BYD副社長ステラ・リー インタビュー 私たちは自動車業界で最高の企業を目指す
2026年9月1日
BYDは自信に満ちあふれ、ドイツ市場へ次々と新たなブランドやモデルを投入している。AUTO BILDのインタビューに応じたBYD副社長のステラ・リー(Stella Li)は、自動車業界のナンバーワンになるための戦略を明かした。
欧州で最も重要なモーターショーのひとつといえる「グッドウッド フェスティバル オブ スピード」で、BYDは同イベント史上最大規模のブースを構えた。中国の自動車メーカーであるBYDは、「BYD」「デンツァ(DENZA)」「ヤンワン(YANGWANG)」という3つのブランドを擁し、自信を持って欧州市場への進出を加速させている。
BYDは2026年末までに、欧州で17モデルを展開する計画だ。AUTO BILDはモーターショーの会場で、BYD副社長のステラ・リー(1970年生まれ)に話を聞く機会を得た。
AUTO BILD:最近、BYDが自動車メーカーとしてナンバーワンを目指すという目標を発表しました。その目標を追求するにあたり、攻撃的な姿勢は取りたくないとのことですが、目標そのものが攻撃的だと受け取られる心配はありませんか?
ステラ・リー: 私たちの目標は野心的です。私たちは、自動車業界で最高の企業になりたいと考えています。そうすれば、お客様を幸せにすることができます。それこそが、私たちの目指していることです。
AUTO BILD:欧州、特にドイツの自動車購入者を、BYDはどのように納得させられると考えていますか?
ステラ・リー:まさに、それが私たちの課題です。ここグッドウッドで発表した「デンツァZ」を例に挙げてみましょう。このクルマを見た人々は、「すごくクールだ!」と言います。それは素晴らしい効果をもたらします。人々が感情的に反応してくれるからです。数字も効果的です。最高出力1,604馬力、0-100km/h加速2秒です!
AUTO BILD:BYDと、その傘下ブランドをほかの自動車メーカーと分けるものは何でしょうか?
ステラ・リー:BYDは何よりもまず、テクノロジー企業です。私たちは、自分たちのブランドが持つ評価を信頼しています。量販ブランドであるBYDであれ、デンツァであれ、ヤンワンであれ、人々はその背後にあるクールなテクノロジーに気づきます。私たちにとって、BYDとはテクノロジーを意味します。
AUTO BILD:欧州がプラグインハイブリッド車に関税を課す可能性があると考えていますか?
ステラ・リー:私たちは民間企業です。EU当局が何を計画しているのかは分かりません。今後の動向を見守ります。
AUTO BILD:欧州では、従来型のフルハイブリッド車を選ぶ購入者が多くいます。BYDはこの市場に参入するのでしょうか?
ステラ・リー:いいえ。私たちが生産するのは、電気自動車とプラグインハイブリッド車だけです。
AUTO BILD:BYDは、最大1,500kWの充電出力を実現する「フラッシュチャージ」を欧州に導入すると発表しました。ドイツではいつ利用できるようになりますか?
ステラ・リー:ドイツ、オランダ、英国を含む欧州の多くの国で、2026年末までに提供を開始します。私たちの目標は、2027年までに中国国外で約6,000基のフラッシュチャージャーを稼働させることです。
AUTO BILD:バッテリー技術についてお聞きします。BYD車に初めて全固体電池が搭載されるのはいつでしょうか?
ステラ・リー:BYDは全固体電池の分野で先頭を走っています。このバッテリー技術を採用するのは、時間の問題にすぎません。私たちが擁する12万人のエンジニアのうち、多くがその開発に取り組んでいます。
AUTO BILD:ナトリウムイオン電池など、ほかのバッテリー技術についてはどのように考えていますか?
ステラ・リー:私たちは、リチウムイオン電池をさらに進化させるため、さまざまな技術に注力しています。この分野では、非常に多くの動きがあります。
AUTO BILD:環境への配慮は、御社にとってどれほど重要なのでしょうか?
非常に重要です。私たちの主要な企業目標のひとつは、「地球の温度を1度下げる」ことです。
AUTO BILD:BYDはバッテリー電気自動車とプラグインハイブリッド車の両方を生産しています。御社にとって、どちらの駆動方式がより重要なのでしょうか?
ステラ・リー:私たちにとって、どちらの技術も同じように重要です。
AUTO BILD:電動化の先にある、未来のモビリティについての個人的なビジョンをお聞かせください。次世代の自動車を特徴づけるものは何でしょうか?
ステラ・リー:私たちのフラッシュチャージによって、充電の待ち時間はほとんどなくなります。最近では、ある従業員から「5分間の充電は速すぎる」と文句を言われたほどです。休憩する時間がほとんど取れないというのです。
AUTO BILD:今日はありがとうございます。
ステラ・リー:こちらこそありがとうございます。
Text&Photo:Matthias Brügge

