【このブガッティEB112なんぼ?】製造されたのは3台のみ!希少な4ドアの「ブガッティ EB112」がオークションに!その想定落札価格とは?
2026年4月14日
ブガッティ EB112(Bugatti EB112)は、6.0リッターV12エンジンとマニュアルトランスミッションを備えた4ドアセダンである。わずか3台のみが製造され、そのうちの1台がまもなくオークションに出品される!
ブガッティと聞けば、誰もがハイパーカーを思い浮かべるだろう。同ブランドは常に「可能性の限界」を塗り替えるクルマを生み出してきた。数百万ユーロ(2億円以上)の価格を持ち、その価値は通常さらに上昇する。オークションハウスのRMサザビーズ(RM Sotheby’s)がまもなく出品するのは、ほとんど知られていない1台—それが「ブガッティ EB112」である。生産台数はわずか3台だ。
「ブガッティ EB110(Bugatti EB110)」、「ブガッティ ヴェイロン(Bugatti Veyron)」、「ブガッティ シロン(Bugatti Chiron)」、そしてまもなく登場する「ブガッティ トゥールビヨン(Bugatti Tourbillon)」。現代のブガッティはいずれも驚異的な速さと価値を誇るが、基本的には2シーターのハイパーカーに限られている。一方で、「Bugatti EB218(1998年)」や「ブガッティ 16C ガリビエ(Bugatti 16C Galibier)」のような4ドア高級セダンの構想も存在したが、市販化には至らなかった。
イタリア時代のブガッティ
16Cガリビエよりもはるか以前、そしてEB218よりも数年前に、4ドアのブガッティを構想したプロジェクトが存在した。それが「EB112」であり、少なくとも3台が製造された。
1987年、イタリア人実業家のロマーノ アルティオーリ(Romano Artioli)がブガッティの商標権を取得し、このフランスの名門ブランドを復活させるという大胆な計画を立てた。1989年にはブガッティ アウトモビリS.p.A.が設立され、当時最高峰のエンジニアたちが集結。さらにイタリア・モデナ近郊カンポガリアーノには「ファブリカ ブルー(青い工場)」が建設された。

アルティオーリの計画は、世界最速かつ最先端のスーパーカー—コードネームEB110を開発することだった。わずか2年で開発は完了し、1991年9月15日にパリで発表される。しかし彼の構想にはもう1台のモデルが含まれていた。それが、1930年代のブガッティを彷彿とさせるラグジュアリーセダンである。
プロジェクトEB112
この威信をかけたプロジェクトは「EB112」と名付けられた。改良型「EB110」のカーボンシャシーをベースに、ミッドシップではなくフロントアクスル後方にV12エンジンを搭載するエレガントなセダンとして設計された。未来的な「EB110」とは対照的に、よりクラシカルなデザインが意図されていた。
デザインを担当したのは、名匠ジョルジェット ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro)。彼は見事な作品を生み出した。全長5.07メートルのアルミボディは、「ブガッティ タイプ57 SC アトランチック(Bugatti Type 57 SC Atlantic)」を想起させるフィンや分割リアウィンドウを取り入れつつ、水平基調の個性的な馬蹄形グリルを組み合わせている。ワイドホイールもまた、「ブガッティ タイプ41 ロワイヤル(Bugatti Type 41 Royale)」へのオマージュだ。

ジウジアーロはクラシック要素を現代的に再解釈し、単なる模倣に陥らないデザインを実現。その結果、唯一無二のラグジュアリーセダンが誕生した。
現代ブガッティ初の4座モデル
インテリアはブラックレザーとアルミニウムが基調。4座すべてのシートにはEBロゴが刻印され、後席にはほぼ水平に設置された小型テレビも備わる。一部の専門家は、そのディテールに後のヴェイロンの萌芽を見出している。
1993年のジュネーブモーターショーでプロトタイプが公開されたが、その後この4ドアブガッティの話題は急速に消えていく。当時すでにブランドは財政難に直面しており、1995年にカンポガリアーノでの生産が終了するまでに、EB112は合計3台のみが製造された(走行可能なプロトタイプ1台とモックアップ2台)。
3台が現存する理由
現在3台すべてが(多かれ少なかれ)走行可能であるのは、モナコの実業家兼レーシングドライバー、ギルド パランカ パストール(Gildo Pallanca Pastor)の存在による。彼はEB110を複数所有し、破産財団から大量のパーツを取得。その中にはEB112のデザインモデル2台も含まれていた。

ブランドの熱心なファンであるパストールは、この2台を完全な走行可能車へと仕上げることを決意。そしてその挑戦は成功を収めた。
456馬力の自然吸気V12
エンジンはEB110由来のV12をベースに排気量を3.5Lから6.0Lへ拡大し、ターボを廃した自然吸気仕様。出力は456ps、最大トルク590Nm。6速MTと四輪駆動(トルク配分38:62)を採用する。

1993年当時、0-100km/h加速4.3秒、最高速度300km/hという驚異的な性能が公表されたが、実際に達成されたかは不明だ。アルティオーリは後年、「まるでゴーカートのような走りだった」と語っている。
走行距離わずか388kmの個体
2026年4月25日、モナコでRMサザビーズ(RM Sotheby’s)により出品されるブラックの「EB112」は、1999年完成後長らくパストールのもとに保管され、その後2015年に2人目のオーナーへ渡った。走行距離はわずか388kmと極めて少ない。

近年には約3万7000ユーロ(約685万円)が整備・修理に費やされており、理論上は完全に走行可能な状態にある。
予想落札価格
この4ドアブガッティには特注ラゲッジ2点と、Rembrandt Bugattiの象の彫刻を模したハンドルを持つ傘が付属する。予想価格は150万〜200万ユーロ(約2億7800万円~約3億7000万円)で、ヴェイロンと同等水準だが、生産台数の少なさという点では「EB112」の方がはるかに希少である。
結論:
「ブガッティ EB112」は、ほとんど神秘的とも言える存在だ。長らく複数台が存在することすら知られていなかったが、ひとりの情熱によって3台が現存している。その実車を目にすることは、多くのクルマ好きにとって夢と言えるだろう。
Text: Jan Götze
Photo: Simon Gosselin ©2026 Courtesy of RM Sotheby’s

