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【新着情報】フェラーリ812スーパーファストにスペシャルバージョン登場!その名は812 VSあるいは812 GTO

2021年2月28日

フェラーリが限定生産で812スーパーファストのスペシャルハードコアバージョンを世に送る。気になるのは、その名前であるが 果たしてそれは812 VS(Versione Speciale)か、それとも812 GTOとなるのだろうか? 最新情報。

公式発表!

「フェラーリ812スーパーファスト」の限定生産特別バージョンが間もなく発表される。エンツォ フェラーリの誕生日(2月18日)に合わせて、潜在顧客に送られたビデオの中で、このニューモデルは、「Versione Speciale=スペシャルバージョン」、略してVSと発表されている。これが「812」のハードコアバージョンであることは確かだ。しかし、その名称はまだ明らかになっていない。「VS」という略語は、最初のプロトタイプが目撃されて以来、何度も何度も特別なモデルに関連付けられて語られているが、噂によれば、それは単にフェラーリ内部用の名称としての略語である可能性がある。

電動化されていない最後のV12フロントエンジンフェラーリ?

一つだけ確かなことは、フェラーリが「812スーパーファスト」をさらに高速化しているということだ。6.5リッター自然吸気V12エンジンを搭載し、800馬力と718Nmの最大トルクを発生する「812」は、まさに「スーパーファスト」の愛称で親しまれている。「812スーパーファスト」の性能は、静止状態から100km/hまではわずか2.9秒、200km/hまではわずか7.9秒で加速し、最終速度は340km/hというものだ。しかし、「812 VS」はさらにパワーアップしている可能性が高く、そしてそれは電動化を伴わない最後のV12フロントエンジンフェラーリとなる可能性が高い。

超高速バージョン「812」の最初のプロトタイプは、2020年の夏から、すでにフィオラノの道路や社内のテストコースを周回しているが、これまでのところ、詳細はほとんど明らかにされていない。
一つだけ確かなことは、その前任者ともいえる「599 GTO」や「F12 Tdf」と同様、特別な「812」は限定生産モデルとなるということだ。インサイダーは「限定799台」と話しているが、これは780馬力の「F12 Tdf」と同じくらい、レアなモデルになる。

他の未確認情報では、次期「812」には2つのバージョン(クーペとコンバーチブル)が存在するとレポートしているが、フェラーリはすでに800馬力オープンバージョンの「812 GTS」を発表している。
しかし、その一方で、「599XX」のような純粋なレーストラック用の「XX」バージョンも考えられる。

軽くカモフラージュされたプロトタイプが登場

軽くカモフラージュされたプロトタイプだけを見ても、まだ多くのことが明らかになっていない。リアだけがカモフラージュされ、大きなディフューザーが隠されていることだけは確かなようだ。伝説の「250GTO」や「F12 Tdf」に採用されている、歴史的なリアフェンダーの3つのエアベント(通気孔)が再現される可能性がある。さらに、ディフューザーとサイドスカートは、通常の「812スーパーファスト」よりもワンサイズ大きくなっている。また、この特別モデルには、新しいホイールが装着されている。「488ピスタ」で提供しているような、オプションのカーボンホイールも提供されることも考えられる。

プロトタイプのビデオでは、フィオラノのテストコースでのハードコアな「812」のサウンドを聞くことができる。特にダウンシフトの音は、かなり大きく響く一方で加速中の音はほとんどの音が少し消音されているように聞こえるが、これはおそらくOPF(ガソリン直噴エンジン車の排気ガスから粒子状物質排出量を削減するためのフィルター)が原因だろう。「812 VS」用に、6.5リッターV12は少なくとも860馬力までは押し上げられると推測される。同時に、大幅な軽量化と空力性能の向上が図られるはずだ。

812 VSはたまた812 GTO?

599 GTOは、これまでのところ伝説の頭文字「GTO」を冠された最後のフェラーリだ。

名前の話に戻ろう。先代の「F12 Tdf」と「488ピスタ」でも、すでに伝説の「GTO」の略語についての憶測が繰り返されていた。伝説の略語は、新しい「812スペシャルモデル」にも使用されるという憶測と期待を込めて、何度も何度も話題にのぼるが、まだ正式な発表はない。現在までの最後の「GTOモデル」には2010年の「599 GTO」が残っている。このスペシャルモデルが最終的に「812 VS」と呼ばれるのか、「812 GTO」と呼ばれるのか、それとも何か別の名前で呼ばれるのかはまだわからない。

いったいどんな名前で出るのか、それさえも話題になってしまう

さすがはフェラーリ。こういう限定モデルを毎年発表し、熱心なオーナーに提供し続けるフェラーリはしたたかであると同時に、かなりの商売上手といえる。今回の812スーパーファストのスペシャルバージョンの内容も、自然吸気の6.5リッター12気筒という、もうそろそろ終焉が近づいてきていると思われる内容のエンジンを持ち、フェラーリの熱狂的なオーナーが、最後の純粋な内燃機関12気筒としてつい選択したくなる(今だから、と選択しなくてはいけない気持ちにさせるような)内容となっている。いつまでも今のままではいられないし、世の中の流れは予想以上に速い。それでもこれからもフェラーリはフェラーリらしいビジネスを、間断なく続け多くの信者を熱狂させ続けるのだと予想する。

Text: Jan Goetze
加筆: 大林晃平
Photo: autobild.de / Ferrari