「ランボルギーニ ミウラ(Lamborghini Miura)」誕生60周年 世界初の“スーパーカー”はいかにして生まれたのか
2026年3月13日
なぜミウラは”世界初のスーパーカー”なのか
「ミウラ」はしばしば”世界初のスーパーカー”と呼ばれる。では、なぜこのモデルがその称号を得たのだろうか。理由は主に3つある。
1.ミッドシップレイアウトの採用
最大の理由は、ドライバーの背後にエンジンを搭載するミッドシップレイアウトだ。当時の高性能GTカーはフロントエンジンが主流だったが、「ミウラ」はモータースポーツの技術をロードカーに持ち込んだ。これにより重量配分が大きく改善され、従来のスポーツカーとはまったく異なる運動性能を実現した。

2.圧倒的なパフォーマンス
3.9リッターV12エンジンを搭載する「ミウラ」は、最高速度およそ280〜290km/hに達した。1960年代の量産車としては驚異的な数値であり、当時の世界最速クラスのロードカーだった。

3.デザインと存在感
デザインを手掛けたのはカロッツェリア ベルトーネの若きデザイナー、マルチェロ ガンディーニ。全高わずか約105cmという低いボディと流麗なシルエットは、それまでのGTカーとはまったく異なる未来的なスタイルだった。「ミウラ」は性能だけでなく、その姿そのものが新しい時代の象徴となったのである。

これらの要素が融合したことで、「ミウラ」は単なる高性能スポーツカーではなく”スーパーカー”という新しいカテゴリーを生み出したモデルとして語られている。
ミウラの現在価値
1966年から1973年までに生産された「ランボルギーニ ミウラ」の総生産台数は763台とされる。希少性と歴史的価値の高さから、現在ではクラシックカー市場でも最も高い評価を受けるモデルのひとつだ。

特に最終型の「P400 SV」はコレクターの人気が高く、近年のオークションでは数百万ユーロ(数億円)規模で取引される例も珍しくない。保存状態や来歴によって価格は大きく変わるが、ミウラが自動車史における重要なアイコンであることに変わりはない。
現在でも多くの個体がコンクールデレガンスに出品され、「ペブルビーチ コンクール デレガンス」や
「コンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステ」などの舞台で高い評価を受けている。

P400からSVまで進化したミウラ
「ミウラ」は1966〜1973年にかけて生産され、総生産台数は763台。主なモデルは以下の3種類だ。
ランボルギーニ ミウラ P400(Lamborghini Miura P400)(1966~1969年)
初公開:ジュネーブモーターショー(1966年)
エンジン:V12 3.9リッター、横置きエンジン、350hp@7,000 rpm、355Nm@5,000rpm
トランスミッション:5速マニュアル
最高速度:約280km/h
0~100 km/h加速:約6.7秒
車両重量:985kg

特徴:ロードカー分野においてミッドシップエンジンを採用した初の量産車。スチール製スペースフレームシャーシを採用し、ベルトーネのマルチェロ ガンディー二が手掛けたフラットでエレガントなボディ構造のほか、独特なフロントデザインを生む「まつ毛」形状のヘッドライトを特徴としている。妥協のない純粋なデザインが採用されたP400がオリジナルの「ミウラ」であり、今日では非常に高い希少価値を誇っている。
価格:7,700,000リラ
ランボルギーニ ミウラ P400 S(Lamborghini Miura P400 S)(1968~1971年)
エンジン:V12 3.9リッター、370hp@7,500rpm、390Nm@5,500rpm
最高速度:約280km/h
0~100 km/h加速:6.4秒
車両重量:1,180kg

改良点:トラックの拡大、KONI製ショックアブソーバーによるシャーシチューニング、電動ウィンドウを採用したほか、より高品質なインテリア(ラグジュアリーオプション)を導入し、「P400」比での快適性が向上。501台目以降は前後輪にベンチレーテッドディスクブレーキが採用されている。
ボディ:エアインテーク、シート、ダッシュボードに軽微な変更が加えられ、黒色アルマイト加工の代わりにクロームのウィンドウフレームが採用されたほか、オプションで空調システムが用意された。
特徴:非常にスポーティでありながら、日常的なドライブに最適なモデルとなった。「P400 S」は、オリジナルの「ミウラ」本来の荒々しいパワーにわずかな高級感が加わった。
価格:7,850,000リラ+350,000リラ(空調システム費用)
ランボルギーニ ミウラ P400 SV(Lamborghini Miura P400 SV)(1971~1973年)
エンジン:V12 3.9リッター、385hp@7,850rpm、388Nm@5,500rpm
最高速度:290 km/h超
0~100km/h加速:5.5秒
車両重量:1,245kg

改良点:エンジンとトランスミッションの潤滑システムを分離し、トラクション向上のためのリアアクスルを拡大。また、リアサスペンションの修正により運動性能が向上し、より速く、コントロールしやすい特性を備え、一部にはリミテッドスリップデファレンシャルが搭載された。
特徴:「ミウラ」シリーズの最終モデル。特徴的な「まつ毛」形状のヘッドライトが廃止されることでよりモダンなデザイン性を備えるとともに同シリーズ最高のパフォーマンスと公道上の走行性能を実現した。
価格:8,600,000リラ

登場から60年経った今もなお、「ミウラ」は革新的な技術、先見性のあるエンジニアリング、そして時代を超越したデザインのアイコンとして君臨し続けている。「ミウラ」は単なるクラシックカーではない。それは、スーパーカーという夢の始まりを象徴する存在なのである。
Text:アウトビルトジャパン
Photo:Automobili Lamborghini S.p.A.

