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よりアグレッシブに、よりエクスクルーシブにそれが「マセラティ MCプーラ チェロ」

2026年5月7日

いくつかの外観上の変更と控えめなファインチューニングによって、従来のMC20はマセラティ MCプーラ チェロ(Maserati MCPURA Cielo)へと変貌を遂げた。それらは細部に過ぎないが、それでもなお注目に値する。

まず最初に明確にしておきたいのは、マセラティはプーラで完全な新型モデルを投入したわけではなく、MC20の穏やかな進化版に新たな名称を与えたに過ぎないということだ。一見すると、これは焼き直しのようにも聞こえる。特に主要スペックがまったく変わっていないとなればなおさらだ。

630hp、730Nmのトルク、そして最高速度325km/h(または320km/h)という数値は、すでに先代モデルでも掲げられていたものだ。しかし、ここ数年の全体的な混乱を踏まえれば、このミッドシップスポーツというコンセプトを維持し続けていることに対して、むしろマセラティに感謝すべきかもしれない。とりわけ、この技術が年月を経てもなお、その魅力を失っていないことを考えればなおさらだ。

太陽の下の居場所:マセラティ MCプーラは二つの世界に応える。サーキットでのスプリントも、低回転で海岸沿いを流すクルージングも、どちらも純粋な楽しみだ。

その魅力について言えば、外観(そして空力的にも)において、プーラは先代よりも明確にアグレッシブなスタイリングを与えられている。新しいフロントは、社内で「シャークルック」と呼ばれ、よりワイドに見えるとともに、シャープに切り込まれたエアインテークによって、アストンマーティン ヴァルキリーをわずかに想起させる。リアも再設計され、オプションでほぼ全面をカーボンファイバー仕様とすることが可能だ。これまでストラダーレに限られていた軽量コンポーネントは、今やプーラ全ラインアップで標準装備となっている。

さらにエキゾーストシステムでも軽量化が可能だ。チタン製レーシングエキゾーストを選択すれば、実に7kgの軽量化が実現される。その外観とサウンドはクルマ本体同様に魅力的だ。ただし、この強化型エキゾーストは多くの市場で公道走行が認められておらず、サーキット専用となる。主要市場であるアメリカでは状況が異なる可能性もある。

リアの透明カバーの下には、おなじみの3リッターV6ツインターボ「ネットゥーノ」が収まる。排ガス後処理が最適化されたにもかかわらず、出力は変わらず、回転域も7,500rpmまで据え置かれている。この広いレンジは、エンジンがほぼあらゆる状況でトルクを発揮するという点で大きな意味を持つ。リッターあたり211hpという非常に高い比出力は、通常であれば大型でレスポンスの鈍いターボと結びつくものだが、このV6は多くの場面で、強力な自然吸気エンジンのようなスロットルレスポンスを示す。3,000rpmから力強く引っ張り、吸気音と重厚な回転上昇音が混ざり合ったサウンドは、ドゥカティやモトグッツィのスーパーバイクを彷彿とさせる。

マセラティ MCプーラ チェロ
エンジンV6ビターボ
排気量2992cc
最高出力470kW (630hp)/7500rpm
リッター馬力211hp/L
最大トルク730Nm/3000-5500rpm
トランスミッション8速デュアルクラッチ
駆動後輪駆動
全長/全幅/全高4667/1965/1214 mm
ホイールベース2700mm
燃料タンク/トランク容量60/50 + 100L
0-100km/h2.9秒
最高速度320km/h
燃費8.5kmL
ベース価格275,000ユーロ(約5,087万円)
マセラティのインテリアは常にスタイル面で指標的存在だったが、仕上げの質については必ずしもそうではなかった。しかしそれは過去の話だ。プーラは細部に至るまで、ほぼ完璧な仕上がりを誇る。

カーボンモノコックは引き続きプーラの骨格を成し、前後にエンジンおよびシャシー用のサブフレームを備え、卓越したハンドリングを実現している。ステアリングは正確で、高速コーナーでもリアが予期せぬ挙動を見せることはない。すべてが素直で、運転しやすい。そしてドライビングモード(Wet、GT、Sport、Corsa、ESCオフ)に応じて、その性能は適切に制御される。

なお、Corsaモードは現在ではレーシングライセンスなしでも選択可能となっている。限界域でのグリップバランスは先代よりも大幅に改善されており、かつてのようにミッドシップ特有の特性を露骨に示すことはなくなった。

限界域でのバランス向上

以前は頻繁に、時には顕著なオーバーステアが当たり前のように現れていた。もちろん、プーラの俊敏な性格が完全に抑え込まれたわけではないが、確実に穏やかにされている。少なくともワインディングロードでの第一印象では、シャシーエンジニアが運動性能のバランス改善に成功したことがうかがえる。これは従来と同じブリヂストン製タイヤを装着しつつ、高いコーナリングスピードと広いグリップ限界を両立している点からも明らかだ。

歴史的な参照:選択可能な10種類のホイールデザインの中には、「バードケージ」ホイールの再解釈も含まれている。

そしてこの特性は、日常使用でより顕著に現れる、プーラのもう一つの顔にも完全に適合している。乗り心地はミッドシップスポーツとしては驚くほど良好だ。ライダーであれば思わず身構えるような路面の荒れも、プーラは見事にいなしてしまう。称賛に値する。

スパイダー「チェロ」:ドライビングフィールの違いはほとんどない

これらすべては、ここで紹介するスパイダー、すなわちマセラティが「チェロ」と呼ぶモデルにも当てはまる。ハードトップによって85kgの重量増となるものの、カーボンモノコックのおかげで剛性への影響はほとんど感じられない。両モデルを乗り比べない限り、チェロで何かが欠けていると感じることはほぼないだろう。

二つのハンプの間に格納式の小型リアウインドウを配置。実車ではリアエンドがさらに力強く見える。

これらの控えめな改良に加え、マセラティはコンフィギュレーションにおけるさらなるエクスクルーシビティにも注力している。デザイン部門のスタッフとともに、購入者はプーラを細部に至るまでパーソナライズすることができる。個別のボディカラーや内装素材の選択から、ハンドクラフトによるミニチュアモデルの製作に至るまで、あらゆる要望に応える。さらに数日間にわたる工場ツアーも含まれる。ここまでの体験を提供するブランドはごくわずかだ。

結論:
本質的にプーラは、MC20が到達した地点をそのまま引き継いでいる。マセラティは依然として、純粋な速さを追求しただけのクルマを提供しているわけではない。そうではなく、五感すべてに訴えかけるミッドシップスポーツカーを提示しているのだ。数値ではなく、印象そのもので語ることを好む一台である。

Text: Phillip Tonne
Photo: Maserati