速報 ポルシェ タイカンのシューティングブレークバージョンがやってくる タイカン クロス トゥーリズモ
2021年2月2日
まだ正確な詳細は明らかにされていないものの、おそらくスポーティなクロスオーバーEVとなるタイカン クロス トゥーリズモは、通常のタイカンのパワートレインを流用することになるだろう。簡単にいえばタイカンの車高をあげ、名前の通りクロスSUVモデルにしたものだ。その内容としても大きくタイカンと変わらない、ということは超高性能で、価格も約20万ユーロ(2,500万円超)くらいとなるだろう。第1報をお届け。
タイカンの最初の派生モデルとして、ポルシェはクロス トゥーリズモを2021年中に市場に投入する予定だ。
➤ 価格と市場投入時期
➤ テクノロジー、性能、航続距離
➤ 外観とデザイン
ポルシェはタイカンで電気自動車の時代に突入し、そして、今回、シューティングブレークがその後に続く。
ポルシェはタイカン クロス トゥーリズモで、電気自動車にさらなる収納スペースとグランドクリアランスを与え、日常生活での利便性を高める。
第1報として、ポルシェからの高性能電動ステーションワゴンについて、これまでに得た内容のすべてをレポートする。
価格と市場投入時期
クロストゥーリズモは2021年春頃に発表される予定で、エントリーレベルの価格は、タイカン4Sと比較してより高価になるであろうと想定される。
我々は、タイカンのステーションワゴンは、最低でも11万ユーロ(約1,400万円)以上と予想している。
テクノロジー、性能、航続距離
技術的には、クロス トゥーリズモは、おそらくポルシェの愛好家にとっては、ほとんど驚きはないだろう。
タイカンの派生モデルとして、同じプラットフォームを使用しているため技術的な装備はそのまま受け取ることができる。
これにはロールスタビライザーや全輪ステアリングなどが含まれる。
セダンとは異なり、シューティングブレークは、後輪駆動での提供も可能だ。
したがって、クロス トゥーリズモのエントリーモデルは「4S」と呼ばれることになる。
セダンのスペックシートには、390kW/530馬力(より大きなバッテリーを搭載した場合は420kW/571馬力)の出力が記載されている。
ターボとしては、e-ポルシェは500kW(680馬力)まで出力が上がり、トップモデルのターボSはオーバーブーストモードで560kW(761馬力)をフルに発揮できることになっている。
タイカン4Sは、より小型のバッテリー(79.2kWh)を注文でき、ターボとターボSはより大型のパフォーマンスプラスバッテリー(93.4kWh)を使用している。
バッテリーパックとエンジンにもよるが、全輪駆動のタイカンの航続距離は、335kmから452kmとなっている。
やや大きめで重量も重くなるステーションワゴンの航続距離は、セダンに比べて数kmのロスになると思われる。
参考: 比較対象となるタイカン セダンの性能数値
● タイカン4S: 全輪駆動、390kW(530馬力)バージョンと、より大きなバッテリーを搭載した420kW(571馬力)バージョン。航続距離は、79.2kWhバッテリーで、335~408km、93.4kWhバッテリーで、389~464km。
● タイカン ターボ: 全輪駆動、500kW(680馬力)。93.4kWhバッテリーを搭載。航続距離は383~452km。
● タイカン ターボS: 全輪駆動、560kW(761馬力)。93.4kWhバッテリーを搭載。航続距離は390~416km。
外観とデザイン
「タイカン クロス トゥーリズモ」がどのような姿になるのかは、すでにインスタグラムでリークされている。
ルックスの面では、ポルシェはパナメーラ スポーツ トゥーリズモのリアデザインと、タイカンのフロントをミックスさせている。
同時に、スポーツステーションワゴンはかなりリフトアップされており、プラスチックで覆われたホイールアーチが装着されている。
「クロス トゥーリズモ」のシルエットは、Bピラーまではセダンのそれに似ているが、その後ろは、ルーフラインがエステートのリアエンドと合流している。
全体的に、「ポルシェ タイカン クロス トゥーリズモ」は、2018年に発表された、「ミッションEクロストゥーリズモ」のコンセプトモデルに基づいて作られている。
シューティングブレークのコックピットは、以前から知られているタイカンのものとほぼ同様のものとなる。
また、ポルシェは、以前より、地上高がもっと低い、オフロード機能を持たないロードバージョンのステーションワゴン、タイカン スポーツ トゥーリズモも開発していることも、テスト走行しているプロトタイプがスクープされて、各メディアで採り上げられた。
いずれにせよ、ポルシェが今後、タイカンをベースに、他にもどんな派生モデルを作るかを楽しみではある。
タイカン スポーツ トゥーリズモのプロトタイプは数か月前から、もう永遠に続くのではないかと思えるほど、繰り返しテストをおこなっており、現在はカモフラージュもほぼない姿でテストコースを周回している。デザイン面での驚きはないだろうし、パワートレインも標準モデルのタイカンから引き継がれると予想されている。つまり、トップモデルのタイカン ターボSスポーツ トゥーリズモは、761馬力を発揮することになる。
Photo: Automedia
都内で結構見かけるようになったパナメーラのシューティングブレークは、かなりの高価格車で、普通のパナメーラよりもずっと高い価格設定となっている。今回登場が予想されるタイカン クロス トゥーリズモもそれにならえば価格はかなり高価なものになるだろうし、普通のタイカンよりもエクスクルーシブなモデルということになるのだろう。
内容的にはタイカンをベースに、というよりもほとんどそのままの性能で出てくることが予想され、ポルシェの名に恥じない高性能なEVシューティングブレークの登場となるのだろう。
タイカンで十分な性能が保証されているのだから、もうそんなにニュルブルクリンクサーキットなどでテストを繰り返さなくなっていいじゃないか、と私などは思ってしまうが、ポルシェのエンジニアはそういう妥協ができない人々らしく、しつこいくらいに各種テストを繰り返しているらしい。そういうところこそがポルシェらしいともいるし、だからこそ圧倒的な性能と信頼性を持つEVが生まれてくるのである。そう考えれば高価な価格も、十分に納得と説明が行くともいえよう。
Text: Andreas Huber
加筆: 大林晃平
Photo: Porsche AG