富裕層向けラグジュアリーモーターホーム 贅沢の極み コンコルド ライナー ダイヤモンドシリーズのすべて
2021年3月13日
モータホームテスト: コンコルド ライナー ダイヤモンドシリーズ。車輪の上の宝石? ダイヤモンドは「女性のためのベストフレンド」なだけでなく、「キャンピング愛好家たちのベストフレンド」でもある。ただし、36万ユーロ(約4,680万円)の余裕があれば、の話だが。我々はラグジュアリーモーターホーム「コンコルド ライナー ダイヤモンドシリーズ」をテストした。そのレポートをお届け。
ローレライ リーのような贅沢な生き物は、実は堅実なものを好む。
彼女は英雄と一緒に何かをすることはできないし、手にキスをしてもそれ以上のことはできない。
彼女が望むのは、高齢になっても人生をうまく乗り切ることができる、本物で価値のあるダイヤモンドだ。
それは、一言で言えば、映画「紳士は金髪がお好き」の中で、伝説のマリリン モンロー(別名ローレライ リー)が歌った曲、「ダイヤモンドは女の子のベストフレンド」の内容そのものだ。
これがコンコルドというメーカーのモーターホームとどう関係があるかって?
焼いて食べると抜群に旨い比較的長く(10〜20センチメートル)、太い粗挽きソーセージで有名なバイエルン州フランケン地方の町シュリュッセルフェルトで、モーターホームを注文する人は、決して中途半端なものは注文しない。
最高の逸品のみを選び購入する。
それらのキャンパー、コンコルドの客は、王室御用達のネックレスのような価値を、自分の空間のために喜んで支払う。
407,750ユーロ(約5,300万円)という金額が「コンコルド ライナー」には必要とされる。
そして今、この「ライナー」に、コンコルドは「ダイヤモンドシリーズ」を追加して新しいシーズンを迎える。
船内には5トンもの重量物を積み込むことが可能
それが「コンコルド ライナー」だ。
ダイヤモンドを加えなくても、「コンコルド ライナー」は間違いなくトップクラスだ。
そのベースとなっているのがメルセデス アテゴ(Mercedes Atego)のシャシーだ。
サイドウォールに金色の槍が描かれた白い巨体は、5トン(!)もの重量を積載し、運航することができるようになっている。
400リットルの水タンク、オプションの200リットルのガスタンクと180リットルのディーゼルタンクが満タンの状態で、「フィアット チンクエチェント(もちろんミニカーではなく実車だ!)」を電動ウインチで、リアガレージに引き込んだとしても、まだ十分な蓄えがある。
例えば、付属のバックライト付きガラスキャビネットのドリンクグラスのセットや、ボタンひとつでウォールキャビネットから降りてくる32インチのフラットスクリーン、ギャレーのコーヒーマシンなどなどだ。
30以上の個別ポジションでハイテク&ハイライフを実現
「コンコルド ライナー」はあなたの心が望むすべてを備え持っている。
なぜなら、「ダイヤモンドシリーズ」という呼称は、ハイテクでハイライフを提供する30以上の個別アイテムをパッケージ化した装備を表しているからだ。
それらをすべてリストアップし、説明するには、あまりにも多くのスペースを要する。
したがって、今回は簡単に、最も重要かつ最も高価なエキストラだけをリストアップする。
自動レベリング(9,185ユーロ=約120万円)、アルミホイール(6,640ユーロ=約86万円)、リビングエリア(3,385ユーロ=約44万円)とベッドルーム(3,000ユーロ=約39万円)のための2基のエアコンセットと油圧リフトサポートシステム。
常に十分な電力を確保するための、強力なソーラーシステム(3,775ユーロ=約49万円)との組み合わせの「ウルトラパワー」電力パッケージ(8,590ユーロ=約112万円)が用意されている。
威厳のあるインテリアも忘れてはいけない。
装飾「アトラス杉」(4,405ユーロ=約57万円)とベントレー(6,500ユーロ=約84万円)のようなトップステッチとバニラ色のレザー張り地で高品質の家具が用意されている。
これらすべての項目を追加した場合、85,000ユーロ(約1,100万円)という途方もない値段となるが、これらすべてを「ダイヤモンドシリーズ」のパッケージとしてオーダーすれば、約35,000ユーロ(約455万円)の費用で済む。
そのセットオプションは、本当に価値あるバーゲンプライス(?)だ。
その走り?
まるで空飛ぶ絨毯のようだ。
フルエアサスペンションは、カントリーロードでも、高速道路に変身させ、パワフルな直列6気筒は優れた推進力を発揮し、自動化された8速マニュアルボックスは、非常に淡々とした方法でギアを選別する。
たとえマリリン モンローは乗っていなくても、空を飛ぶことに勝るものはない。
【フォトギャラリー】
結論:
贅沢の極み。
モーターホームが多くの家よりも快適さを提供する。
それは文字通り魅力的だ。
これほどの贅沢はもはやキャンピングカーとはあまり関係ない、不要だと主張する人もいるかもしれない。
そうとも言えるが、そうでないとも言える。
いずれにしても、短いテスト旅行を終えた後、私が非常に不完全燃焼な気持ちを抱き、もっともっと遠くまで行きたかったと切に思ったことだけは真実だ。
評決:5点満点中4.5点。
こりゃ豪華だ、と見た瞬間に感じるのも当たり前で、5,000万円以上のモーターホームなのであった。ホテルのような、という形容詞?があるがまさにこの内装は、そういう類の品質保証のなされた上質なもので、キャンパーにありがちな安っぽさや、いい加減な部分は微塵もない。これほどのものになると、気軽に使えないような気もするが、贅沢なキャンパーの魅力はやはり魔力的だし、せっかく自分が泊まるのなら簡易ベッドみたいなところではなく、こういう空間で思い切り手足を伸ばして眠ってみたいものである。
どうせ買えないからあえて欠点を言えば、外観があまりにもそっけなく、リッチさにかけるところだろうか。シンプルで上質なところは良いが、大型キャンパーのもつラグジュアリーな雰囲気では、やはりアメリカのヴィネバーゴのほうに惹かれてしまう。
だが、こういう目立たなさがかえって上品で良い、という人もいるし、旅をするにはさりげなく、でも中身はリッチに、という人にはこちらのほうが好適なのだろう。
Text: Martin Häußermann
加筆: 大林晃平
Photo: Martin Häußermann / AUTO BILD