アップデート情報 新型テスラ モデルYがベルリンの近くの工場で生産されるって知ってましたか?
2021年3月6日
2022年に市場投入されるテスラ モデルYは、なんとベルリンの近くに建てられる工場で生産される。新型モデルYや、将来的にはモデル3のSUVのヴァリアントをその生産プログラムに加えることになる。最大7つのシートと505キロの航続距離を備え持つ。そんなテスラからの新しいSUVに関するすべての情報。
➤ 市場投入時期と価格
➤ 航続距離
➤ ドライビングインプレッション
➤ スペースコンディション
➤ ギガファクトリー
イーロン マスクが新しい車を発表するたびに、ファンは完全に熱狂的に反応して、大騒ぎになる。
そんなカリスマ性の高いボスの率いる自動車メーカーは、アップルがかつて(スティーブ ジョブズが)iPodやiPhoneでやったようなことを、自動車部門でやってのけることに成功している。
テスラのポートフォリオに加わるカリフォルニア発の最新モデル「モデルY」は、「モデル3」をベースにしたSUVで、「モデルX」の弟分にあたる。
市場投入時期と価格: モデルYは2022年に到着
テスラは2021年半ばから、独ブランデンブルク州に新しく建設されたテスラの新しいギガファクトリー(巨大工場)で生産を開始する予定で、最初の生産車は2022年に納車される可能性がある。
しかし、このSUVは現在すでに事前注文できるようにもなっている。
「モデルY」は、2つのバージョン(1つは航続距離に最適化されたもの、もう1つは性能を重視して設計されたもの)で提供される予定だ。
SUVの購入価格は58,620ユーロ(約760万円)から始まる。
一方で、よりパワフルなモデルを望む人は、65,620ユーロ(約850万円)以上を用意する必要がある。
航続距離: 470km以上
テスラは2022年から欧州市場に「モデルY」の2つのバージョンを提供する。
「最大航続距離」のモデルがエントリーレベルのモデルとなる。
テスラは、推定航続距離を最大505kmとしている。
「モデルY」の最大性能が求められる場合は、「パフォーマンス」モデルが用意される。
しかし、ここでは、航続距離は推定480kmに縮小する。
以前のテスラモデルとは異なり、アメリカのEVメーカーは、「モデルY」のためにヒートポンプを提供する。
これは、特に冬に航続距離を改善することに役立つとされる。
ドライビングインプレッション: AUTO BILDの記者は、すでにテスラ モデルYのテストドライブに同乗している。
ワールドプレミア会場でモデルYの横に立つアウトビルトの記者、フウケ シュライバー(Hauke Schrieber)。このあと彼はモデルYの試乗時に助手席で同乗してその走りを体験した。
同乗試乗後の第一印象は、「モデルY」の車内は、外から見たときのような広々とした空間ではなかったというものだった。
一方で、最も印象的だったのは、大きなパノラミックガラスルーフだったと言う。
後日、2人乗りの3列目シートをオーダーすることも可能で、これにより、「モデルY」は7人乗りにもなる。
テスラのボス、イーロン マスクは「モデルY」をスポーツカーのような感覚を持つミッドサイズSUVと呼んでいる。
テスラは、最も重要な性能データとして、バージョンに応じて、0~100km/h加速タイムは3.7~5.3秒、最高速度は217~241km/hと公表している。
スペース: トランク容量が大幅に増加
「モデルY」は「モデル3」の、いわゆるSUVヴァリアントで、そのプラットフォームを採用している。
リアをわずかに上げて、より多くのスペースを確保している。
テスラによれば、インテリアは「モデル3」よりも10%広いスペースを確保しており、「モデルX」のような3列目シートも可能だという。
トランクは「モデル3」よりも大幅に大きくなっている。
ブランデンブルクのギガファクトリー
2019年11月に行われたゴールデンステアリングホイールの授賞式で、テスラのCEO、イーロン マスクは、ベルリンの西に位置するブランデンブルク(BER空港近く)に、ギガファクトリー(Gigafactory)を建設することを発表した。
そこでは、「モデルY」と後には「モデル3」が生産され、エンジニアリング&デザインセンターの設置も計画されている。
テスラのオンライン求人マーケットでは、すでに最初の従業員を募集している。
計画されている工場は、ブランデンブルク州だけで6,000~7,000人の新規雇用を創出すると予想されている、とベルリンの経済行政の広報担当者は述べた。
テスラは新ギガファクトリーで、年間最大50万台の自動車を生産する計画だ。
いよいよテスラが中国、そしてヨーロッパで生産を開始する。テスラはアメリカの自動車、と思っているのは大きな間違いで、言ってみればどこの国の車でもない、という気持ちも抱く自動車である。
アップル製品がそうであるように、それがどこの国のメーカーであるかなど関係なく、本文にもあるように「イーロン マスクの会社」の自動車であることが重要なのである。
だがこれからは同じ土俵にヨーロッパの主要メーカーが本気で作るEVが、数え切れないほど存在しているし、ますますその傾向は加速するばかりである。もはやEVはテスラだけではなく、ありとあらゆるメーカーがすべてライバルとなる。
そんな時代、イーロン マスクのEVというだけでシュアを死守できるのだろうか。そして欧州の最新工場で生み出されるテスラ製自動車の安全と品質は万全なものになるのだろうか。残念ながら、まだまだテスラに関しては一抹の不安をぬぐい切れないのも事実だ。
Text: Hauke Schrieber, Katharina Berndt and Andreas Huber
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de