【テクノロジー】メルセデス・ベンツは新型Sクラスをロボタクシーへと進化させる
2026年3月4日
メルセデス・ベンツがラグジュアリーロボタクシーを投入する。新型メルセデス Sクラスはまもなく、レベル4技術を用いてドライバーなしで乗客をA地点からB地点へと輸送する。しかし、その導入地はドイツではない。
メルセデス・ベンツは自動運転分野で本格的にアクセルを踏み込む。しかも大規模にだ。中国のテックパートナーであるMomenta、そしてテクノロジー企業Lumoと協力し、新型メルセデス SクラスをベースとしたSAEレベル4のロボタクシーを投入する計画である。しかもその舞台は、ほかでもないハイテク都市アブダビだ。
最初のテスト車両はまもなく現地で走り始める見込みで、完全なドライバーレス仕様となる。車両には大規模なセンサー群やLiDARが搭載され、もちろん後席にはSクラスならではのラグジュアリーもふんだんに備わる。
メルセデス・ベンツによれば、アブダビはあくまで始まりに過ぎない
ロボタクシーというアイデア自体は新しいものではない。MOIA、Waymo、そしてTeslaもすでに自動運転シャトルの実証を進めている。だが、Sクラスをベースとしたロボタクシーとなると話は別だ。それはこのコンセプトをまったく新たな次元へと引き上げる試みである。他メーカーが主に機能重視のシャトル車両にフォーカスするなか、メルセデスは自動運転における「プレミアム」とは何かを体感させようとしている。
テックグループK2傘下の企業であるLumoは、すでにアラブ首長国連邦において自動運転車の運行に関する正式な認可を取得している。メルセデスによれば、アブダビは単なる第一歩に過ぎず、今後ほかの市場へと展開が広がる可能性もある。
テクノロジーの進化とラグジュアリーの融合
新型メルセデス Sクラスは、そのために必要なすべてを備える。新開発のMB.OS、最先端のセンサー群、LiDAR、カメラ、そしてレーダーだ。
目標は明確である。未来的な実験のような体験ではなく、真のメルセデス・ベンツのショーファーサービスそのものと感じられるロボタクシー体験を創出することだ。しかし、その取り組みはこれで終わりではない。このロボタクシー計画は、メルセデス・ベンツが掲げるより包括的な戦略の一環にすぎない。
同社は複数のレベル4プロジェクトにも取り組んでおり、その一部は個人顧客向け、また別の一部は商用利用を視野に入れたものとなっている。

さらにシュトゥットガルトを拠点とする同社は、ソフトウェアおよびテクノロジー企業Nvidiaと協力し、既存のDrive AVプラットフォームを基盤とした「拡張レベル4ロボタクシー・エコシステム」の構築を進めている。メルセデス・ベンツの狙いは、自動運転分野で単に後れを取らないことではなく、基準そのものを打ち立てることにある。その野心は中国での動きにも表れている。メルセデスは、北京においてレベル4システムのテスト許可を取得した最初の海外メーカーとなった。
並行して、メルセデスはレベル3自動運転システム「Drive Pilot」の高度化も進めている。このシステムは現行のメルセデス Sクラスおよびメルセデス EQSに採用されている。現時点では最高95km/hまで運転操作を引き継ぐが、将来的には最高130km/hまで作動速度域を拡大する予定だ。
Text:Nele Klein
Photo:Mercedes-Benz AG

