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新型ポルシェ911 GT3ついに登場! ポルシェ製ドライビングマシンのすべて

2021年2月18日

新しいポルシェ911 GT3は、自然吸気エンジンを維持しつつ、さらにシャープになる そのすべてのテクニカルデータと価格

新型ポルシェ911 GT3(992)は、510馬力の自然吸気エンジン、リクエストに応じてマニュアルトランスミッションも選べ、そして今回も多くの新技術を搭載したドライビングマシンであることに変わりはない。すべての詳細とともに新型高性能911の情報をお届けする。

➤ 価格と市場ローンチ時期
➤ エンジンとトランスミッション
➤ ドライビングパフォーマンス
➤ ダブルウィッシュボーンフロントアクスル
➤ グースネックスポイラーとディフューザー
➤ ライトウェイト構造とカーボン
➤ インテリア

ポルシェが「911 GT3」のニューモデルを市場ローンチする。
まずは良いニュースから。
レーストラックに対応した911は、試行錯誤されてきたコンセプトにこだわり、992シリーズの1モデルにもかかわらず、今回も自然吸気エンジンに固執し、頼っている。
第4世代の「GT3」では、おなじみの4リッター6気筒ボクサーが510馬力を発生する。
これについてはエンジンの項で詳しく説明する。
「GT3」の他の成分もスポーツカーファンを喜ばせている。
大幅な軽量化と空力性能の向上により、GT3はレースコースでのスピードをさらに向上させている。
例えば、レースドライバーのラース カーンは、新型「911 GT3」で、ニュルブルクリンクの全長20.8kmのノルトシュライフェ(北コース=通称「緑の地獄」)で、7分の壁(6分59秒927)を破った。
しかし追加された技術や装備は価格にも反映されている。
2021年5月から市場投入予定の新型「911 GT3」は少なくとも167,518ユーロ(約2,145万円)で販売される予定で、先代モデルより15,000ユーロ(約192万円)高くなっている。

様々に新しい装備やテクノロジーが加わったにもかかわらず、多くの軽量構造の採用によって、新型GT3のウェイトは旧世代とほぼ同じレベルだ。

992 GT3用4リッター自然吸気エンジン

「GT3」にターボは搭載されない。
ニューモデルのリアには、「911スピードスター」でおなじみの高回転型4リッターボクサー6気筒が搭載されている。
新型「GT3」の出力は先代と比べて10馬力増加して510馬力となり、最大トルクも10Nm増加して470Nmとなった。
さらに、4.0(スピードスターと同様)は「GT3」のシングルスロットルシステムを採用して、フラッグシップエンジンの回転能力をさらに高めることを目的としている。
最高回転は9000rpmのままだ。
シフトは、7速のPDKデュアルクラッチトランスミッションを介して行われるか、6速マニュアルを介して行われる。

● エンジン: 6気筒自然吸気水平対向エンジン
● 排気量: 3996cc
● 最高出力: 510HP@8400 rpm.
● 最大トルク: 470Nm@6100 rpm
● トランスミッション: 7速PDKデュアルクラッチトランスミッション、または6速マニュアルトランスミッション

縦方向の加速は旧型「GT3」と遜色ない。
PDKでは0から100km/hまで3.4秒(マニュアルは3.9秒)で加速する。
「GT3」の最高速度も以前同様、PDKで318km/h、マニュアルトランスミッションで320km/hだ。

● 0-100km/h加速: 3.4秒(PDK); 3.9秒(マニュアルトランスミッション)
● 0-200km/h加速: 10.8秒(PDK); 11.9秒(マニュアルトランスミッション)
● 最高速度: 318km/h(PDK); 320km/h(マニュアルトランスミッション)

新型GT3は20.8 kmのノルトシュライフェ(ニュルブルクリンクサーキット北コース)を6分59.9秒というラップタイムでクリアした。先代モデルのGT3より17秒も速い。

992 GT3用ニューフロントアクスル

今回、シャシーの革新がなければ、ノルトシュライフェでの7分未満のタイムはおそらく不可能だっただろう。
「992 GT3」はダブルウィッシュボーンを備えた完全に独立したフロントアクスルを採用している。
キャンバー剛性が向上したことで、ステアリングコマンドをより速く実行できるようになり、直進性が向上した。

また先代とは異なり、エンジンは耐荷重部品として設計されているため、適応型エンジンマウントが不要となり、より即効性のある走りが想定される。
「GT3」には、ミシュラン製「パイロット スポーツカップ2」タイヤ(フロント:255/35 ZR20、リア:315/30 ZR21)が標準で装着されている。
さらにオプションで、さらにグリップ力の強い「カップ2 R」のタイヤも用意されている。

新型GT3のリアウィングはより多くのダウンフォースを生成するだけでなく、軽量化に貢献している。その理由はカーボンで作られているからだ。

グースネックスポイラーとディフューザーでダウンフォースを高める

新しいフロントエプロンと冷却用エアアウトレットは目につきやすい。
もはやエプロンの排気口ではなく、標準的なカーボン製フロントフードの中に直接大きなエアインテークの穴が設けられている。
さらに、アンダーボディは覆われており、クラシックな中央に配置されたテールパイプの左右にそれぞれ3つの顕著なフィンを備えたディフューザーへと流れ込むようになっている。
その結果、ディフューザーは「991.2 GT3」の4倍という優れたダウンフォースを発生させる。
その上には、カーボンファイバー製のランプとグースネックサスペンションを備えたリアウィングを装備している。
これはウイングの下側の空気の流れを良くするためのものだ。
プラスの副作用は、改善されたエアフローのおかげで、ウイングをより多く調整する必要がないことだ。
つまり、より多くのダウンフォースにもかかわらず、ほとんどCd値(0.34)は悪化していないと言われている。
全体として、新型「GT3」は、工場出荷時の設定でも、先代モデルより50%以上のダウンフォースを発生させる。
そして、フロントスポイラー、リアウィングともに、ドライバーの好みやサーキットの状況に応じて4段階の調整が可能となっている。

軽量構造はフロントにも。フロントフード(ボンネット)はカーボンファイバー(炭素繊維強化プラスチック)で作られているが、裏側からしか判別できないようになっている。

カーボンを多用した軽量構造のおかげで、「GT3」には贅肉がついていない。
新型「GT3」が、992式911の広くてやや重くなったボディのせいでだらしなくならないように、エンジニアは軽量構造に重点を置いて開発を進めた。
前述のとおり、フロントフードとリアリッドはカーボンファイバー製だ。
さらに、3つのリアウィンドウはポリカーボネート製で、エネルギー貯蔵用の軽量リン酸鉄リチウム電池(マイナス10kg)が搭載され、プラスチック製のドライサンプと再設計された排気システム(触媒コンバーターとOPF【排ガス浄化用微粒子フィルター】はフロントサイレンサーの代わりにマニホールドの真後ろに配置)により、さらに軽量化が図られている。
さらに軽量化を望む人のためには、「GT3」に将来的にカーボンルーフを追加することも可能となっている。
マニュアルが1418kg、PDKバージョンが1435kgという感想重量は、911としては素晴らしい数字だ。

購入者は、ロールバー、消火器、6点式シートベルトが付いた「クラブスポーツパッケージ」を無料で注文できる。

PDKセレクターレバーは新型に絶妙に適合しているものの、それ以外にはインテリアに大きな驚きはない。
つまりダッシュボードは現行の992シリーズとほとんど同じだ。
しかし、「GT3」用の特別な機能はいくつかある。
その中には、スポーツモデルに適応したインストルメントクラスターが含まれており、走行中の熱気の中で本当に必要な情報だけを表示する「トラック」ディスプレイが備わっている。
アナログタコメーターの左右には、6000rpm付近から黄色のシフトランプが表示され、8700rpmからは青く点滅して、ドライバーにギアチェンジを促す。
マニュアルシフトの場合は、左足と右手の古典的な操作で行うか、911の中でこれまでのところ「GT3」だけがこれを備えているが、古典的に突き出たPDKセレクターレバーを引くことで行うことができるようになっている。
もちろん、ステアリングホイール上のシフトパドルは、これに代わるものとして残されている。

Text: Peter R. Fischer
Photo: autobuild.de