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【ニュルブルクリンク24時間レース】テクニカルトラブルがフェルスタッペンのニュルブルクリンク“フェアリーテイル”を打ち砕く

2026年5月19日

ニュルブルクリンク(Nürburgring)で開催された24時間レース(2026 ADAC RAVENOL 24h Nürburgring)に初参戦したマックス フェルスタッペン(Max Verstappen)にとって苦い結末が待っていた。レース終盤までリードを築いていたWinward-Mercedesは、ゴールまで約3時間というタイミングで技術的トラブルにより戦線離脱。勝利目前で夢は潰えた。

フェルスタッペンのメルセデスは“グリーンヘル”の餌食に

当初は歴史的勝利も現実味を帯びていたが、最終的にそのシナリオは実現しなかった。

フェルスタッペンは最終スティントでリードを保ったままメルセデスAMG GT3をチームメイトのダニエル ジュンカデラ(Daniel Juncadella)に引き継いだ。レース中盤から終盤にかけては、同じくWinward-Mercedes陣営であるマロ エンゲル(Maro Engel)が駆るもう1台とともに、1-2フィニッシュすら視野に入る支配的な展開が続いていた。

しかし突如として状況は一変する。ジュンカデラはブライドシャイト区間(Breidscheid section)で減速し、車両から異音が発生。直ちにトラブルが疑われる事態となった。彼はリードをエンゲルの姉妹車に明け渡しながらも、損傷したAMGをなんとかピットへと帰還させた。

フェルスタッペンのメルセデス:ABS警告からドライブシャフト破損へ

ガレージでのチェックにより、トラブルはドライバー交代直後から兆候が出ていたことが判明した。

「マックスからダニへのピットストップ直後にABS警告が出ました」と語るのはメルセデスAMGカスタマーレーシング責任者ステファン ヴェンドル(Stefan Wendl)。チームは当初、電気系統の不具合を疑い、システムのリセットを試みていた。

ニュルブルクリンク24時間レースでマックス フェルスタッペンにとって苦い結末

しかしその後、激しい振動と大きな異音が発生。診断の結果、右リアのドライブシャフト損傷に加え、ホイールキャリアおよびリアアクスル周辺の複数部品にもダメージが及んでいたことが判明した。

Winwardチーム代表スティーブ ブッシュマン(Steve Buschmann)は「接触ではなく、純粋にメカニカルなトラブルだ」と説明する。

さらにヴェンドルは「全員が非常に落胆している」としながらも、フェルスタッペンを含むドライバー陣と協議し、修復を行ったうえで“もう一度ファンの前に姿を見せる”判断を下したことを明かした。

フェルスタッペンが“花火”を打ち上げた夜

観客にとっては、4度のF1ワールドチャンピオンの走りは十分に価値あるものだった。トラブル発生までの間、フェルスタッペンはニュルブルクリンク ノルトシュライフェ(Nürburgring Nordschleife)で圧巻の走行を披露し、“グリーンヘル”のあらゆる側面を体験した。

芝生へのスライドを伴うヒヤリとする場面、危険なオーバーテイク、さらには夜間にマロ エンゲルとの接触を含む激しいバトルまで、まさにフルコースのレース内容となった。

最終的に勝利を手にしたドライバーもこの戦いぶりに同情を示し、「本当に気の毒だ。彼らは素晴らしいレースをしていた」とコメントしている。

結末は悲劇、それでも残る“再挑戦”の可能性

フェルスタッペンとメルセデスAMGにとっては非常に悔しいリタイアとなったが、この出来事はドイツモータースポーツとニュルブルクリンクファンにとっては別の意味を持つ可能性がある。

“フライング・ダッチマン”は今やグリーンヘルに“宿題”を残した形となり、その再挑戦への期待はむしろ高まっている。

Text:Bianca Garloff
Photo:Joerg Mitter/Red Bull Content Pool