【新着情報】 新型テスラ モデルS インテリアが全面的にリデザインされたフェイスリフトバージョンの全容

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テスラはモデルSをフェイスリフトし、インテリアを一新する。今回注目すべき車種は、1,100馬力と840kmの航続距離を持つモデルSプレイド+(Plaid+)だ! その全情報。

テスラでのサプライズ: 先ごろ、2020年の業績発表の一環として、テスラは、「モデルS」と「モデルX」のフェイスリフトバージョンを、特別なセレモニー的なこともなく発表した。
それらのモデルは、今後数週間のうちに生産を開始し、納車は2021年秋からを予定している。
今回発表された「モデルSプレイド+」に搭載される、最大1,100馬力の新しいエンジンオプションに加え、インテリアにもセンセーションが起きている!

➤ インテリア
➤ ドライビングギアセレクション(アップデート情報!)
➤ デザイン
➤ 価格

飛行機の操縦桿のような四角いテスラのステアリングホイールを採用するなど、テスラはモデルSのインテリアを全面的に刷新した。
以前は通常の丸いステアリングホイールだったものが、飛行機の操縦桿のように四角くて上の方がカットされたものに変更されている。
このステアリングホイールは、2022年に投入が計画されている、「テスラ ロードスター」からアイデアを借りていると同時に、飛行機の操縦桿とK.I.T.T.のステアリングホイールを混ぜ合わせたようなデザインになっている。
このステアリングホイールの採用でテスラは自律走行に向けた新たな一歩を踏み出した。
しかし、このステアリングホイールが、実際にこの形のままで、欧州市場で承認されるかどうかはわからない。
またテスラがステアリングコラムのレバーを廃止している点も興味深い。
写真を拡大すると、ウィンカーレバーがタッチスイッチとしてステアリングホイールに移動していることが見て取れる。
フェラーリは、とっくにターンシグナルコントロールをステアリングホイールに統合しているものの、テスラの配置には正直驚かされる。
なぜなら、左右のウィンカーともに左上に配置されているからだ。
従来、方向指示器は必ず左右に配置されていた。

センセーショナルなステアリングホイール。左上にはウィンカーのタッチ面が組み込まれている。

駆動ギアの選択はタッチスクリーンで(アップデート情報!)
「モデルS」がフェイスリフトでこれまでのステアリングコラム上のレバーを廃止したことで、ドライビングギアを選択するための操作レバーも廃止された。
将来的には、タッチスクリーンで選択することになる。
しかも、スマートフォンのロック解除のように、ギアセレクトもスライド操作で行うことになっている。
その様子は、Twitterの動画で紹介されている。
画面の左端にある小さなクルマのアイコンを、指で上下に引っ張る。
上は前方への運転、下は後方への運転を意味し、それ以上選択の余地はない。

リアエプロンも多少リデザインされている。同時にクロームトリムは取り除かれている。

テスラのCEOであるイーロン マスクがツイートで発表したように、将来的には、「モデルS」は自動運転時に、分岐路などでどちらの方向に進むべきかまで、クルマが独自に判断するようになる。
この判断は、カメラの映像、GPS、センサーで検出された周囲の状況データに基づいて行われるとのことだ。こんなことは今までになかった。ただしそのシステムが地下駐車場などでどのように反応するかに関しては疑問が残る。
地下街や駐車場では、GPSはほとんど機能しないからだ。
また、このようなシステムが実際に承認されるかどうかという問題もある。
特に欧州では、このような自動車の走行モードを独立して切り替えることが許されるかどうかが疑問視されている。
そのため、将来的には欧州の「モデルS」のオーナーは、常にタッチスクリーンで走りたい方向を選択しなければならなくなる可能性がある。

モデルSインテリアの革命: ニューステアリングホイールと水平型のディプレイ。

テスラ モデル3のように横方向に取り付けられたXXLサイズのディスプレイ
しかし、それだけではない。
センターコンソールに設置された巨大なディスプレイは、もはや縦方向ではなく、横方向に延ばされ、解像度を2200×1300ピクセルに向上させたとしている。
つまり、XXLサイズのディスプレイが、「モデル3」と同じような形で配置されるようになったのだ。
通気口を持たない「インビジブル」な室内空調システムも、弟分のモデルから採用されている。
ただし、「モデル3」とは異なり、「モデルS」には12.3インチディスプレイのインストルメントパネルが残されている。
またリアシートにもディスプレイが組み込まれている。

モデルSの新しいスカートとホイール

インテリアに比べて、エクステリアのデザイン変更はわかりやすい。
フロントとリアのエプロンは、よりすっきりしたデザインになり、クロームは取り除かれ、テスラは「モデルS」に新しいデザインのホイールも与えている。
19インチのホイールが標準装備され、4,700ユーロ(約60万円)の追加料金で21インチのホイール(アラクニッド=Arachnid)も購入できるようになっている。

テスラモデルSは86,990ユーロ(約1,130万円)より

テスラはパワーユニットの選択肢も増やしている。
基本となるのは、全輪駆動とデュアルエンジンを搭載した「モデルS」で、ベースプライスは86,990ユーロ(約1,130万円)だ。テスラはホームページで航続距離を663kmとしている。
さらに、印象的な走行性能を約束する3つのパワーユニットを搭載した2つのバージョンがある。
116,990ユーロ(約1,530万円)の「モデルSプレイド」は、1,034馬力に相当し、2.1秒で0から100km/hまで加速すると言われこのモデルでは、電気自動車としては驚異的な最高速度322km/hを実現している。
同時に、「モデルSプレイド」の航続距離は628kmとされている。
どちらのバージョンも、欧州では2021年9月から発売される予定だ。

そして、新型「モデルSプレイド+」では、さらに驚異的なことが起こる。
3つのモーターによる同じ駆動方式を採用しているが、バッテリーがより大きくなる。
テスラはそのパワーを1,100馬力以上と見積もっており、1.99秒で0から96km/h(0-60mph)まで加速し、最高速度も322km/hに達するとしている。
同時に、推定航続距離は840kmとされている。
2021年末からの発売が予定されている「モデルSプレイド+」の価格は、13万9,990ユーロ(約1,830万円)だ。
1,000ユーロ(約13万円)の頭金を払えば、「モデルS」のフェイスリフトバージョンは今すぐ注文することができる。

テスラ モデルSフェイスリフト概要:
● 「モデルS」と「モデルX」フェイスリフトは、現在注文可能
● 「モデルS」のベース価格は86,990ユーロ(約1,130万円)
● 3つのエンジンと1100馬力の「モデルSプレイド+」
● 最高速度: 322 km/h
● 推定航続距離: 840km
● 「モデルSプレイド+」は、139,990ユーロ(約1,830万円)より
● 上部がカットされた角張ったステアリングホイール
● 横方向に配置された新しい17インチタッチスクリーン
● 2021年9月よりデリバリー開始予定

テスラはまだまだ様々な部分をバージョンアップすることで、その存在感を向上させる作戦を加速させている。だがやや心配なのは、そのどれもが他の自動車との違いを強調するための装備や性能を重視し、自動車本来の姿から離れていこうとすることに注力しているという点だ。
四角いステアリングホイールも、タッチスイッチのウインカースイッチも、道を自分で選択する(と言われている)自動運転システムも、すべてのスイッチを廃止し、ディスプレイのタッチスクリーンにまとめた内装なども、他のEVには装備されていないものばかりではあるが、それらが自動車としての機能上本当に正しいかどうかは別問題である。
特に個人的には、タッチスクリーン上でDやRといった、ギアセレクト(EVだからギアではないけれど)で、これほどの大きさで圧倒的加速できる自動車をコントロールするという点には安全上疑問を抱かざるを得ない。
他のEVと違う何かを持つことで特別な存在となりたい、という意図はわかる。しかし自動車である以上、超えてはいけない一線は必ず存在するし、最優先すべき部分は安易に変えるべきではないというのが私の意見である。

Text: Jan Götze and Andreas Huber
加筆: 大林晃平
Photo: Tesla