1. ホーム
  2. EV
  3. 【メルセデス対BMW】メルセデスは夏に新型Cクラスを投入してBMW i3から「コーナリングキング」の座を奪おうとしている!

【メルセデス対BMW】メルセデスは夏に新型Cクラスを投入してBMW i3から「コーナリングキング」の座を奪おうとしている!

2026年4月4日

「駆けぬける歓び」もこれまでか。BMWのi3に対抗し、メルセデスは今夏、新型Cクラスを投入する。狙うのは、宿敵から“コーナリングキング”の座を奪うことだ。

それはまるでペルセウス座流星群のようだ。夏の夜空に流星が降り注ぐように、いまメルセデスの空でも激しい動きが起きている。シュトゥットガルトのメーカーが過去最大の製品攻勢を仕掛け、今後数年で30以上の新型モデルを投入すると約束しているのは偶然ではない。

当然ながら、その空は輝きを増している。ただし、その“新しい星”は燃え尽きるためではなく、長く存在感を放つためのものだ。その代表例が新型Cクラスである。

新型「GLC」に慣れ始めたばかりだというのに、すでにその流麗な兄弟モデルが登場し、ミュンヘン勢の攻勢に対抗する構えだ。今夏、3シリーズの電動版として新型i3が登場するのに合わせ、シュトゥットガルトもCクラスの電動化を進める。

同時に、これまで評価が芳しくなかった「EQE」の長いキャリアにも終止符が打たれる。デザイン、効率、知能のいずれにおいても期待に届かなかったモデルだ。新たなフラッグシップは4月に発表予定で、市場投入は夏季休暇後と見られるが、その前にBMWの出鼻をくじくべく、すでに助手席での試乗機会が提供されている。

新型メルセデスCクラス:デザインはまだカモフラージュ状態

デザインはまだ完全には明らかになっていないが、「GLC」を見れば想像は難しくない。EQモデルのブラックパネルではなく、誇らしげなグリルを備えたハッチバックセダンとなるはずだ。プロトタイプを見る限り、現行のフォルムを大きく逸脱しておらず、「EQE」や「EQS」廃止後に登場する電動EクラスやSクラスの余地も確保されている。

次世代メルセデスCクラスはまだ厳重なカモフラージュに包まれているが、その下には最新の電動パワートレインが隠されている。

もっとも、この段階ではデザインは主役ではない。インテリアも同様で、最新モデル同様にコクピット全体を覆うスーパースクリーンが採用される見込みだ。自社OS上で動作するソフトウェアが、鮮やかな表示空間を提供する。開発責任者クリスティアン バウアー(Christian Bauer)にとって、この試乗の焦点はあくまでダイナミクスにある。従来はやや穏やかで紳士的だったCクラスが、ついにミュンヘンの“ドライビングプレジャーの守護者”に真っ向から挑む。

エアサスペンションと後輪操舵がもたらす若返り効果

その鍵となるのがエアサスペンションと後輪操舵の組み合わせだ。これによりセダンは“若返り”を果たす。エアサスは従来の可変ダンパーよりも幅広い特性を持ち、快適なコンフォートから引き締まったスポーツまでをカバー。しかも応答性が高く、必要に応じて瞬時に剛性を確保し、スポーツ走行時の過度な揺れを抑える。後輪が最大4.5度操舵することで、高速道路での車線変更時の安定性も大きく向上する。2速ギアボックスの採用により、0-100km/h加速は約4秒、最高速度は210km/hに達する見込みだ。一方、市街地ではAクラスのような取り回しの良さを見せ、ワインディングでは軽快かつ俊敏な挙動を発揮する。あまりの楽しさに、テストドライバーが何度も同じコーナーを走り直すほどだ。

新型CクラスはEQデザインから離れ、伝統的なメルセデスのラインへ回帰している。

バウアーはタイトコーナーを巧みに駆け抜けるが、決して無理はしない。Cクラスも同様に、力任せではなく滑らかに加速へと変換する。もっとも、このモデルは走りだけを追求したわけではない。ボタンひとつでコンフォートモードへ切り替えれば、Sクラス並みの静粛性と柔らかさを実現する。実際、プロトタイプには大きく「Welcome Home」と記されている。最もスポーティなCクラスであっても、根底にはメルセデスらしい快適性がある。

技術と航続距離の初期情報

バウアーはドライブモードやルート予測付き回生システム、最大300kWのエネルギー回収について熱心に語る。アクセルを離すだけで減速するワンペダルモードでは、自然にうなずくような減速感が得られるという。ただし具体的な数値になると口を閉ざす。今回の車両がC400 4Maticであることは示唆されるが、出力は不明。ただし「GLC」の490hpを大きく下回ることはないだろう。航続距離についても同様で、空力に優れるセダンはSUV以上が期待される。「750km以上」という推測に対して否定はされていない。

新型モデルは「750km以上の安定した航続距離」を目標としている。

充電性能については、800Vシステムにより最大330kWに対応。一方、BMWは400kWを掲げるが、バウアーは「数値上の話にすぎない」と一蹴する。それよりも重要なのは、10分で約300km分を充電できる実用性能だという。

価格:メルセデスは接近戦へ

価格については慎重な姿勢を崩さない。唯一の発言は「内燃モデルとの価格パリティ」だ。Cクラスのエントリーモデルは現在42500ユーロ(約800万円)からだが、「C400」は上位モデルであり、さらに上にはAMG、下には後輪駆動や小容量バッテリー仕様も用意される見込みだ。「GLC」が67700ユーロ(約1,270万円)からであることを考えれば、「C400」の価格も大きく逸脱することはないだろう。さらにメルセデスらしく、オプションも豊富だ。例えば星空を再現するイルミネーション付きパノラマルーフ。だが、それ以上に注目されるのは、まだ明かされていない“もうひとつのスター”だ。伝統回帰の流れの中で、それがボンネット上に戻ってくる可能性もある。

Text: Thomas Geiger
Photo: Mercedes Benz Group