【新着情報】 テスラ モデルSとモデルXをフェイスリフト その驚きのパワーと航続距離とは?
2021年2月5日
テスラは、2020年の業績数字発表の一環として、テスラの「モデルS」と「モデルX」のフェイスリフト版をさりげなく発表した。新しいのは、1,000馬力を超えるパワーと市販車では見られなかった形状のステアリングホイールを備えたプレイド(Plaid)バージョンだ。全情報をお届け。
電気自動車のパイオニアであるテスラが「モデルS」と大型SUVの「モデルX」をリフレッシュした。
しかし、この2台のモデルのフェイスリフトの発表は、2020年の業績報告の場で、ついでにというような形で、ごくごく地味におこなわれた。
だがその変更内容は、ショッキングなものだ。
第一に1,034馬力ものパワーを持つ「プレイド」と呼ばれる新しいトップモデルが投入されたこと。
第二に、「モデルS」と「モデルX」は、非常に斬新なステアリングホイールを持つようになったことだ。
これは、より戦闘機の操縦桿を彷彿とさせるもので、もはや「ステアリングホイール」とは呼べない形をしている。
新しいステアリングホイールとさらに多くのスクリーン
新しいステアリングユニットは、見慣れないというよりも、見慣れない以上の自動車のステアリングホイールではないものに感じる。
上半分全体が欠けており、下半分はフラットになっている。
このデザインの理由は、将来の自動運転走行を想定しているからだ。
これにより、デジタルコックピットがはっきりと見えるようになり、使わないときはコントロールユニットが折りたためる可能性もある。
しかし、完全な自律自動運転走行が法律で認められるまでには、まだ時間がかかりそうだ。
もちろん、それまでにステアリングホイールがどれだけ使えるかをテストする予定だ。
顧客の要望に応じて、従来のステアリングホイールも引き続き選んで利用できるようにもなっている。
馬力と航続距離
コックピットには、直径17インチの新しいセンタースクリーンが採用され、従来のような垂直方向ではなく水平方向に大きく配置されている。
テスラは、17インチのタッチスクリーンの解像度を2200×1300ピクセルに向上させたと主張している。
これにより、XXLサイズのディスプレイはモデル3と同じかたちで配置されるようになった。
ただし、「モデルS」は「モデル3」とは異なり、12.3インチのインストルメントパネルを残している。
さらにテスラはリアシートも改訂し、フェイスリフトモデルはフロントセンターアームレストにもディスプレイが組み込まれている。
また、巨大な新しいガラスルーフも採用されている。
さらには、パワーウィンドウやドアオープナーのボタン、2列目シートのインフォテインメントスクリーンも新しくすることにより、インテリアのアップデートは完了している。
外から見ると、今回のフェイスリフトは、フロントエプロンの変更と22インチまでの新しいホイールによってのみ認識される。
「モデルX」フェイスリフトモデルは1,034馬力で、航続距離は547kmとなっている。
テスラ モデルSは86,990ユーロ(約1,110万円)から
テスラは「モデルS」のエンジンのオプションも増やした。
基本バージョンは、全輪駆動でデュアルエンジンを搭載した「モデルS」で、価格は86,990ユーロ(約1,110万円)からとなっている。
テスラはホームページ上で航続距離を663キロと記載している。
さらに、印象的な走行性能を約束する3基のモーターを搭載した2つのバージョンが投入される。
116,990ユーロ(約1,497万円)の「モデルSプレイド」は、1020馬力を備え持ち、0から2.1 秒で100 km/hにまで加速する。
最高速度は電気自動車としては顕著な322km/hという性能を備えている。
同時に、「モデルSプレイド」は628kmの航続距離を提供するとされている。
どちらのバージョンもドイツでは2021年9月から発売される予定だ。
モデルSプレイド+ は、1100馬力、航続距離840km
そして文字通り、驚異的なモデルが新しい「モデルSプレイド+」だ。
それは3基のモーターと同じ駆動方式に依存しているもの、より大きなバッテリーを備え持っている。
テスラによれば、1,100以上の馬力で、1.99秒で0から96km/h(60マイル)にまで加速するとのこと。
最高速度は「モデルSプレイド」と同じく322km/hに設定されている。
一方で、航続距離は印象的な840kmとされている。
2021年の終わりから利用できるようになると予想される「モデルSプレイド+」の価格は、139,990ユーロ(約1,790万円)だ。
1,000ユーロ(約12万8千円)の頭金さえ払えば、モデルSフェイスリフトは今すぐ注文することができる。
テスラ モデルSフェイスリフトのすべての重要なイノベーションの概要:
● 「モデルS」と「モデルX」のフェイスリフトは現在注文可能
● 「モデルS」の基本価格は86,990ユーロ(約1,110万円)より
● 3基のモーターと1100馬力の「モデルSプレイド+」
● 最高速度: 322km/h
● 航続距離: 840km
● 「モデルSプレイド+」は139,990ユーロ(約1,790万円)より
● アンギュラー(角張った)ステアリングホイール、上部をカットオフ
● 横置きに配置された新しい17インチのタッチスクリーン
● 2021年9月からデリバリー開始
テスラもマイナーチェンジをする、ということを改めて知ったニュースであるが、テスラの場合マイナーチェンジというよりも、アップデートとか、バージョンアップというほうが似合いそうな感じもする。
もちろん内容的には様々な見えない場所を変更しているのだろうが、やはり今回インパクトのある部分は、昔の飛行機のようなステアリングホイール(操縦桿?)と静止から100km/hまで約2秒という圧倒的な加速力だろうか。
ともになんともインパクトのある刺激的なポイントではあるが、テスラももちろん一般の路上を走る自動車であるということを忘れてはならない。
自動車のステアリングホイールに果たしてこの形状は合っていると言えるのか、それほどの加速力を必要とし、また安全性は担保されているのだろうか。
他の車と違う、ただのアピールポイントというだけで終わっていないかどうか、実際に試してみて確かめる必要がある。その意味でもテストレポートが待たれる。
Text: Moritz Doka, Jan Götze
加筆: 大林晃平
Photo: Tesla