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【Tuning Car】BMW M2 CS M2の最強モデルを強力なトラックツールへと改造 その中身は?

2021年2月20日

BMWのチューナー、マンハートがBMW M2 CSをM5 CSに負けず劣らずの強さにチューンナップ。それがこのマンハートMH2 GTRだ。BMW M2の中でも最もシャープなCSを、600馬力の強力なトラックツールへと変身された。その詳細をレポートする。

マンハート「MH2 GTR」は、「more is always possible(もっと多くすることは常に可能」)」の典型的なケースである。
その頭文字の裏には、「BMW M2 CS(クラブスポーツ)」をベースにしたチューナー、マンハートの最新プロジェクトがある。
「MH2 GTR」は、BMWのコンパクトスポーツカーの中で最も過激なモデルであり、M社によって、良いもの、高価なもののすべてが装備されている。
カーボンブレーキ、アダプティブサスペンション、カーボンファイバー製ボディパーツが、「M2コンペティション」とは一線を画している。
しかし、マンハートは「M2 CS」をさらに強力かつ過激にする方法と手段を見つけた。
その結果が、ワンオフの「MH2 GTR」だ。

4本のテールパイプはカーボン製で、それぞれの直径は100ミリだ。

それは見た目にも、かなりの迫力がある。
カーボン製のフロントフェンダーにはエアベントを装備し、トランクリッドにはカーボン製のスポイラーを装着してダウンフォースを確保している。
それに合わせて、Mカラーにラッピングされたワンオフモデルには、様々なスポンサーステッカーが貼られている。

M2 CSに追加の150馬力と280Nm

ベースとなる「M2 CS」では、S55と呼ばれる直列6気筒のツインターボが450馬力、550Nmのトルクを発揮する。
さらにマンハートは、その3リッターエンジンを600馬力と830Nmのトルクにまで押し上げた。
これは最強の「BMW M5 CS」よりもわずか35馬力少ないものの、トルクに関しては80Nm多いパワーレベルだ。
ターボのアップグレード、パイピングを含む新しいインタークーラー、カーボンインテークルーティング、エンジンソフトウェアの変更などにより、さらにパワーアップさせている。
また、DKGデュアルクラッチトランスミッションも新しいデータに更新されている。
マンハートは性能数値を公表していないが、「MH2 GTR」は、うまくチューニングされていれば、0から100km/hまでのスプリントタイム4秒以下を難なく達成できるはずだ。
最高速度に関しては、「M2 CS」と同じ280km/hを維持している。

マンハート「M2」チューニングのお得な価格

増大したパワーに対応するため、サスペンションは、スペシャリストの「H&R」の協力を得て改良されている。
そのため、コンケーブワン(Concave-One)と呼ばれる20インチホイールには、ミシュラン製のパイロットスポーツタイヤが装着されている。
カーボンセラミックブレーキは「MH2 GTR」に標準装備されているが、マンハートではリクエストに応じてアップグレードも可能だとする。
レカロのスポーツシートがドライバーを固定し、ステアリングホイールとDKGセレクターレバーは「Mパフォーマンス」アクセサリーからのものを使用している。
他にも、エアベントの代わりに、ステアリングホイールの右側にドライバーの走行値やエンジンデータを表示するインフォメーションディスプレイが設置されている。

ステアリングホイールとセレクターレバーは「BMWアクセサリー」からのカーボンとアルカンターラで仕立て上げられている。

現状では「MH2 GTR」はワンオフのままだ。
しかし、マンハートはこの姿と内容と同じに変更させるためのチューニングパーツをすでに販売している。
パフォーマンスチューニングの価格は19,000ユーロ(約243万円)弱というもので、決して安くはないが、「BMW M2 CS」のベース価格が95,000ユーロ(約1,216万円)であることを考えると、それほど高価とも言えず、むしろリーズナブルとも言える。

我々の記事でもすっかりおなじみのなったチューナー、「マンハート」の新作「MH2 GTR」は、ワンオフということで、つまりはこのクルマそのものはデモカーのようなものなのだろう。それでも希望者はこのクルマと同じスペックになれるとのことだし、本来チューニングカーというのは、原則的にオーナーの希望に沿って作られるものだから、別に不思議でもなんでもない。
今回のデモカー?は、かつてのBMW M1(懐かしい)のようなカラーリングで、これも希望すればこのようにもなるし、もちろんぐっとシブイ仕様にもなるはずである。
チューンアップのパーツ代はリーズナブルな価格と判断されているが、実際にはそのそれ以上の金額になることは言うまでもないが、この手のクルマのオーナーには特別な一台のためにその出費を厭わないことが多いことも事実である。

Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平
Photo: MANHART PERFORMANCE
GMBH & CO. KG