【新車情報】ブラジル製VWニーヴァス VWタイゴとして欧州へ導入

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ブラジルで作られているVWニーヴァスがまもなく欧州に上陸する。その名はタイゴ

VWタイゴ(Taigo)というのが今回紹介するクルマの名前だ。そのVW T-Crossクーペは、より良い装備とより高い価格で欧州展開する。その価格、サイズ、エンジン、市場投入時期を含めた全情報をお届け。

このクルマは、ブラジルでは「ニーヴァス(Nivus)」と呼ばれているが、欧州では「タイゴ(Taigo)」という名前で販売される予定だ。
ヨーロッパでは、VWが公開しているスケッチにあるように、デザインは多少変更されるだろう。
また、標準装備も多く追加されるため、価格も上昇する可能性がある。
我々は、ベーシックモデルの価格は2万ユーロ(約260万円)程度になると予想している。
VWタイゴは、2021年夏に発表され、年末に市場投入される予定だ。

「T-Cross」同様、「タイゴ」も「MQB-A0」プラットフォームをベースにしているが、ほぼすべての点で大型化している。
例えば、リアが傾斜しているため、リアオーバーハングは86cm弱になるが、「T-Cross」では73cmという長さだ。
これは全長4.27メートル(T-Crossは4.11メートル)にも反映されている。
ホイールベースは2.57メートルと「T-Cross」よりもわずかに長いが、SUVクーペの方がわずかに低く、全高は1.49メートルとなっている。
もちろん、クーペ化に伴い、トランク容量は40リットル減の415リットルとなる。
この要領は「ニーヴァス」のものだが、「タイゴ」でも変わらないはずだ。

ニーヴァスの内部: タイゴでもおそらくほぼ同じとなるだろう。ゴルフのようなデジタルコクピットが標準装備されている。

ブラックの要素を多用したブラジルの「ニーヴァス」のデザインは、「T-Cross」の装いに比べて遊び心がないように見える。
一方、エクステリアデザインでは、フロントエプロンはより表情豊かなデザインとなっており、大きな黒いインサートと青々としたカットアウトのフォグランプは巨大なエアインテークのように見え、フロントをよりスポーティに演出している。
VWはこれまで、よりアグレッシブなデザインのスカートを装備した欧州市場向けの「タイゴ」のRヴァリアントのスケッチのみを公開してきた。
よりスポーティな外観の「R-Line」パッケージは確かに用意されるだろうが、本物の「タイゴR」投入の可能性はかなり低いと思われる。
ベースは「ニーヴァス」に似ている。
唯一の違いは、連続したライトストリップだが、これはオプションになるかもしれない。
「タイゴ」のヘッドライトには、標準でLED技術が採用されている。

「VWタイゴ」にはデジタルコクピットが標準装備されている。
リアは、クーペのように傾斜したルーフラインのせいだけでなく、「T-Cross」のリアよりもはるかにエレガントに見える。
ライトを統合したブラックストリップはよりフラットに見え、「ニーヴァス」とは対照的に、LEDストリップもライトをつなぐはずだ。
エプロンは、少なくとも「R-Line」では、より大きく膨らんでいるようだ。
スケッチにある「R」の特徴的な4本のエキゾーストパイプが量産されるかどうかは、かなり微妙なところだ。
「ニーヴァス」のインテリアは、クライメートコントロールユニットがスリム化されている以外は、「T-Cross」と同じものが装着されていて、中央にはインフォテイメント用の10インチスクリーンがあり、デジタルコックピットも標準装備される。
また、アシスタンスシステムも充実している。

エンジン面では、当初はTSIガソリンエンジンのみの展開となる。
これは、「T-Cross」に搭載されている110馬力の3気筒ガソリンエンジンと150馬力の1.5リッター4気筒ガソリンエンジンになるようだ。
最も弱い95馬力の3気筒は、おそらくクーペには搭載されないだろう。
弱い方のガソリンエンジンには6速マニュアルトランスミッションも用意されている一方、VWはよりパワフルなエンジンにのみ7速DSGを用意している。
ブラジルの「ニーヴァス」の価格は、本国では13,318ユーロ(約174万円)相当だ。
ヨーロッパでは、VWはおそらくかなりの金額が追加されるだろう。
「T-Cross」はすでに19,300ユーロ(約250万円)以上している。
2021年末に販売店に登場する「タイゴ」は、より高級なクーペヴァリアントとして、2万ユーロ(約260万円)以上の価格となりそうだ。

一言で表現すればこのタイゴはポロベースのSUVで、フォルクスワーゲンのラインナップの中では、T-Crossと並び最小クラスのポジションのSUVモデルである。当面は内燃機関モデルのシンプルなエンジン構成だけであったり、黒一色の地味でシンプルな内装であったりなど、それなりにコストダウンされてはいるが、それでも昔のフォルクスワーゲンを思い出してみればこれでも相当なハイテク電子デバイス満載のデラックスバージョンであるといえよう。
T-Crossのクーペ版という性格を持つために、実用性や純粋なスペースなどは若干劣るかもしれないが、こういう洒落た都市型SUVを望む層も確実にいるのだろう。価格も300万円以下だろうとのことだが、日産ノートも同じような価格となった今となっては、日本でも同額で出せるのであればなかなか良い設定なのではないか、と思う。だが日本に導入される可能性に関しては、まったくの未知数ではあるが…。

Text: Katharina Berndt
加筆: 大林晃平
Photo: VW Group