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880馬力の猛攻「フェラーリ 296 スペチアーレ」がフィオラノを疾走!軽量化とパワーアップこそスペチアーレモデルの伝統的なレシピだ

2026年4月1日

フェラーリ 296 スペチアーレ(Ferrari 296 Speciale):軽量化とパワーアップ―それがフェラーリのスペチアーレモデルにおける伝統的なレシピだ。では、磨き上げられた296はそれ以上に何をもたらすのか?

トンネル内を226km/hで通過、9000rpm、背後のV6は限界まで咆哮している。ステアリング上のシフトライトが点滅し、まず複数の赤、その後に青が点灯、6速に入り、長いストレートの終わりでは268km/hに達する。100km/hの標識でブレーキング、右コーナーの頂点へ強く減速し、再びアクセル全開。不思議なことに、この感覚には強い既視感がある。

そうだ、3年前だ。フィオラノのピスタで1001馬力の「SF90アセット フィオラノ」をドライブしたとき、すべてが非常によく似ていた。新型「296 スペチアーレ」の公式ラップタイム(1分19秒0)が「SF90」よりわずか0.3秒遅いだけというのも頷ける。

見た目にはおなじみの巨大なエキゾーストパイプを維持している。しかし新たな音響チャンネルと特許取得のパイプシステムにより、V6サウンドが室内に導かれ、より力強いサウンドを響かせる。

高速の右左複合「クルヴァ グランデ(Curva Grande)」を抜ける。信じられないことにアンダーステアは皆無で、リアは最小限に舵を当てるのみ。レースモードでCTオフが許す範囲そのままだ。橋を越えて右へ登る、有名なうねりでも挙動の乱れはなく、クルマは安定したまま。サスペンションがミシュランタイヤを路面に押し付ける。タイトな右コーナーを縁石ぎりぎりで抜け、再び加速。このフェラーリは、縦横ともに極めて速い反応を要求し、ドライバーに肉体的・精神的な負荷を強いるペースを見せる。目の前ではタコメーターとブースト計が激しく動き、3速、4速と、ギアは小気味よいクリック音とともに素早く入る。わずかな距離で再び210km/hへ到達し、今度は50km/h標識の手前でセラミックブレーキを強く踏み込む―。

フェラーリ 296 スペチアーレ
パワーソースV6ツインターボ+電動モーター
エンジン排気量2992cc
エンジン最高出力515kW (700hp)
電動モーター最高出力132kW (180hp)
システム最高出力648kW (880hp)
エンジン最大トルク755Nm
電動モーター最大トルク315Nm
トランスミッション8速デュアルクラッチ
駆動後輪駆動
全長/全幅/全高4625/1968/1181mm
ホイールベース2600mm
乾燥重量1410kg
燃料タンク/トランク容量65L/169+112L
0-100/0-200 km/h2.8/7.0秒
最高速度330km/h
価格407,000ユーロ(約7,529万円)

もちろん、この「296 スペチアーレ」はまさにここで開発された。コースの芝生一本一本まで把握しているかのようだ。電子制御は路面の摩擦係数に合わせて完璧に調整されているに違いない。テストドライバーのファブリツィオ トスキが指揮を執り、「ギド、スペチアーレをピットに戻してくれ、タイヤ圧を確認する」と流暢なイタリアンイングリッシュで指示を出す。メカニックが作業する間に、技術的な概要を説明しよう。このクルマは何か、どんな特徴があり、何を目指しているのか。

フェラーリに受け継がれる軽量スペシャルの系譜

高性能モデルはフェラーリの長い伝統だ。「348 チャレンジ」、「F355 チャレンジ」、「360チャレンジ ストラダーレ」、「430 スクーデリア」、「458 スペチアーレ」、「488 ピスタ」はいずれも「軽量化+高出力」という基本理念を共有する。気づいた読者もいるだろうが、「F8 トリブート」は今回その流れから外れている。

カーボンとアルカンターラを多用し、新しいシフトゲート風の意匠、スポーツシェルとハーネスを備える。

「296 スペチアーレ」は「488 ピスタ」の後継として位置づけられる。そしてベースモデルの「296GTB」はすでに極めて強力だ。トランスミッションのeブーストを含め830馬力を発揮し、ラウジッツリンクで最速記録を誇った時期もあった。しかしプロダクトマネージャーのステファノ フリジェーリはこう語る。「Non c’è mai abbastanza veloce!(速さに終わりはない)」。その結果、このV6プラグインハイブリッドミッドシップは880馬力へと強化された。ツインターボV6単体でも、新型アルミピストン、チタンコンロッド、高過給圧、軽量クランクシャフトにより700馬力(従来663馬力)を発生する。

軽さと速さ:スペチアーレの詳細

軽量ターボとチタン製ボルトによりエンジンは9kg軽量化。車両全体ではベースモデルより60kg軽い。カーボンバンパーやボンネット、オプションのカーボンホイールも軽量化に貢献している。

「半分のV12」とも言えるV6はGTBより37馬力向上し、9kg軽量化された。

最大の違いは空力性能だ。「296 GT3」や「296 チャレンジ」の技術を取り入れ、ダウンフォースは20%増、250km/hで435kgに達する。それでいて大型リアウイングは不要。フロントには空気を床下へ導き、再び上方へ抜くエアインテークを採用。リアには「FXX-K」を思わせるサイドウイングを装備し、その間に配置される可動スポイラーは中間ポジションを持ち、より迅速に高ダウンフォース状態へ移行できる。

アンダーボディと足回りの刷新

アンダーボディとディフューザーは全面的に再設計。サスペンションは5mmローダウンされ、ロールを低減。「GT3」由来のマルチマチック製ダンパーとチタンスプリングを採用する。エキゾーストはディフューザー上方へ移され、より多くの音響チャンネルと新たな配管で、特にハードな走行モードで一層アグレッシブなサウンドを奏でる。タイヤはさらに過激なCup 2 Rではなく、専用開発のミシュランCup 2を装着する。

296 スペチアーレは扱いやすく遊び心もある。880馬力のパワーもコントロールしやすいが、シートの横方向サポートはやや不足気味だ。

室内は徹底的に削ぎ落とされ、グローブボックスは廃止。カーボン主体の内装により、バケットシートは「296 GTB」比で5kg軽量化されている。

日常性も確保しつつ、圧倒的な速さ

公道でも走れるのか?答えはイエス、それも驚くほど優れている。直線が開けた瞬間、対向車さえなければ、「296 スペチアーレ」は一瞬で音速を突破するかのように加速する。3000rpmから一気に爆発的な加速が始まり、排気バルブが開き、地平線が恐ろしい速度で迫る。路面が荒れても問題ない。ダンパーを柔らかくするか、必要ならリフトシステムを使えばいい。フィオラノのピットに戻ると、ファブリツィオたちがサムズアップ。さらに2周のアタックへ。

赤熱するブレーキディスク―これこそが296スペチアーレの本領。シャシー、タイヤ、ブレーキが完璧に連携する。

今度はクオリファイモード、CTオフ。コーナー脱出時の加速は驚異的で、路面を引き裂くかのようだ。サウンドは「296 GTB」より明らかに攻撃的で、8000rpmを超えたあたりから真価を発揮する。

コーナー間では100km/hから250km/hへ一気に加速し、また減速。「SF90」由来の新しいeブーストがさらに加速感を強める。そして、この3kmのコースでは60kgの軽量化効果を特にブレーキング時に強く実感できる。コーナー出口ではトラクションコントロールがわずかなオーバーステアを滑らかに抑え、新しいCup 2タイヤは驚くほど高いグリップを発揮する。すると無線から再びファブリツィオの声が入る。「ギド、クールダウンラップだ、ピットへ!」―簡単に言うが、それが難しい。

結論:
ほぼ完成形だった「296」をここまで進化させたフェラーリの緻密なチューニングは見事だ。エンジンはさらに洗練され、サウンドはより濃密に、シャシーは一層安定感を増した。このスペチアーレは、「296」のドライビング体験をまったく新しい次元へと引き上げている。

Text: Guido Naumann
Photo: Ferrari