、我々の好みからすると大変滑らかで、優れたドライビングフィールに貢献している。66,915ユーロ(約883万円)という価格は、他の2台と比較してみると比較的に有利である。

第1位 800満点中532点: アウディQ5スポーツバック45 TFSI
ゆったりとした広い空間、可変性と快適性。滑らかで静かなエンジンを搭載。

結論:
確かに、これらのハッチバックが付いているSUVは特殊なタイプだ。
しかし、このテストでは、通常のハッチバックモデルに比べても、デメリットがそれほど多くないことも判明した。
比較してみると、バランスのとれた優等生のアウディがトップに立ち、BMWはスポーツマン、ベンツはラグジュアリーだ。

いつの間にかこのクラスのSUVにもクーペボディを持つ車種が揃い、ドイツのブランドそれぞれが比較テストできる時が相整った。「普通の」モデルとは違い、とにかくデザイン優先の車たちだから、実用性プラスアルファの領域で語られてしかるべき車たちだし、価格を考えれば、なんらかの特別な世界を与えてくれてもいいように思えるジャンルの3台であるといえよう。
今回の比較テストではバランスよく優等生的な面が評価されてアウディ「Q5スポーツバック」が1位となったが、この車が一番Q5の本来持っている面を失わず、価格的にも比較的有利に作用したことが理由であろう。BMWもメルセデスベンツも実用性はそれほど失ってはいないが、それでもリアシートのスペース(特にヘッドクリアランス)やカーゴスペースは言うまでもない犠牲になっている。それでもそういう面よりもスタイルや、他のクルマとの違いを求めてこの種のSUVを求める人が多いことも事実である。
そして今や洋服のように、自分の好きなものを自由に選び自己表現するためには、数え切れないバリエーションも、それなりに意味を持つものなのだろう。

Text: Dirk Branke and Berend Sanders
加筆: 大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD