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1,169馬力の衝撃!メルセデスAMGが“電動スーパースポーツ”の新基準を打ち立てた―新型「Mercedes-AMG GT 4-Door Coupé」登場

2026年5月22日

V8を愛してきたAMGが、ついに“電動時代のスーパースポーツ”を完成させた。新型「Mercedes-AMG GT 4-Door Coupé」は、最大1,169hpを発生する3基のアキシャルフラックスモーター、F1技術由来の800V高性能バッテリー、そしてV8フィールまで再現する革新的なドライビング体験を融合した、まさに次世代AMGの象徴だ。0-100km/h加速2.1秒、10分で約460km分を充電可能という圧倒的スペックだけではない。“感情を刺激するEV”という難題に、AMGは真正面から挑んだ。

AMGが切り拓く“電動時代のスーパースポーツ”

メルセデスAMG(Mercedes-AMG)が、新世代EVスポーツの本命とも言える新型「Mercedes-AMG GT 4-Door Coupé」を発表した。最大の特徴は、AMG専用EVプラットフォーム「AMG.EA」を初採用したこと、そして量産EVとして世界初級となる“アキシャルフラックスモーター”を搭載した点だ。

イルミネーション付きAMGグリルが未来的な存在感を放つ

「GT 4-Door Coupé」は、単なる高性能EVではない。AMGはこのモデルで「電動化しても感情を失わないスーパースポーツ」を明確に提示した。最大出力は実に1,169馬力(860kW)。0-100km/h加速はわずか2.1秒、0-200km/h加速でも6.4秒という圧倒的な数値を叩き出す。

AMGらしいロングノーズ&ファストバックシルエットを継承した
0-100km/h加速はわずか2.1秒というスーパーカー級パフォーマンス

しかも、このパフォーマンスは“一発芸”ではない。F1由来の800V高性能バッテリーと革新的冷却技術により、繰り返し高出力を維持できることが最大のポイントである。

3基のアキシャルフラックスモーターが生む異次元の加速

「GT 4-Door Coupé」最大の技術トピックは、新開発のアキシャルフラックスモーターだ。英国のモータースペシャリストYASAが開発した技術をベースに、AMGが量産化へ落とし込んだ。

フロント1基+リア2基のアキシャルフラックスモーターで最大1,169hpを発生

リアに2基、フロントに1基、合計3基のモーターを搭載。「GT 63 4MATIC+」では最大1,169馬力、「GT 55 4MATIC+」でも816馬力を発生する。

フロントドライブユニット
二つのモーターからなるリアドライブユニット

従来型モーターに対してアキシャルフラックス型は、より小型・軽量でありながら高トルクと高出力を両立できるのが特徴。しかも連続高負荷に強く、サーキット走行でも性能低下が少ない。

リア側モーターは13,000rpm以上、フロント側は15,000rpm以上まで回転。さらに前輪側モーターは必要時のみ作動し、巡航時には切り離されることで効率も追求している。

新型Mercedes-AMG GT 4-Door CoupéはAMG専用EVアーキテクチャー「AMG.EA」を初採用する

AMGはすでにコンセプトモデル「CONCEPT AMG GT XX」で、この技術の耐久性能を実証済み。イタリア・ナルドで40,000kmを7日13時間で走破し、25もの耐久記録を更新している。

F1技術直結の800Vバッテリー

バッテリー技術にもAMGの本気度が見える。「GT 4-Door Coupé」には、「AMG High Performance Electric Battery(HP.EB)」と呼ばれる完全新設計バッテリーを搭載。開発には「Mercedes-AMG ONE」やF1パワーユニット開発部門の知見が投入された。

F1技術由来の800V高性能バッテリーを搭載

円筒型セルは高さ105mm、直径26mmという独自設計で、2,660本を搭載。NCMA(ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム)系セルとシリコン含有アノードを採用し、高エネルギー密度と高耐久性を両立している。

最大の特徴は“直接冷却”だ。非導電性オイルが各セルを直接冷却することで、常に最適温度を維持。これにより高負荷走行を繰り返しても性能低下を抑えられる。

2,660本の円筒形セルを18ユニットにまとめている

さらに800Vシステムにより、最大600kW充電に対応。条件が整えば10分で約460km分を充電可能という、まさに“給油感覚”の急速充電性能を実現した。

EVなのに“V8 AMG”を感じさせる演出

AMGは今回、“電動化によって失われる感情”への回答も用意した。「AMGFORCE S+」モードでは、AMG V8を彷彿とさせるサウンドと擬似変速ショックを生成。1,600種類以上のサウンドデータをリアルタイム制御し、加速、シフト、バブリングまで演出する。単なる疑似音ではなく、アクセル操作や走行状態に応じて変化する没入型システムとなっている点が特徴だ。

さらにアンビエントライトやシートベルトテンション制御、振動演出まで連動し、“高性能V8車を操っている感覚”をEVで再現するというAMGらしいアプローチを採った。

空力とシャシー技術も完全にスーパーカー級

エアロダイナミクスも極めて高度だ。アンダーボディには「AEROKINETICS Venturi Flow」を採用。速度に応じて可動するベンチュリーパネルがダウンフォースを発生させる。さらにアクティブリアディフューザーや可変リアスポイラーも備え、高速域での安定性を徹底追求している。

シャシーにはAMG ACTIVE RIDE CONTROLサスペンションを標準装備。セミアクティブ油圧制御によりロールを抑えながら、快適性も確保する。

後輪操舵システムは最大6度という大舵角を実現。低速では逆位相、高速では同位相に動作し、俊敏性と安定性を両立する。

加えて、AMG Performance 4MATIC+は前後完全独立制御を採用。リア左右トルクベクタリングも備え、サーキットから雪道まで高い走行安定性を発揮する。

デザインは“未来のAMG”を体現

エクステリアは従来のAMG GTをさらに進化させたスタイルとなった。ロングノーズ、低いキャビン、筋肉質なリアフェンダーという伝統的GTプロポーションを維持しながら、空力性能を徹底追求。バッテリー搭載車でありながら従来型より40mm低い全高を実現している。

イルミネーション付きAMGグリル、星形デイライト、6連円形テールランプなど、視覚的インパクトも強烈だ。

コクピットは大型MBUXディスプレイを中心とした完全ドライバー志向設計

インテリアは“デジタル・スーパースポーツ”そのもの。10.2インチメーターと14インチMBUXディスプレイをシームレスに統合し、さらに助手席専用ディスプレイも用意する。

AMGFORCE S+モードではV8サウンドと疑似変速演出を体感できる
サーキットから雪道まで思い通りのセッティングで走りをコントロールする

AI統合型MBUXにはChatGPT、Microsoft Bing、Google Geminiを統合。音声アシスタントは複雑な会話にも対応する。

AMGの未来を示す革命的モデル

新型Mercedes-AMG GT 4-Door Coupéは、単なるAMG初の本格EVではない。それは、「EV時代でもAMGはAMGであり続ける」という宣言そのものだ。

圧倒的な出力、持続性能、急速充電性能、サーキット適性、そして“感情”まで含めた総合性能を見る限り、このモデルは現時点で最も完成度の高いハイパフォーマンスEVの一台と言っていい。

AMGはこのモデルで“電動時代のスーパースポーツ”像を提示した

生産は2026年夏からドイツ・ジンデルフィンゲン工場で開始予定。アキシャルフラックスモーターはベルリン・マリエンフェルデ工場で生産される。

AMGは内燃機関時代に培った“ドライバーを熱狂させる技術”を、ついにEVでも成立させようとしている。

Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:Mercedes-Benz Group