人気SUVガチンコ勝負 アウディQ5対BMW X3対アルファロメオ ステルヴィオ

106

アウディQ5、アルファ ステルヴィオ、BMW X3: 人気ブランドの4気筒ガソリンエンジンSUVを比較テストしてみた。その結果と結論は?

新型アウディQ5がアルファロメオ ステルヴィオとBMW X3を相手に初対決。新型アウディQ5は頼もしい万能SUVだ。その最初の比較テストでは、アルファ ステルヴィオ、BMW X3と対峙する

採石場の池の代わりに大通り。
最近では、SUVとは名ばかりで、ハードコアなモデルよりも毎日の生活の足として楽しむように開発されている。
全輪駆動(多くの場合)にはFFモデルと比較して、より多額の追加料金がかかり、幅広タイヤのミニ断面の20インチアルミホイールは砂利道には適していない。
要するに、SUVは長い間、4×4のヒーローではなく、主に使われるはずの街中、カントリーロードでの走行を特に楽しめるようにできている。
だから今回の3台のボンネットの下にあるガソリンエンジンは、パワフルであると同時にスムーズに動作する。

3台すべてのSUVに4気筒ガソリンエンジン

この3台のSUVは、例えば「オペル モッカ」のようにコンパクトではないし、「メルセデスGLS」リーグのモデルのように肩幅が広いわけでもない。
今回、ここでは、すべて4気筒ガソリンエンジンを搭載した、特にマナーの良いクラシカルな中型SUVを3台、セレクトしてみた。
クラシックはアウディとBMW。
最近フェイスリフトを受けたQ5は265馬力を備えた45 TFSIクワトロSラインだ。
BMWは、252馬力のX3 30iだ。
そして、3台目は、アルファロメオだ。
シックなステルヴィオは280馬力のガソリンエンジンを搭載している。
3台のSUVはすべて、ターボチャージャーが2リッター4気筒から強力なパワーを発揮する。
他の2台と異なるのは、ステルヴィオで、イタリア車は1つのカムシャフトだけで乗り切っている。その油圧システム(マルチエア原理と呼ばれる)がカムシャフトの開度を調節するようになっているからだ。
そして、3台のSUVはすべて、トランスミッションの種類や伝達システムこそ異なるものの、4つの車輪すべてにパワーを可変的に送るようになっている。

アウディでは、デュアルクラッチオートマチックトランスミッションが、7つのフォワード(前進)ギアを操り、BMWとアルファロメオでは、「本物の」トルクコンバーターオートマチックが回転数の管理をおこなう。
このように、この3台には、優れた走行性能、凛とした快適性、日常の作業をスタイリッシュにこなすための最高の条件がそろっている。
それでは、いったい誰が最高のマナーを備えているだろうか?

より多くのパワーは、より多くの楽しみに等しいだろうか?

その通りだ。
エンジンが切り札であるターボによって顕著になったとしても、3台中もっともパワフルなステルヴィオは荒れ狂うようなペースで走ることを可能にする。
主観的に見れば、「ステルヴィオ」は競争相手よりもパンチがあり、それが速さにつながっていると言える。
そして、スムーズで、意外とダイレクトなステアリングは、コーナリングにも意欲的に取り組める。
さらに、シートは腰と体幹をしっかりとグリップし、身体はすんなりと固定され、ステルヴィオはステアリングホイールの後ろにある巨大なパドルシフター(残念ながら回転しない)を使って8速オートマチックのギアを選択するのが楽しい。
同時に、2リッター(280馬力、400Nm)のエンジンは、負荷がかかった状態では本物の怒りに満ちたサウンドを奏でる。
サスペンションも柔軟に対応する。
しかし、シャシーは低速走行時に脆く反応し、乗り心地を損なう。
さらに、後部座席の後ろでパチパチとロードノイズがすることも残念だ。

第3位 800満点中491点: アルファロメオ ステルヴィオ ヴェローチェ2.0ターボ
きびきびとしたハンドリング、強力で、肯定的な意味でのラフなエンジン。だが残念なことに、最終的には微調整が欠けていて、じゃっかん完成度の高さに欠ける。
価格: 59,000ユーロ(約755万円)より

「BMW X3」は、よく考えられ、過度に装飾されておらず、注意深く、且つ丁寧に設計されているようだ。
スペース、機能性、輸送能力?
3台中トップだ!
しかし、BMWは、アルファやアウディのようなパワフル感に乏しく、エンジン(252馬力、350Nm)は、高回転域では意外にも少しピーキーなサウンドが生じてしまう。
フロントシートは調整機能が充実しているにもかかわらず、運転席と助手席はアウディほど快適ではない。
例えば、背もたれの内側の表面はもっと滑らかな張り地にしてもいいのではないだろうか。
もうひとつの不満点は、リアに乗り込むには、突出したホイールアーチを乗り越えなければならないことだ。
一方、BMWは「X3」の操作コンセプトをかなり的確なものにしている。
Q5のように腕を伸ばして画面を操作するのではなく、ドライバーはiDriveシステムの典型的なコントロールノブを使ってほとんどすべての操作を行うことができるようになっている。

第2位 800満点中541点: BMW X3 xDrive 30i Mスポーツ
十分なスペース。BMWらしい気質はやや抑制されているものの、運転しても安全で、アルファやアウディよりも燃費性能が高い。
価格: 59,170ユーロ(約757万円)より

52,050ユーロ(ベース価格=約666万円)を要する中型SUV、「Q5」は、すべてが期待通りだ。
遠くに配置されたタッチスクリーンの使いにくさだけが、我々がアウディを非難することができる唯一のものだ。
エンジン(265馬力、370Nm)は細かく回転し、2000rpmのはるか下から豊かなパワーを発揮し、部分的に負荷がかかっても音も目立たない。
さらに、ステアリング、サスペンション、シャシーのチューニングも完璧にマッチしている。
車は走行時も全体的に慌ただしくなることなく慎重な走りを見せ、同時にスポンジ状になることなくガッチリと構成されていて、快適性と俊敏性がぴったりと調和されている。
シートは非常に快適で、スペースは適切であり、2列目からの乗り降りは、BMWよりも優れている。
アウディは最大積載量の多さでトランクの狭さという欠点を補っている。
そして、Q5は、コーナリングとブレーキの面で3台中トップマークを獲得している。
燃料消費量のリッターあたり約10kmは、このパフォーマンスクラスのSUVとしては容認される範囲でではあるが、やはり時代遅れの感は否めない。

第1位 800満点中549点: アウディQ5 45 TFSIクワトロSライン
高い安全レベル、滑らかなエンジン、正確なハンドリング、それでいて機敏。素晴らしい!
価格: 53,322ユーロ(約682万円)より

結論:
この3台のSUV、「Q5」、「X3」、「ステルヴィオ」はどの車もオールラウンダーなSUVとして成功している。
その中でも、特にアウディはすべてすべての面でバランスよく、魅了的な価格であった。
その結果、「Q5」がこの比較テストに勝利することとなった。

ということで、今回の勝者はアウディQ5になったのだが、これはひとえにQ5が実用性と、走りのパフォーマンスのともに優れた、とにかく総合的バランスの良いクルマであったということである。もちろんアルファロメオにはアルファロメオらしい部分が多いはずで、それは長所も短所もある反面、アルファロメオを好む層には強いアピールポイントとなるだろう。この3台の中では一番個性がある反面、好き嫌いがはっきり出るクルマであることは間違いない。だがそんなアルファロメオでも毎日の実用面では一切のエクスキューズなどいらない完成度であり、形やブランドで選んでも間違いはないだろう。

8点という僅差ではあっても、BMWがアウディに及ばなかったことはちょっと意外ではあるが、ややBMWらしい何かがX3には足りなかった、ということではないだろうか。具体的にはBMWらしい軽快さとか爽やかなドライビングフィールや室内スペースと言った部分なのではないかと予想されるが、それでもX3は十分に魅了的だし、アウディと比べて大幅に劣った面などないはずである。
そう考えると今回のテストでは、すべての面でバランスのとれた部分を評価されてQ5が勝者になったと考えられる。そしてアウディとは本来控えめながらもハイテクと優れたバランスという面で評価されるべき車なのである。そして今や自由にどんなブランドであっても実力が拮抗し、ほんのわずかな差での優越を強いられる時代なのだと思う。

Text: Dennis Heinemann, Jan Horn
加筆: 大林晃平
Photo: Olaf Itrich / AUTO BILD