【ニュルブルクリンク24時間レース】メルセデスAMG、ニュルブルクリンク24時間レースで雪辱 エンゲルが“グリーンヘル”を制す
2026年5月19日
ニュルブルクリンク24時間レースは、波乱に満ちたGT3スペクタクルとなり、F1世界王者にとっては苦い結末、一方でマロ エンゲルにとっては歓喜のレースとなった。
メルセデスは10年ぶりにニュルブルクリンク24時間(2026 ADAC RAVENOL 24h Nürburgring)を制覇。しかし、その勝利は長時間レースを支配したフェルスタッペン組のAMGによるものではなかった。
マロ エンゲル(Maro Engel)、ルカ ストルツ(Luca Stolz)、ファビアン シラー(Fabian Schiller)、マキシム マルタン(Maxime Martin)がドライブしたWinward-Mercedesが勝利を持ち帰る一方で、マックス フェルスタッペン(Max Verstappen)は壮絶なニュルブルクリンク24時間デビューにおける“悲劇の主人公”となった。
フェルスタッペン、技術トラブルで後退
波乱のスタート後、土曜夜には2台のWinward Mercedesがレースを支配した。特にフェルスタッペンは、初の24時間レース参戦とは思えぬ圧巻のナイトスティント、 見事なオーバーテイク、そして一切妥協のないペースで強烈な印象を残した。

Photo:24h Media
オランダ人ドライバーは、一時的にマロ エンゲルからトップの座を奪う場面すらあった。フェルスタッペン組のメルセデスは、ルーカス アウアー(Lucas Aue)、ダニエル ジュンカデラ(Daniel Juncadella)、ジュール グーノン(Jules Gounon)とともに、勝利へ向かっているように見えた。
しかし、残り約3時間というところで衝撃が走る。ダニエル ジュンカデラがステアリングを握っていた際、メルセデスAMG GT3のエンジンが突如ブロー。技術的トラブルによって、F1世界王者の勝利への夢は打ち砕かれた。
優勝トロフィーではなく、最終結果は38位という厳しいものとなった。
Winwardがメルセデスに勝利をもたらす
一方、エンゲル、ストルツ、シラー、マルタン組の姉妹車は、余裕を持って勝利を持ち帰った。特筆すべきは、このメルセデスも予選クラッシュの影響で25番手からスタートしていたことだ。

Photo:Philip Platzer/Red Bull Content Pool
変わり続ける天候の中、完璧な戦略によってNo.80は少しずつ順位を上げていった。断続的な雨と一桁台の低気温は、レースを極めて困難なものにしていた。
終盤、エンゲルは大きなリードを冷静に管理し、そのままチェッカーを受けた。「前回の勝利から10年後に、再びここで勝てたことを本当に誇りに思う」と彼は語った。さらに、夜間に繰り広げたフェルスタッペンとの激しいバトルについても笑顔を見せた。「ノルドシュライフェをまるでラリーのように走っていたよ。チームは少し緊張していたけれど、私はシートに深く座って、後ろからマックスを見ていたんだ」
ランボルギーニ、驚異のカムバック
2位争い、3位争いもまた大きな見どころとなった。ミルコ ボルトロッティ(Mirko Bortolotti)とルカ エングストラー(Luca Engstler)がドライブしたアプト ランボルギーニ(Abt Lamborghini)は、最悪のスタートから驚異的な逆転劇を演じた。

Photo:24h Media
1周目、ダニエル ジュンカデラがドライブするフェルスタッペン組メルセデスとの接触により、ランボルギーニは大きく順位を落とした。一時は45位まで後退していた。しかし、アプトチームは驚異的な追い上げで2位争いへ復帰。だが、Code 60違反による厳しいタイムペナルティによって、表彰台獲得は再び危機に晒されることとなった。
霧雨が降り始める中、ボルトロッティはウォーケンホルスト アストンマーティン(Walkenhorst-Aston-Martin)を相手に僅差で2位を守り切った。
クラッシュ続出、ノルドシュライフェに衝撃
一方で、このレースは数多くの重大事故にも見舞われた。特に大きなダメージを受けたのが、人気車両マンタイ”グレロ”(Manthey “Grello”)だ。ケビン エストレ(Kevin Estre)はブリュンヒェンでオイルに乗り、ポルシェのコントロールを失った。クラッシュによってマシンは修復不能レベルの損傷を負った。さらにその直後、デビッド シューマッハ(David Schumacher)とアルジュン マイニ(Arjun Maini)がドライブするHRT Ford Mustangも、ほぼ同じ場所で激しくガードレールへクラッシュした。
そのほか、Kondo Ferrari、Falken Porscheにも大きな事故が発生し、有力GT3チームのリタイアが夜間に相次いだ。
BMWがツーリングカーで存在感
一方BMWはポジティブな話題を提供した。問題を抱えながらも、Rowe-BMWは最終的に4位を獲得。しかし、それ以上に注目を集めたのが、BMW M3 Touringによる驚異の総合5位フィニッシュだった。

Photo:BMW
最終的に今年のニュルブルクリンク24時間(2026 ADAC RAVENOL 24h Nürburgring)は、天候の混乱、クラッシュ、マシントラブルなどドラマに満ちたレースとなった。そして観客数でも新記録を樹立。35万2000人ものファンが“ニュル”へ押し寄せた。
2026 ADAC ラベノール ニュルブルクリンク24時間レース最終結果(10位まで)
1位 #80 Winward-Mercedes Engel/Stolz/Schiller/Martin 156周
2位 #84 Abt Lamborghini Bortolotti/Engstler/Niederhauser
3位 #34 Walkenhorst-Aston-Martin Krognes/Drudi/Thiim/Fernandez Laser
4位 #99 ROWE-BMW Harper/Hesse/S. van der Linde/D. Vanthoor
5位 #81 BMW M3 Touring 24h Klingmann/de Wilde/de Phillippi/Verhagen
6位 #24 Lionspeed-Porsche Heinrich/L. Vanthoor/Feller
7位 #54 Dynamic Porsche Buus/Christensen/Sturm/Hartog
8位 #67 HRT-Ford Olsen/Mies/Vervisch/Stippler
9位 #77 Schubert-BMW Wittmann/Eng/Weerts/Frijns
10位 #48 Black Falcon Porsche Arrow/Assernheimer/T. Müller/Pereira
17位 #32 Toyo-Tires-Mercedes Nakayama/Gülden/Sandtler
38位 #3 Winward-Mercedes Verstappen/Auer/Gounon/Juncadella
Text:Bianca Garloff

