【史上最悪のクラシックカー】この12台のクラシックカーはまさに悪夢だ ブラックリスト一覧
2026年5月18日
この12台のクラシックカーは、まさに悪夢だ。クラシックカーは必ずしも優秀で、美しく、完璧である必要はない。しかし、ここに登場する12台を維持するには、相当な忍耐力と覚悟が必要となる。AUTO BILDクラシック編集部が選ぶ、“維持することが危険なクラシックカー”を紹介しよう。
クラシックカーの世界には、多少の不便やトラブルさえも楽しみに変えてしまう愛好家が少なくない。だが、今回取り上げるモデルたちは、その域を超えている。頻発する故障、高額な修理費、深刻なパーツ不足など、所有するだけで大きな試練を伴うクルマばかりだ。
ボリュームのある財布が必要
もちろん、ここで紹介するモデルがすべて“駄車”というわけではない。魅力的なデザインや歴史的価値を持つ車種も多い。しかし、その一方で、維持や修復には膨大なコストと時間が必要となるケースも少なくない。たとえば「メルセデス450 SEL 6.9」。1970年代を代表する高級サルーンとして知られるが、V8エンジンやハイドロニューマチックサスペンションの整備には莫大な費用がかかる。さらに専用パーツの入手も年々難しくなっている。

史上最悪のクラシック12選

クライスラー製V8エンジンを搭載したフランス製高級GT。豪華な内装と圧倒的な存在感を誇る一方で、シャシー性能や整備性には大きな問題を抱えていた。現在ではパーツ確保も極めて困難で、維持には相当な覚悟が必要だ。
大林晃平:具体的にどの部分が壊れたり、信頼性に欠けたりしているのか書かれてはいないものの、そりゃファセルベガ買ったら維持費は大変でしょう。昔はスターリング モスやパブロ ピカソといったセレブな人たちの車なのですから、そりゃ維持は大変も大変。ちなみにエンジンはクライスラーのV8だが、さすがにもうじき60年だから、パーツ一つ確保するのも至難の技だ。

1970年代の西ドイツで販売された小型車。DIY感覚で組み立てたような独特の構造で知られ、自動車史の珍車として語られることが多い。現存数も少なく、情報不足もあって維持は簡単ではない。
大林晃平:申し訳ありませんでした、私、この車知りませんでした。いろいろ調べてみても、正直よくわかりませんでした。でもものすごく意外なことに、2022年の春、アマゾンで、43分の1のレジン製ミニカー、売ってました。25,000円もするので、びっくりであります。以上。

過剰な装飾とクラシック風デザインを特徴とするラグジュアリーカー。ピニンファリーナが関与したとは思えないほど独特なスタイルで、現在では強烈な個性を持つ1台として知られる。
大林晃平:ピニンファリーナ史上、最悪の「ugly like a hell」な1台かもしれないスタッツ。でもケニー ロジャースだけではなく、ハリウッドスターの多くがこの車を所有していたというからびっくりだ。フランク シナトラもサミー デービス ジュニアも持っていたというし、まあパームスプリングスとかラスベガスのカジノの車寄せみたいなところでは、意外とそれなりに輝いていたのかもしれない。なお、写真の4ドアの他にも、2ドアクーペが存在し、そちらの名前はブラックホークという。さらにリムジンモデルもあったはずだが、それの名前は不明。

ジャガーXJ-Sをベースに製作された超希少車。アルミボディによる独特なスタイリングが特徴だが、生産台数はわずか2台。希少性ゆえに、トラブル時の対応は極めて難しい。
大林晃平: 正直いってこの車知りませんでした、すいません。まあ世界に2台きりってことは、所有したら悪夢とかそういう話ではなく、こりゃとんでもない車だねぇ、で話は済むような気もしますが・・・。中身は「XJ-S」とのことなので、もちろんトラブルは覚悟の上だが、まあ走ってなんぼの車じゃありませんから。どことなくリアデザインが僕の大好きな「アストンマーティン ラゴンダ」にそっくりだなぁ、と思ったら、両方ともウィリアム タウンズ(1993年没)のデザインでした。

大げさな話:「世界最高の車」、そう、かつて「メルセデス・ベンツ450 SEL 6.9」はそうだった。そうこうしているうちに、70年代の大御所ベンツが幻滅の1台となってしまった。その複雑すぎる技術は、努力と結果の関係を問うものだ。現在では、ハイドロニューマチックサスペンションを採用した排気量の大きな車は、あらゆる人気のステーションワゴンを凌駕しており、スチールシャシーの「450SEL」も、当時はほとんど劣化していなかった。しかし、その基準となるのは、スペアパーツの価格であり、そして、もし残っていればの話だが・・・。ウォーターポンプ1,618ユーロ=約30万円(交換のみ!)、サスペンションストラットオーバーホール(新品ではもう手に入らない)6,000ユーロ(約111万円)。最高か、最低か?正直なところ、我々は後者の方だと思っている。
大林晃平: 私の長年の心の一台である「450SEL 6.9」。何がしびれるって、トランクリッドの右側にひっそりとつけられた6.9バッチの格好良さと、さらにそのバッチを外したノーエンブレムもあえてオプションで選べたという逸話も含め、なんとも粋な一台なのである。ボッシュとの共同開発のABS採用もこの車が最初(なはず)。でもハイドロニューマティックのサスペンションはトラブルの巣で、ペッちゃんこになると牽引もローダーにも載せられずもうお手上げ。燃費もリッター2kmは当たり前で、トランスミッションもトラブル頻発。とても所有できる車じゃありません。でも街で6.9バッチを見かけたら今でも多幸感の塊です(って、もう見かけないけど)。

時代錯誤: フューエルインジェクション、触媒コンバーター、ヘッドレスト。そのビートルも、旧くなると「VW1600i」として再び実にモダンになった。後期の「メキシカンモデル」はエンジンが不調で、大西洋を渡ってロッテルダムで貨物船から転がり落ちた時にはすでに錆びついていたのだ。何事にもタイミングがある。90年代に入り、「ビートル」の時代はとっくに終わっていることに、誰もが気づいていた – VW以外は。AUTO BILDのガレージには、最後に作られた「ビートル」が置かれている。
大林晃平: 「ミニ」と「500」は生き残ったけど、ビートルが死滅したのは残念。あとは2CVの復活を待つのみだ。という話はともかく、「ビートル」、ダメですかねぇ。そりゃ「ゴルフ」をベースに作った、あのドンガラ車の「ビートル」はともかく、この旧い(ほんものの)「ビートル」、悪夢なのか・・・。空冷だしメカニズムは簡単だし、意外と何とかなりそうだけどなぁ、というのはお気楽すぎるのだろうか??

欠陥設計: 「常識に挑戦する技術的なこだわり」だったそうだ。しかし、「ランチア ガンマ クーペ」の現実は、もっと深刻で、沈没する客船という身の毛もよだつものだった。タイミングベルトやパワーステアリングまわりに深刻な問題を抱え、信頼性の低さで知られる。
大林晃平: ランチア愛好家の方には申し訳ございませんが、この時代のランチアとマセラティを所有する根性も男気も私にはありません。というのもおそらく世界中の自動車の中でも、もっとも信頼性に欠けるのがこの時代のイタリア車(の、特にこのクラスの車)。「ガンマ クーペ」も「マセラティ ロイヤル(旧クアトロポルテ)」も「ビトゥルボ」も、格好いいのも、おしゃれなのもわかります。今見ても新鮮でエレガントであります、鬼軍曹閣下殿。でもこの路線に突撃するのは危険すぎるのではないかと、僭越ながら二等兵は進言させていただく次第であります。

ベルトーネ製ボディを採用した異色のボルボ。ベルトーネでさえ、この奇抜な「ボルボ262Cクーペ」には距離を置いていた(ベルトーネはデザインではなく、製造のみに携わった)のも不思議ではない。高級感を狙ったモデルだったが、独特すぎるデザインは賛否が大きく分かれた。ビニールトップの劣化も悩みの種となっている。
大林晃平: ベルトーネの生産した「262Cクーペ」、実はたまたま最近見かけてしまったのだが、ご自慢のビニールトップがもうボロボロのはげちょろで、実に痛ましい状態だった。思えば今やこういうビニールトップの車も完全に市場から消え、どこで直してもらえるのか心配の種は尽きない。どこかで適当なビニール素材を見つけ、コニシボンドの「G17」で貼るのが関の山か。なおこの写真がなんとなく無骨に見えるのは、ライトがアメリカ仕様の角4灯のためで、本来はもっとデザインも表情も優しい2灯にヘッドライトワイパー標準装備が正しい姿である。

英国人でさえ認める:愛国心の強い本国のマスコミが、「プリンセス2200」を「英国最悪の車」と揶揄したのなら、それなりの理由があるに違いない。実際、その信じられないほど酷いアンダーステアの才能?は、どんな古いアウディでもうらやむほどで、1970年代の英国自動車産業のあらゆる劣悪な技術を結集したのが「プリンセス」である。今でも走っているのが奇跡のようだ。
大林晃平:だれがこの車に、プリンセスって名前つけたんだろう。イギリス王室に対する一種の、イギリス人特有のきついブラックジョークなのだろうか。それはさておき、「ウーズレー」の後継者として登場した「プリンセス」は、登場直後からそのスタイルに賛否両論がうずまき、その多くは否のほうだったらしい。ちょっと弁護をすれば当初はハッチバックとして開発がすすみながらも、やっぱりトランク付きにしないと受け入れられないかも、と経営陣が日和見して、急にトランクをつけちゃったからバランスが崩れたのも当たり前、という話である。まったく経営陣とかマーケティング部門が口を出すとろくなことがありませんな、今も昔も、ということだ。以上。

小型ミッドシップスポーツとして注目されたモデルだが、操縦性やブレーキ性能には課題が多く、整備性も良好とは言えなかった。見た目の魅力と現実のギャップが大きい1台だ。しびれるステアリング、鈍いブレーキ、トリッキーな限界域・・・。身長が1.80mを超えると、ほとんど入れない。
大林晃平: デザイン自体はそんなに悪くはないし、多くのスポーツカーにも影響を及ぼしたかと思う、なかなかのデザイン・・・。だがおそらくはその生産の技術も、メカニズムそのものも形ほどのものはなかったのであろう、と予想される。そういえば最近(去年)アバルト595にスコルピオーネオーロという限定モデルが登場し、金色のホイールを装着して華々しく発売された。それを見たアバルトファンはみんな、きっとこの「スコルピオーネ1300」に思いを馳せたに違いない・・・、ということはないだろうなぁ。

余計なお世話。タルガルーフにノッチバックの全輪駆動の2シーター?「世の中にまったく必要のないクルマ」のカテゴリーへようこそ。スズキも、「ビターラX-90」が誰も聞かなかった疑問に対する答えであることにすぐに気がついた。一夏だけ終わった。「ドイツ初のファンスター」(1996年の広告のタイトル)は、幸いにも最後のファンスターであり続けた。
大林晃平: コストに厳しく、乾いた雑巾を、さらに絞って、絞って、みたいなスズキが、どうしてこの車を市場に出せたのか今でも正直よくわからない。この「X-90」が大人気になるのは誰がどう考えても当たり前じゃないか、と鈴木 修さんがハンコをついたのだろうか・・・。ちなみに日本では、約1,400台(意外と多い)が販売され、現在90万円前後の中古車3台が流通している。

世界初の自動車として歴史的価値は計り知れないが、現代の感覚では極めて扱いづらい。高温環境に弱く、始動や操作にも熟練が必要となる。
大林晃平: いやいやこれを12台の最後に持ってこられてもなあ・・・。これクラシックカーというのだろうか?AUTO BILDのシャレなのだろうか・・・。それはさておき、実はこの「パテント モトールヴァーゲン」、今でもレプリカがかなり作られており、トヨタ博物館にあるのもそのうちの一台である。なんでまたそんなにレプリカが存在しているのかというと、メルセデス・ベンツのクラシックカーレストア部門だか、どこかの部門に新入りが入ると、研修と鍛錬とシゴキのため、これを作らされるのだと聞いたことがある。そのためレプリカの台数が結構多く、100台以上が世界に存在しているとのこと。なお、普通の人間にはエンジンさえかけることもできないし、調子が絶好調な時でも最高速度は15km/hくらいだ(でも、一度乗ってみたい)。
Text: Martin G. Puthz
Photo: autobild.de

