王者の貫禄とポール・トゥ・ウインの対照劇 — 2026 AUTOBACS SUPER GT開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」
2026年4月22日
岡山国際サーキット、富士スピードウェイで行われた公式テストを経て、2026SUPER GTの火蓋が切られた。開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが、4月12日に岡山国際サーキット(1周3,703m×82周)で行われた。
2026年のSUPER GT開幕戦「OKAYAMA GT 300km RACE」は、晴天かつドライコンディションのもと開催された。スタート時の気温は約24度、路面温度は39度と春の岡山らしい安定したコンディションとなり、タイヤマネジメントとピット戦略が勝敗を左右する一戦となった。
GT500クラス
前日の予選では、No.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)がポールポジションを獲得。これにNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、No.14 ENEOS X PRIME GR Supraが続き、トヨタ勢が上位を占める構図となった。

決勝では、2番手スタートのNo.36が王者らしいレース運びを披露する。スタート直後から上位勢は僅差で推移したが、レース中盤にかけてNo.36は安定したラップタイムを刻み、ピット戦略とアウトラップでNo.38を逆転。以降はペース差を武器に後続を引き離し、最終的には20秒近いリードを築いてトップチェッカーを受けた。

これにより、坪井/山下組は岡山開幕戦で3年連続優勝という快挙を達成。予選2位からの逆転勝利は、タイヤの使い方とレースマネジメントの完成度の高さを改めて証明する内容だった。

2位にはポールスタートのNo.38が入り、デビュー戦の小林利徠斗がいきなり表彰台を獲得。終盤まで優勝争いに加わりながらも、王者との差を詰めきれなかった点は課題として残るが、今季のタイトル争いにおける有力候補であることを強く印象付けた。

3位にはNo.12 TRS IMPUL with SDG Zが入り、日産勢最上位を確保。トップ2には届かなかったものの、レース後半にかけての安定したペースで確実にポジションを守り切った。

総じてGT500は「予選の速さ」と「決勝の強さ」のコントラストが際立つ展開となった。ポールを奪ったNo.38の一発の速さに対し、No.36はロングラン性能と戦略で上回る構図。今季もスープラ勢が主導権を握る中、Z勢、そして新規勢力がどこまで巻き返すかが次戦以降の焦点となる。
GT300クラス
GT300クラスもGT500同様、気温・路面温度ともに安定した環境の中で、各チームはタイヤの摩耗とピットタイミングを見極める戦略戦を展開した。

予選では、No.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)がポールポジションを獲得。2番手にNo.2 HYPER WATER INGING GR86 GT、3番手にNo.31 apr LC500h GTが続き、GT3とJAF-GT勢が入り混じるグリッドとなった。

決勝レースは、このNo.777が主導権を握る展開となる。スタートから安定したペースで後続との差をコントロールし、ピットインのタイミングでも大きく順位を落とすことなく実質的なトップを維持。そのまま最後までリードを守り切り、ポール・トゥ・ウインで開幕戦を制した。

2位争いはNo.2 GR86 GTとNo.31 LC500h GTを中心に展開。ピットウィンドウの使い方やスティント配分の違いにより接近戦となったが、最終的にはNo.2がポジションを守り切り2位フィニッシュ。No.31が3位で続いた。

また、中団ではNo.52 Green Brave GR Supra GTなどがポジションを上げる動きを見せるなど、各所で接近戦が展開されたが、上位勢は大きな波乱なくレースをコントロール。結果として上位3台は予選上位勢がそのまま結果を残す形となった。

GT300クラスの特徴である多様な車両規定と戦略の幅は今季も健在だが、開幕戦に限って言えば「予選のトラックポジション」がそのまま結果に直結したレースとなった。特にNo.777の完成度は高く、スティント全体でのペースコントロールに加え、トラフィック処理でもミスがなかった点が勝因と言える。
一方で、No.2やNo.31も含めた上位勢のパフォーマンス差は小さく、戦略やセーフティカーの有無ひとつで順位が入れ替わる可能性は十分にある。混戦必至のGT300において、今回の結果は序列確定ではなく“初期値”に過ぎない。
開幕戦はGT500が王者の逆転劇、GT300がポール・トゥ・ウインという対照的な結果に終わった。だがいずれのクラスも上位勢の実力差は僅差であり、次戦以降の勢力図は依然として流動的。2026年シーズンは、序盤から高密度なタイトル争いが展開される可能性が高い。


次戦は「FUJI GT 3Hours Race GW SPECIAL」として富士スピードウェイにて5/3(日),4(月)のゴールデンウィークの真っ只中に3時間レースで争われる。果たしてトップでチェッカーを受けるのは安定のスープラか、それとも仕上りを魅せつけて来るプレリュードか、猛追して来るZなのか目が離せない戦いになりそうだ。

GTカーが激しいバトルを繰り広げるSUPER GT。是非ともサーキットに足を運んで、直にレースの迫力を感じてほしい。
Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:Hisao Sakakibara

