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電気自動車は犯人追跡には遅すぎる!オーストリアは電動パトカー計画を中止した

2026年3月8日

オーストリアは約2年間にわたり、電気自動車を警察車両として実用的に使用できるかどうかをテストしてきたが、現在このプロジェクトは終了されることになった。中止の理由は意外なものだった。

2023年、オーストリア内務省は「TRONプロジェクト」を開始した。目的は、電気自動車が警察車両として実用に適しているかを検証することだった。

しかし現在、内務大臣のゲアハルト カルナー(ÖVP)は電動パトカー計画の中止を決定。電気自動車は警察任務での使用には限定的にしか適していないとして、プロジェクトは2026年末で終了する予定だと新聞『Kurier』が報じている。

2024年には、リースされた電動パトカーがオーストリア国内の20の警察署に配備された。
パトロール任務には 「VW ID.3」 と「VW ID.4」の計22台が使用され、さらに「ポルシェ タイカン(Porsche Taycan)も1年間テストされた。

追跡には遅すぎる

約1年間のテスト結果は厳しいものだった。警察労組FSGは電動パトカーに対して強い批判を行った。たとえば「ID.4」ではトランクのスペースが不足しており、装備品の一部を後部座席に置かざるを得なかったという。また、タッチスクリーン操作は出動時に扱いづらく、実務上の問題があったとも指摘された。さらに、車両は電子的に最高速度160km/hに制限されており、高速追跡にはほとんど適していないという。加えて、高速走行時にはブレーキ性能も十分ではないとされている。

最大の問題は航続距離

特に大きな問題は航続距離の不足だ。長時間のパトロール任務を続けるには、シフトの途中で車両を別の電動車に交換する必要がある。そのため、電動パトカーは補助的なパトロール車両としては有効だが、バッテリーの制約により従来の車両を完全に置き換えることは不可能だと結論づけられた。

技術進歩に期待

TRONプロジェクトは、現時点では電動モビリティがすべての分野で内燃機関を置き換えられるわけではないことを示した。

カルナー内務大臣は「現状では、警察任務以外の連絡・配送用車両としての使用のみが肯定的に評価できる」と述べている。

それでも、オーストリアは将来について楽観的だ。技術の進歩が非常に速いことから、今後数年間は市場動向を引き続き注視する方針だという。それまでは、アルプスの国オーストリアの警察はガソリン車やディーゼル車に頼り続けることになりそうだ。

Text: Raphael Schuderer
Photo: Jürgen Makowecz/BMI