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初テスト メルセデスからのE-SUV第2段登場 メルセデスEQA

2021年3月14日

新型EQAは、メルセデスの発表する次の電気自動車だ。そのテストドライブレポートを、将来のAMGモデル、市場ローンチ時期、価格、航続距離とサイズといった情報とともにお届けする。

➤ 価格と市場ローンチ時期
➤ サイズとデザイン
➤ 航続距離とバッテリー
➤ 航続距離不安に対するアシスタント
➤ インテリアとトランク容量
➤ ドライビングパフォーマンス
➤ ドライビングレポート(最新情報!)

EQAは完全なe-carプロモーションを取得する

メルセデスは、大型の「EQC」に続く2台目の電動SUV、新型EQAを発表した。
コンパクトな「EQA」は、よく知られている「GLA」の全電動派生モデルで、兄弟モデルと技術的なプラットフォームを共有している。
「EQA」はすでに注文可能で、2021年春の市場導入時のベース価格は47,540ユーロ(約618万円)となっている。
EV補助金を申請すれば、価格は、39,950ユーロ(約519万円)となる。
メルセデスはすでにこのエントリーモデルの「EQA 250」に加えて、200kW(272馬力)以上の出力を持つ「EQA」のトップモデルを準備していて、電動パワートレーンを追加した全輪駆動バージョンで、500km以上の航続距離を備えているモデルであることを発表している。
さらにこのEVでは、AMGバージョンも計画されていて、パワー面では、「GLA」のパワートレーンをベースに、最大310kW(421馬力)以上のパワーを発揮する可能性がある。

デザイナーは、「EQA」に、スリーポインテッドスターの周りに独立したノーズを与えている。

しかし冷却空気を必要としていないため、フロントグリルは閉じられており、ヘッドライトと一体化している。
LEDヘッドライトの間には、イルミネーションが施されたストリップが伸びている。
リアでも、デザイナーは2つのメインライトを連続した光の帯で接続している。
このようにして「EQA」は、メルセデスブランドの典型的な電動モデルアウトルックを備え、独立したフロントセクションとリアセクションの間のすべてがGLAに対応しているという事実を隠すことに成功している。
もちろん、これはサイズにも当てはまる。
ホイールベース(2.73m)と全幅(1.83m)は、「GLA」と同じで、全長と全高の差もわずかだ。

● 全長: 4463mm
● 全幅: 1834mm
● 全高: 1620mm
● ホイールベース: 2729mm
● トランク容量: 340リットル
● 牽引能力: 750kg

ホイールベースと全幅はGLAと同じで、全高と全長の差はほとんどない。

ベーシックEQAは400km以上の航続距離を実現

メルセデスは、「EQA 250」の航続距離を、426kmとしている。
蓄電システムは、「EQA」のアンダーボディに搭載された66.5kWhのリチウムイオン電池で、フロントアクスルに140kW(190ps)の電動モーターを備えている。
ヒートポンプを標準搭載し、寒い日でも最短で充電がおこなえるようにバッテリーの温度管理も行っている。
「EQA」をケーブルで接続すると、最大11kWのACで充電できる。
直流であれば、最大100kWの充電が可能だ。
バッテリー証明書は、8年または16万kmの期間にわたってバッテリーの機能を保証するものとされており、それには容量の損失も含まれている。

ソフトウェアは航続距離を伸ばすのに役立つ

いわゆる航続距離の不安を打ち消すために、メルセデスは「EQA」のソフトウェアを組み合わせていて、そのエレクトロニクスは、節電と充電に役立つように設計されている。
エコアシストは、交通標識の認識とナビゲーションデータに応じて電力を回復させるように設計されている。
また、走行中には、天候、地形、交通状況を考慮して、どこで充電を止めるのが最も適切かを継続的にチェックするようになっている。
メルセデスが開始した「グリーンチャージ」は、充電した電力量の補償を再生可能エネルギー源から電力網に供給することを保証するもので、間接的にドライブをより環境に優しいものにする。

GLAとの違いは、インフォテインメントのEQディスプレーと助手席前の追加ライトエレメントだ。

インテリアには驚きはない

「EQA」は紛れもなくコンパクトなメルセデスだ。
おなじみのステアリングホイール、大きなメーターパネルのディスプレー、中央に配置されたMBUX(メルセデスベンツ ユーザー エクスペリエンス)コントロールユニットなどなどが装備されている。
しかし「EQA」特有となる特徴は、インフォテインメント用のEQディスプレーと助手席前のダッシュボードに追加されたライトエレメントだけだ。
つまり、「EQA」では大規模な実験は行われていないということだ。
もちろんその理由はコストの面であることは言うまでもない。
しかしこの部分の使い勝手はすでに多くのメルセデスのモデルで実証されており、現代的であるにもかかわらず直感的な操作性で納得できるので、良いことだと言える。
「EQA」が「GLA」と同じように気持ちの良い高い着座位置になっているのは当然のことだ。
フロアにバッテリーがあるからといって、乗員のスペースが犠牲になってはいない。
一方で、トランクに関しては譲歩しなければならない。
「EQA」のトランク容量は、「GLA」の425リットル(ディーゼル)または435リットル(ガソリン)に比べて、340リットしかない。

走行性能では、「EQA」は、加速や最高速度よりも航続距離を重視している。

例えば、2トンを超える「EQA 250」(乾燥重量2040kg)は、静止状態から100km/hまで8.9秒で加速し、最高速度は160km/hに制限されている。

初めてドライブしてみて、EQAはふらつきがなく、しっかりとしたサスペンションとともに、正確に操舵できることに納得した。

EVならではの違和感は全くない。

「EQA 250」で走り始めて最初の数キロメートルは、ほとんどEVであることに起因する違和感は、感じなかった。
これは高く評価される。
メルセデスのエンジニアたちが、車をどれほど静かにし、どれほど快適にしたかという点でもとても感慨深い。
主にバッテリーのための500kgの余分な重量は影響しているようにも思えるが、ドライブしているときには重さなど少しも感じず気持ちがいい。
「EQA」は一回り大きくなったようなに見え、しっかりと路面を掴み、ふらつきもなく、足回りもしっかりしていて、操舵も正確だ。
我々はこんなにも上質な素材を使ったコンパクトなEVカーが登場したことを素直に嬉しく感じた。
テスト時の消費量は22kWhだった。
メルセデスは17.7 kWhと主張するが。

結論:
メルセデスからの最初の本当の、最初の優れた電気自動車だ!
40,000ユーロ未満(約520万円=補助金を差し引いた後)という金額と引き換えに、あなたはインテリジェントなマルチメディアと十分なスペースを備えたコンパクトなE-SUVを購入することができる。
そして、ドライビングの面でも、「EQA」は新しい基準(スタンダード)を設定する。

電気自動車はどれもこれも大きくて高い、という観念をまずは取り払うためにも「EQA」クラスの電気自動車はもっともっとデビューしてよいはずだし、もっと小さなセグメントのモデルも充実していかなくては普及にも拍車はかからないだろう、と思っている。
とはいえこの「EQA」だって、なんだかんだで、600万円はするだろうから、決して安くもなく気楽に選べる価格ではない。だが上のセグメントの車たちが、1,000万円とか2,000万円のプライスタグをぶら下げているのが珍しくない現状では、500万円以下という価格は一つの壁なのかもしれない。
だが、まだそれでもEVの購入にはハードルも多いし、なかなか踏み切れないのが現状だろう。「EQA」の内燃機関のモデルをあまり変わらない普通の姿ながら、価格はまだまだ高価な現状を見ながら、普通の選択範疇になるにはあと何年必要だろう、とつい思ってしまうのも事実だ。

Text: Andreas May and Peter R. Fischer
加筆: 大林晃平
Photo: Auto Bild montage / Daimler AG