GAZOO Racing(ガズーレーシング)「GRヘリテージパーツプロジェクト」はA80スープラの内装部品を復刻して正規パーツとして供給する
2026年4月6日
トヨタ自動車のモータースポーツ部門であるGAZOO Racing(以下GR)は、往年の名車を現代に蘇らせる「GRヘリテージパーツプロジェクト」の新たな展開として、A80スープラの内装部品であるインストルメントパネルの復刻生産を決定した。発売は2026年秋頃が予定されており、クラシックモデルの維持に悩むオーナーにとっては朗報と言えるだろう。
このGRヘリテージパーツプロジェクトは、「思い出の詰まった愛車に乗り続けたい」というユーザーの想いに応えるべく、すでに廃番となった純正補給部品を復刻し、再び正規パーツとして供給する取り組みである。現在では8車種、300点以上におよぶ部品が復刻・販売されており、旧車ライフを支える重要なプロジェクトへと成長している。
これまで同プロジェクトでは、「走る・曲がる・止まる」といったクルマの基本性能に直結する機能部品の復刻が優先されてきた。一方で、ダッシュボードなどの内装部品や外装パーツについては、多くの要望が寄せられながらも十分に応えられていない状況が続いていた。今回のインストルメントパネル復刻は、そうしたニーズに応える形で実現したものであり、今後は機能部品に加え、内外装パーツの供給にも本格的に取り組んでいく方針が示されている。

復刻されるインストルメントパネルは、すでにGRヘリテージパーツとして展開されているメーター周辺部品と組み合わせることで、ステアリング上部から助手席側にかけて広がるダッシュボードの主要構成部品のひとつとなる。経年劣化が避けられないダッシュボードは、特にフロントガラス越しに長時間紫外線を受け続けることで、表皮の縮みやひび割れ、さらには破損といった問題が発生しやすいパーツだ。現存するA80スープラの多くがこの課題を抱えていることを考えると、今回の復刻は実用面でも非常に意義が大きい。

注目すべきは、その製造手法にある。基本設計は当時のものを踏襲しながらも、使用する材料には現代の技術が投入されており、耐久性の向上が図られている。これにより、従来課題とされてきた劣化リスクを抑制しつつ、長期的な使用に耐えうる品質を実現している。
一方で、単なる現代化にとどまらないのがGRのこだわりだ。表皮のシボ加工については、そのパターンや向きに至るまでオリジナルを忠実に再現。実際に車両へ組み付けた際にも違和感のない、自然な仕上がりを目指している。すなわち、見た目や触感といった感性的価値と、現代的な耐久性という機能的価値を高次元で両立させたパーツとなっているのだ。

このインストルメントパネルは、発売後には通常の純正部品と同様に、全国のGR Garageやトヨタ系販売店、さらにはジェームス各店舗で購入可能となる見込みで、取り付け対応も行われる予定。オーナーにとっては、安心してリフレッシュを任せられる体制が整えられている点も見逃せない。
さらにGRは、この新たなヘリテージパーツを2026年4月10日から12日にかけて幕張メッセで開催されるオートモビルカウンシル2026にて公開する。会場では、このインストルメントパネルを含むGRヘリテージパーツを用いてレストアされたA80スープラが展示されるほか、スプリンタートレノ(AE86)のレストア車両も披露される予定だ。
また、プロジェクトの対象車種ではないものの、スポーツカーの価値を未来へ継承するという理念を共有する存在として、レクサスLFAも展示される。加えて、4A-GEエンジン用のシリンダーヘッドおよびシリンダーブロック(2026年6月発売予定)、さらには今後復刻予定のオイルパンバッフルプレートなど、注目度の高いパーツ群も一堂に会する見込みで、往年のトヨタスポーツを愛するファンにとって見逃せない内容となっている。
GRヘリテージパーツプロジェクトは単なる部品供給にとどまらず、「クルマとともに生きる時間」を未来へつなぐ試みと言える。今回のA80スープラ用インストルメントパネルの復刻は、その取り組みが新たなステージへと踏み出したことを示す象徴的な一歩だ。今後の展開にも引き続き注目していきたい。
TOYOTA GAZOO Racing GRヘリテージパーツ:https://toyotagazooracing.com/jp/gr/heritage
Text:アウトビルトジャパン(Auto Bild Japan)
Photo:トヨタ自動車

