「オートモデラーの集い in 横浜2026」日産エンジンミュージアムに自動車スケールモデル作品が大集結!
2026年3月11日
すっかり早春の風物詩となった「オートモデラーの集い in 横浜2026」が、小春日和を通り越して汗をかくほどあたたかい3月7日に、日産エンジンミュージアムを舞台に開催された。自称アンドロメダ星雲で一番不器用な男、大林晃平は会場でその熱量の高さにやけどしそうになったのであった。
はじめに堂々と宣言しておくが、私、大林晃平はもうどうにもならないぐらい不器用な人間である。なにせ今までプラモデルをろくに完成させたことがないばかりか、IKEAの家具さえガタガタになってしまうほどの酷さなのである。そんな男がこういうイベントに行ったならば、そりゃあもう、「オーーっ!!」、「げぇー?!」、「ホエ~」、そんな感想にもならない奇声しか発せられない。

この「オートモデラーの集い in 横浜2026」のそもそもの発端は、2012年に日産オートモーティブテクノロジー等にある模型クラブが、「作品の見せあいっこ」みたいなのをしようよという、あくまでも日産の中でのイベントとして始まった(らしい)。だからこそ今でも、横浜市神奈川区宝町にある、本当に素敵で趣のある日産エンジンミュージアムの3階特設会場で行われているのだが、いつの間にかこのイベントは全国的に著名なものとなり、今は津々浦々から多くのモデラーがはせ参じ、お互いの作品と自分の腕を見せあいながら研鑽し(たぶん)、思い切り心から楽しみあうものとなった。
やけどに注意

今回も会場はもう満員御礼状態で、作品を見るのも難しいほどの参加者が集い、その高い熱量に一般人は黒焦げ状態になってしまうほどの空間である。どれほどの作品が展示されているのか、とてもその全貌をレポートすることなど不可能なので、ぜひ来年は自分の目で確かめて欲しいが、今回は会場に赴いたアウトビルトジャパンのスタッフとその知人たちが選んだパーソナルチョイスを紹介したい。
同行者S氏が選んだのはアルファロメオ カングーロ。スロットカーのボディのみを流用し、他はすべてスクラッチビルドで作ったという逸品で、実に美しく、今回の同行者が3人とも選ぶという人気ぶりであった。「ボディはちょっと幅広だったので、真ん中から切って、数ミリ縮めてバランスをとっています。他はすべて内装も含めて一から作りました。グリルはプラパンで作っただけですよぉ(笑)」。作っただけですよぉ、の意味がよくわからない。

アウトビルトジャパン編集長が選んだのは、スクラッチビルトのフェラーリF40だった。1/43のフェラーリF40を輪切り(?)にした驚きの作品だ。多くの方の興味を引き、ひっきりなしに撮影されていたが、とにかく特筆すべきはその各部のディテールの細かさと精度で、これほどまでに分解され、輪切りにされているにも関わらず、リヤカウル部分がぴったり元通りにはめ込むことも可能だったりもする。いったいどうしてこういう作品を作ろうという発想になるのかまったくわからないが、こういうアッと驚くタメゴロウな展示に出逢うと妙に嬉しくなることも事実ではある。

アウトビルトジャパン新スタッフのMが選んだのは「バック トゥ ザ フューチャー」のワンシーンを切り抜いたコレ。正確には「バック トゥ ザ フューチャー3」の大演壇になるかならないか、のワンシーンで汽車がデローリアンをプッシュするその横を、馬で追いかけるクララ(メアリー・スティーンバージェンが演じた)が疾走するというあのシーンである。デローリアンの下の線路がキャタピラ上になっていて動くという仕掛けにもびっくり仰天ながら、汽車の煙突の光が投げ込まれる特殊燃料の薪の色に応じて変化したり、デローリアンのフロント部のライトが本物(?)そっくりに光ったりするなど、もう驚天動地の完成度である。

同行者Oがうなりながらチョイスしたのが、エクサをミッドシップにして、「もし架空のミラノのエクサがあったらこうなるだろうなぁ」というクルマを作り上げたというこの一台と、その隣に置かれていた「私をスキーに連れて行って」のワンシーンでスターレットとコルサが向き合う最後のハイライトシーンのジオラマ。どちらも日産オートモーティブテクノロジーモデラーズクラブの方の作品だが、いずれもいつまでも見続けていたいと思わせられた作品である。こういう予想もしなかった架空の(夢の)モデルや、昔観た映画のワンシーンが3Dになったワンシーンに触れられるのもこのイベントの醍醐味なのだ。


自身もモデラーとして素晴らしい4台のフィアット・チンクエチェントを専用アクリルケースに陳列した作品を展示していたNが選んだのが、超絶に素晴らしいこのジオラマモデル。1965年のホンダF1が初勝利を挙げたデビュー2年目のピットのシーンを切り取ったものだが、こういうジオラマはどのシーンをどのように選び切り取るか、その知見やセンス、そしてもちろん再現するテクニックまでがすべて評価される。このジオラマのすごいところは裏面まできっちり作り込まれていることで、ちゃんと閉まらず半開きのドアや、カメラマンの格好など、もうこれしかない、というセンスにあふれていた。F1マシン(RA272)の後ろには本田宗一郎氏のフィギュアも置かれてある(笑)。小林彰太郎さんがお元気でいらっしゃれば、ご覧いただきたかった・・・。



私、大林が選んだのが、この本物と見間違えるばかりの完成度の日野デュトロと映画「F1」に登場したAPX GPのモデル。市販のモデルのくり抜かれていなかったり、細すぎ、太すぎ部分を付け加え、あとは仕上げただけ、とさらっと制作者が述べていたが、もうどう見ても本物にしか見えない。数ミリのウインカーの根元にゴムを表現する黒い線がついていたり、尋常ではない完成度であった。モデラーいわく、「そんなに難しくなく、20時間くらいで作っちゃいましたね」と、相変わらず意味不明なことをさらっと言っていた。

もう一台の、映画「F1」で登場したAPXGPの方は、作者曰く「ウイングの形とか苦労しました。実はまだ完全ではないのかなと(笑)」と謙遜するものの、私的にはそのお言葉がどういう意味なのかわからないような仕上がりで、ボディのカラーリングはデカールを貼ってその周りをマスキングして塗ってという作業でした、というこれまた意味不明なものであった(笑)。なんとも解説できてなくてすいません。


最後に大変失礼に当たることは承知で、わがままを言わせていただくと……スカイラインR30のモデルは多くみられたのだが、5ドアハッチバックがなかったのが残念であった。私の友人にもあの5ドアハッチバックの熱烈なファンがいるし、ぜひ見てみたい……1年でも2年でも先で良いので、どなたかR30スカイラインの5ドアハッチバックを作っていただけないでしょうか?TIでもディーゼルでもかまいませんので(笑)
Text:大林晃平
Photo:アウトビルトジャパン&大林晃平

