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ついにこの時が来た!ブガッティは唯一無二の「W16ミストラル“ブラン エテルネル”」で、伝説のW16エンジンに華々しく別れを告げる

2026年7月6日

ピュアカーボンではなく磁器―。ブガッティは唯一無二の「Bugatti W16 Mistral “Blanc Éternel”(ブガッティ W16 ミストラル “ブラン エテルネル”)」によって、伝説的なW16エンジンに壮麗なフィナーレを用意した。

ヴェイロン「L’Or Blanc(ロル ブラン)」の登場から11年。ブガッティは再びそのハードルを引き上げ、伝説のW16エンジンへ別れを告げる”走る芸術作品”を発表した。新型「W16 ミストラル “ブラン エテルネル”」は完全なワンオフモデルであり、おそらく史上もっとも希少な自動車の一台となるだろう。

雪のように白いボディカラー、繊細なブラックライン、そしてふんだんに用いられた本物の磁器。オープントップのハイパーカーは、1,000馬力をはるかに超える性能を持つクルマというより、美術館に展示される彫刻作品のような佇まいを見せる。しかし、まさにそこにこのワンオフモデル最大の魅力がある。

ブガッティがデジタルDNAを可視化

ボディを走るブラックラインは、単なる装飾ではない。これはデザイナーがコンピューター上でW16 ミストラルを設計する際に用いたデジタルサーフェス(曲面構造)を視覚化したものだ。

通常であればエンジニアのモニター上でしか見ることのできない開発データが、このクルマでは大胆なデザインエレメントとして採用されている。

その結果、このハイパーカーはデザイナーがスケッチをそのままボディへ描き込んだかのような印象を与えている。

KPMベルリン製の本物の磁器は、シフトレバーやセンターコンソールなど、エクスクルーシブなロードスターのコクピット各部に採用されている。

コクピットにも本物の磁器を採用

とりわけ特筆すべきなのは、ブガッティがベルリンの老舗磁器メーカー「KPM」と共同開発し、エクステリアだけでなくインテリアにも本物の磁器を採用したことだ。シフトレバー、センターコンソール、スピーカーカバー、パワーウインドウスイッチに至るまで、ドライバーや助手席乗員が触れる部分には、本物の磁器が使用されている。

ボディワークにはブラックのデザインラインを用い、ハイパーカーのデジタル開発データを視覚的に表現している。

製造工程は極めて複雑だ。磁器は焼成時に約17%収縮するため、すべてのパーツは焼き上がり後にミリ単位で正確に適合するよう、一つひとつ精密な計算を行って製作されている。

W16への感動的なラストメッセージ

ブガッティにとって「ブラン エテルネル」は、単なる限定モデルではない。W16 ミストラルは、ブランド最後のW16エンジン搭載ロードカーであり、このモデルはその歴史を締めくくる象徴的な存在となる。

「W16 ミストラル “ブラン・エテルネル”」は、ブガッティ伝説の16気筒エンジンへ捧げられた特別なワンオフモデルだ。

この唯一無二のモデルによって、ブガッティは再び名作「Veyron “L’Or Blanc”(ヴェイロン “ロル ブラン”)」と精神的なつながりを築くとともに、自動車史においてもっとも壮麗なエンジンのひとつであるW16時代に幕を下ろした。

Text: Bianca Garloff
Photo: Bugatti

【編集後記】
「W16エンジン」は、単なる高性能ユニットではなく、ブガッティというブランドそのものを象徴する存在だった。その最後を飾るモデルが、スペック競争ではなく「芸術性」に焦点を当てたワンオフモデルだったことは実に象徴的である。デジタル設計データをデザインへ昇華し、さらに伝統工芸であるベルリンKPMの磁器を融合させた「Bugatti W16 Mistral “Blanc Éternel”(ブガッティ W16 ミストラル “ブラン エテルネル”)」は、機械工学とクラフトマンシップ、そしてアートが見事に交差した一台と言える。これからブガッティは新たなハイブリッドV16時代へ歩みを進めるが、「W16エンジン」という伝説は、この特別な一台とともに永遠に語り継がれていくだろう。