「フォード マスタング GTD」はマスタングの名を冠した公道用のトラックツールだ!史上最も過激なフォードとなったマスタングGTDの試乗レビュー
2026年4月6日
レースモードで解き放たれる種馬
アウトバーンでの滑らかな巡航は一つの側面に過ぎない。しかし一般道に入り、スポーツモード、あるいは停止後にのみ選択可能なレースモードへ切り替えた瞬間、状況は一変する。その時、車高は瞬時に4cm低下し、クルマは貪欲な獣へと変貌し、アスファルトを1メートルずつ食い尽くすように進む。ほぼスリックのタイヤは強力な粘着テープのように路面に張り付き、風は巨人の拳のようにマスタングを押し付ける。その中でこの熱き種馬はますます激しく疾走し、アイフェルのタイトコーナーでは時間圧縮されたかのように減速し、コーナーでは難破船の生存者が最後の板にしがみつくかのように粘り、そしてそこからさらに速く飛び出す。エンジニアが0-100km/h加速を3秒強と予測するのも無理はない。
疑いようもなく、そのパンチは強烈で、パフォーマンスは残酷なまでに激しく、キャラクターは映画の中のヴィン ディーゼルのように荒々しい。それでもこのマスタングは単なる暴れ馬ではないし、ドライビングは人と機械の終わりなき戦いでもない。無理にねじ伏せる必要はなく、カウボーイのように意志を打ち砕く必要もない。優れた騎手が脚のわずかな合図だけで馬を操るように、この種馬はどんなに繊細な入力にも正確かつ従順に応答する。
それでもこのクルマは、精密機械というよりスチームローラーに近く、欧州スポーツカーのような繊細さには及ばない。だが第一に、そうしたクルマはジャンルを問わずどこか冷たく無機質で、顎顔面外科医の器具のように情熱に欠ける。第二に、このマスタングは—かつてとは違い—自身の気まぐれな本性を長く抑え込む。だが最後のセーフティネットを外し、限界まで攻め込んだ瞬間、すべてが変わる。ドライブはナイフエッジとなり、まるでロデオのような緊張感に包まれる。コース上に留まりたければ、レーシングラインから一瞬たりとも目を離してはならない。

だが、それは決して悪いことではない。第一に、この「史上最速のマスタング」では、カウボーイが「ハウディ」と言い終える前に限界へと到達してしまうからだ。そして第二に、そもそもインテリアに期待すべきものはほとんどない。エンジニアたちがパワートレインやシャシー、空力、熱管理にこれほどまで徹底して取り組んだ一方で、インテリアは驚くほど凡庸だ。標準モデルとの違いは、デジタルメーター表示と、わずかにホールド性が高められたとはいえ依然として快適なレカロシート程度にとどまる。
標準的なマスタングであれば、これでも十分に納得でき、価格相応と言えるだろう。だが、この36万ユーロのスーパーマスタングでは話が違う。カーボン調プラスチックや作りの甘いスイッチパネルでは到底物足りない。しかもそれは、トラックモードやローンチコントロールといった基本機能においてさえ同様だ。さらには、シリアルナンバーが刻まれたプレートですら、まるで誇りを感じさせない安っぽさにとどまっている。
F-22由来のチタン
しかしディアボーンでは別のやり方も知っている。追加料金を支払えば、F-22戦闘機から回収されたチタン製パドルシフターとシフトノブが手に入る。そしてルームミラーを下げると、巨大なウイングではなく、リアシート跡の大きなウィンドウ越しに、マルチマティックが誇る陽極酸化処理された油圧サスペンションが見える。
ただしこの光景に見とれすぎてはならない。ここはルート66ではなく、L194号線であり、アリゾナの直線ではなく、エルフト川源流へと続くワインディングなのだから。

ここからノルトシュライフェまでは目と鼻の先だが、この日は走行しない。「GTD」はすでにニュル7分切りを達成した初のアメリカ車となっている(その後Chevrolet Corvetteがわずかに上回ったが)。
年間生産は1000台未満。そのうち最大25%が欧州向けで、ドイツには最終的に約100台程度が見込まれる。また転売防止のため、購入後2年間は再販売が禁止されている。
結論:
マスタングは常に刺激的だった。しかし「GTD」は本物のトラックツールへと変貌した。アメリカ版GT3とも言える存在であり、圧倒的な空力性能とパワー、そして何より強烈なキャラクターを備える。「ポルシェ 911」のような繊細さには欠けるかもしれない。それでも走行性能の頂点に極めて近い存在であり、かつての「フォード GT(Ford GT)」に匹敵する。ただし残念ながら、その価格も同様である。
Text: Thomas Geiger
Photo: Dani Heyne

