このクルマなんぼ? 22年落ちのスバル インプレッサRB5 果たして444台限定モデルのお値段は?

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スバル インプレッサRB5(1999年式)。そんな22年を経た式スバル インプレッサRB5が新型BMW M3のような価格?スバルの初期型インプレッサSTIは、チューニングファンの間では安くて楽しい車とされていた。そんな中、1999年に発売されたスペシャルモデルが、とてつもない高価格で売りに出されていた。その詳細をレポートする。

1990年代の「スバル インプレッサ」は、現在では希少な存在だ。
「インプレッサ」は、昔も今も比較的安価に販売されていたが、それらのほとんどはあちこちをいじくり回された挙句に、過走行しているものが多い。
そんな中にあって、いくつかの特別モデルだけが継続的に整備維持されてきた。
その代表例が、2021年2月に香港で開催された「コンテンポコンセプト」で販売された1999年製の「スバル インプレッサRB5」だ。
製造された444台中351台目にあたるこの個体が77,629ユーロ(約1千万円)という驚くべき高額な値段で販売されていた。
その理由?
それはこの希少なラリーレジェンドが、ほぼ新車の状態であるからだ。

「RB5」は、この国(ドイツ)ではあまり知られていない、STI製スペシャルモデルの1台で、「三菱ランサー エボ6」の「トミー マキネン エディション」に相当する。
「RB5」は、ファクトリーラリードライバーの「リチャード バーンズ(RB)」に敬意を表して1999年に製作発売されたスペシャルモデルだ。
作られた444台の全てが英国で販売され、特別なボディカラーのボディキット、17インチスピードラインホイール、PIAA補助ヘッドライト、アルカンターラシートカバー、エアコンなどが標準装備されていた。
唯一の特別な技術的な変更点は、クラッチを使わずに変速できるトランスミッションのクイックシフターだった(だが、こういうシステムはクラッチを傷めやすい!)。

そして「インプレッサRB5」をより楽しくスペシャルなものにしたのが、オプションの「WRスポーツ」パッケージで、改良されたエンジンエレクトロニクス、触媒コンバーターなしのエキゾーストシステム、プロドライブ製リアサイレンサー、インタークーラー用のプロドライブ製パイピングが搭載されていた。
2リッターターボは240馬力と350Nmのトルクを発揮した。
「WRスポーツ」パッケージは、リアウィングが大きくなっていることと、スピードメーターにロゴが入っていることで認識することができる。
残念ながら、広告には、この「RB5ナンバー351」に、オプションの「WRスポーツ」サスペンションが付属されているかどうかは書かれていなかった。

「WRスポーツ」パッケージのみ、太いリアスポイラーを装備。小さめのWRXスポイラーが標準装備だ。

WRスポーツパッケージを装着したインプレッサRB5は170台のみ

作られた「RB5」の444台のうち、「WRスポーツ」パッケージがオーダーされたのは170台程度と言われている。
しかし、確かなのは、この販売されている「インプレッサRB5」の走行距離がたったの6,550kmしかなく、ディーラーによると一度も登録されたことがないとのことだ。
どうやら、この車は2002年からイギリスの空調設備の整ったガレージに保管されていて、香港に出荷されたのはごく最近のことのようだ。
この「RB5」は、定期的に整備されているが、タイヤは新車当時のままだ。
また、このスバルは写真が証明しているように、それ以外の点でもほぼ新車状態だ。

RB5はショールームから出たばかりのように見える。走行距離が7,000キロを切っているのだから、それも頷ける。

新車状態の中古インプレッサRB5の劇的な価格

販売価格77,629ユーロ(約1千万円)に対して、ディーラーは自信満々だった。
少しだけ値引きしてもらえば、新品の「BMW M3」がその値段で手に入れることができる。
参考までに。
2020年7月にオークションに出品された「RB5」の「ナンバー372」は、わずか15,600ユーロ(約200万円)で落札されている。
もちろんその個体はすでに7万kmの走行距離を記録していたし、「WRスポーツ」パッケージでもなかった。

今回の「RB5ナンバー351」のための約78,000ユーロ(約1千万円)は、「RB5」がまだ「22B STI」、「プロドライブP1」や「Ra」よりも知名度も人気も低いので、どうしても野心的すぎる高額のように思えるのだが、ところがどうやらその価格を支払ってくれる顧客が見つかったらしいというのだから、やはり世間は広い。
ところで、このディーラーのホームページは一見の価値がある。
販売されている車の在庫を見れば、グランツーリスモファンの目が釘付けになること請け合いだ。
https://www.contempoconcept.com/car-for-sales

バッジは特別なモデルを示している。「WRスポーツ」パッケージで注文された正確な数は不明だ。イギリス向けに発売されていた「ターボ2000」に、444台のみ設定された限定車が「RB5」、そしてそのうちの170台が「WRスポーツ」仕様だとされている。

「インプレッサ」と「ランエボ」や「シビック タイプR」、そして「GT-R」(最近ではGRスープラやGRヤリスも)は海外でも珍重され、カルト的な人気を博す、世界的に高名な日本のハイパフォーマンスカーであり、日本の誇りでもあることは言うまでもない。
その価値はお金で簡単に買えるものではなく、モータースポーツにおける数々の戦歴やニュルブルクリンクサーキットでの武勇伝などにより、長年にわたってやっと築かれた、大変価値のあるものだ。
特にヨーロッパにおけるWRCの影響力は日本人にはなかなか理解できないほど大きく、だからこそ「インプレッサ」にも、日本以上に熱狂的な愛好者が海外に多く存在している。
そんな中での今回の話題だが、一見地味なカラーの、これまた地味な?特別バージョンにもかかわらず、一千万円という大台を超える価格がついている。走行距離やコンディションは、おそらく世界中を探してもこれほどのものはなかなか見つからないような一台ではあるが、1,000万円を出すことのできる熱狂的なスバリストが世の中にいる(みたい)ということにもビックリである。
「スバル」も「インプレッサ」も熱烈に愛されていることを誇らしく思うと同時に、この財産をこれからも失うことなく維持し続けて欲しい、と願うばかりである。

Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: Contempo Concept Limited