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【JAIA試乗会】マイルドハイブリッドシステムを搭載した新型「アウディ Q5」を試す!

2026年3月21日

アウディ Q5 TDI quattro 150kW advanced:マイルドハイブリッドシステムを搭載した新型「アウディ Q5」をアウディ A4のオーナーであるテスターが評価する。

私は現在、アウディA4アバントのオーナーである。A4アバントのオーナーにとって、次の選択肢としてSUVが候補に挙がる中、フルモデルチェンジを受けた三代目Q5は非常に気になるモデルだ。今年のJAIA輸入車試乗会のリストにこの新型Q5が含まれていたため、公私混同と思われるかもしれないが、今回Q5を試乗した。

世界的にSUVが主流になって久しいが、Q5はDセグメントSUVとしてアウディの販売を支える重要なモデルで、初代Q5は160万台以上を売り上げ、第2世代も世界中で最も人気の高いSUVの1台だ。最も販売台数の多い市場は北米(カナダを含む)で44%、次いでヨーロッパが約35%となっている。

高速巡航時でもパワフルで、非常に快適である。

その三代目Q5は、約8年ぶりとなる待望のフルモデルチェンジを果たし、2025年7月に日本上陸した。ライバルであるメルセデス・ベンツのGLCは2023年3月に日本で二代目モデルが発表され、BMWはX3の四代目を2024年6月に発表している。

アウディ Q5対BMW X3対メルセデス GLC マイルドハイブリッドディーゼルSUVのトップモデル3台を徹底比較!:https://autobild.jp/58579/

一方で、BEVシフトが行き詰まりを見せ、特に欧州メーカーにとっては大きな転換期を迎えている中で、アウディも戦略の見直しを進め、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車の導入を加速させているのが現状だ。

今回のフルモデルチェンジにより、メーターパネルからセンターコンソールにかけて曲面ディスプレイが採用され、ステアリングも上下がフラットな形状となり、非常に未来的な印象を与える。
フロントおよびリアシートは先代からの特徴を継承し、ゆったりとしたサイズと落ち着いた雰囲気を備えている。
ラゲッジスペースは502リッターと十分な容量を確保している。

再び近未来的なエクステリアデザインとなったQ5のボディサイズは全長4715mm、全幅1900mm、全高1655mmとなった。先代モデルと比較すると全長は35mm、全高は10mm拡大しているが、サイズ感としてはほぼ同等と言えるだろう。車両重量は2040kgとなり、先代より約100kg増加している。この重量増の大きな要因は、最大の変更点であるマイルドハイブリッドの導入によるものと考えられる。

ハイライトはマイルドハイブリッドシステム「MHEV plus」

Q5に先立ち、数か月前に発表されたA5から採用されたマイルドハイブリッドシステム「MHEV plus」では、「PTG(パワートレインジェネレーター)」と呼ばれる48Vシステムのモーターが追加されている。このPTGはトランスミッションの出力軸に直接取り付けられ、最大18kW(24PS)で駆動する。

今回試乗したディーゼルターボエンジン搭載車のエンジンルーム。マイルドハイブリッドシステムの搭載により、エンジンルーム内のスペースには余裕があるとは言えない。

従来のMHEVではエンジン作動時にモーターが補助する仕組みだったが、MHEV plusではエンジン停止中でもPTG単独での走行が可能となっている点が大きな違いである。

また、減速時には最大25kWのエネルギー回生が可能で、そのエネルギーはバッテリーに蓄えられ、加速時のアシストに活用される。さらに従来はエンジン停止中にエアコンコンプレッサーが作動しなかったが、MHEV plusではエンジン停止中でもエアコンが使用可能となっている。

このMHEV plusの優れた点は、FFおよびquattro(4WD)のいずれにも対応していることに加え、2.0リッターガソリンターボ(TFSI)と2.0リッターディーゼルターボ(TDI)の双方に組み合わせ可能である点だ。

マイルドハイブリッドとディーゼルターボの絶妙な組み合わせ

今回試乗したのはディーゼルターボエンジン搭載モデルである。前述のMHEV plusにより低速域ではモーターのみで走行するため、スタートボタンを押してもエンジンは始動しない。エンジン自体の静粛性も向上していると感じられ、アイドリング時に気になりがちなディーゼル特有の「ガラガラ」という音もほとんど意識させない。ディーゼル車であることを忘れてしまうほどだ。

タイヤサイズは235/55R19。試乗車には低燃費性能に優れるミシュランe-PRIMACYが装着されていた。

アクセルペダルを踏み込むと、モーターのアシストとトルクに優れるディーゼルターボエンジンの組み合わせにより、余裕のある力強い加速が得られる。車両重量が2トンを超えているにもかかわらず、非常に軽快に加速していく印象だ。

一般的にディーゼルターボは高速域でガソリンターボに劣る傾向があるが、本モデルではモーターアシストによってその弱点が補われており、高速巡航も快適である。MHEV plusによって実現されたマイルドハイブリッドとディーゼルエンジンの組み合わせは、非常に相性が良いと感じられた。

機会があれば、ガソリンターボモデルにも試乗し、その違いを確認してみたい。

結論:
フルモデルチェンジを受けたQ5は、非常に洗練された仕上がりとなっている。加えて、このサイズと重量を持ちながら、MHEV plusの採用により軽快で気持ちの良い走りを実現している点は特筆に値する。ハンドリングに関しても、背の高いSUVであることを忘れてしまうほど軽快であり、進化の度合いは非常に高いと言えよう。あえて難点を挙げるとすれば、DセグメントSUVという激戦区において数多あるライバルの中、Q5の洗練されたデザインと優れた動力性能がもたらす優等生すぎる印象が、結果として個性に欠け、やや印象に残りにくい点だろう。

と言いながら、気が付けばコンフィギュレータであれこれと試している自分がいる。

Text:池淵 宏
Photo:アウトビルトジャパン、池淵 宏