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「テスラ セミ(Tesla Semi)」がついに量産開始!メガ航続距離の電動トラックでディーゼルに挑む

2026年5月15日

約10年前の初公開から、ついに本格始動の時が来た。テスラの大型EVトラック「テスラ セミ」が量産体制に突入した。テスラ初の電動トラックは正式にシリーズ生産へ移行し、物流輸送の世界を大きく変える可能性を秘めている。

2017年に初披露されたテスラ セミ(Tesla Semi)は、本来であれば2019年には市場投入される予定だった。しかし計画は順調には進まず、テスラは一部顧客による実証テストを長年続けながら、市場導入を何度も延期してきた。

しかし今、ついにブレイクスルーを達成した。最初の量産車両が「ギガファクトリー ネバダ」の生産ラインからロールアウトしたのである。電動トラックはメイン工場に隣接する専用ファクトリーで製造され、将来的には年間最大5万台の生産能力を目指している。ただし、当面は段階的に生産台数を引き上げていく計画だ。

テスラ セミ:最大800kmの航続距離

技術面でも、テスラは明確なメッセージを打ち出している。セミは約500km仕様と800km仕様の2種類を設定し、3モーター方式のパワートレインは最大800kW(1088ps)を発揮する。これは大型トラックとして極めて印象的な数値だ。

ネバダでは将来的に年間最大5万台のテスラ セミ(Tesla Semi)生産が計画されている。

重要なポイントとなるのが充電性能だ。セミは最大1.2メガワット級の超急速充電に対応するとされている。これにより、従来の電動商用車よりも大幅に短時間でバッテリー充電が可能となり、輸送業界の日常運用にも初めて本格対応できる可能性が出てきた。

効率向上と軽量化を実現

量産開始に先立ち、テスラはセミにさらなる改良を加えた。デザインの空力性能を向上させる一方で、車重を約450kg軽量化している。

これにより2つのメリットが生まれる。ひとつは積載可能重量の増加、そしてもうひとつは効率性能の向上だ。いずれも過酷な物流輸送の現場において極めて重要な要素である。

最大の焦点は価格

テスラはセミの価格を約26万〜29万ドル(約4,200~4,700万円)に設定する見込みだ。現時点では、これは同クラスのディーゼルトラックを上回る価格帯となる。

しかしテスラは、大量生産によるスケールメリットに期待している。生産台数の増加に伴ってコストを引き下げ、将来的にはセミを経済的にも競争力のある存在にしたい考えだ。

また、ヨーロッパ市場も重要なターゲットとなっている。CEOのイーロン マスク(Elon Musk)は、将来的にセミを欧州でも展開する計画を明らかにしており、市場投入は早ければ来年にも実現する可能性がある。

Text: Bianca Garloff
Photo: Tesla