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これは一般ユーザー向けのSクラスなのか?メルセデス Sクラスが布シートを採用

2026年3月2日

メルセデス・ベンツ Sクラスのフェイスリフトにより、このセダンはこれまで以上に存在感を強めている。だが、ひとつのディテールが従来のイメージにはそぐわない。

現行メルセデス Sクラスのフェイスリフトにあたり、最優先されたのはひとつ―さらなるラグジュアリーである。大幅に刷新されたフロントエンドだけでも強烈な印象を残し、そのデカダンスな魅力を隠そうとはしない。

しかし、コンフィギュレーターをさらに深く見ていくと、新たな装備が用意されていることに気づく。それは一見して意外性があり、従来のSクラスに抱かれてきたイメージや常識を打ち破るものだ。

伝統的に、現行のメルセデス Sクラスにはブラックレザーのインテリアが用意されている。さらにブラウン、グレー、ベージュといった多彩なレザーおよびナッパレザーの選択肢も揃う。ここまではごく標準的だ。だが今回のフェイスリフトでは、もうひとつの選択肢が加わった。「Artico」レザーレットである。

レザー不使用のラグジュアリー:新しい「Artico」インテリアは、動物由来素材を用いない仕立てを採用―価格の引き下げはない。

Sクラスにファブリックシート?布地は伝統的にスモールカーやコンパクトカー、あるいは一部のスポーツモデルに用いられる素材と見なされてきた。だが、“ラグジュアリーセダンの代名詞”ともいえる存在においてはどうだろうか。

これによってエントリープライスを引き下げる意図があるのではないか、と考える向きは失望することになる。「Artico」内装の価格はブラックの本革仕様とまったく同額だ。最終的な車両価格は少なくとも109,221ユーロ(約2000万円)に達する。レザーレットはAMGラインを含む全グレードで選択可能だ。

新しいファブリック内装は重要な一歩

この新しい内装は、妥協やコスト削減を目的としたものではない。メルセデスは「Artico」を簡易的な代替案としてではなく、意識的にレザーを選ばない顧客に向けた“同等の選択肢”として位置づけている。その背景には、可能な限りレザーフリー、すなわち動物由来素材を排したインテリアへの関心が高まっていることがある―それはラグジュアリーセグメントにおいても例外ではない。

結論:
自動車業界において、ヴィーガン代替素材はもはやニッチなテーマではない。量販モデルではレザー代替素材がすでに一般化しており、その潮流がいまや高級クラスにも及びつつある。Sクラスのインテリアにおける「Artico」は、コストの問題というよりもむしろメッセージだ。ラグジュアリーは素材そのものの価値だけでなく、そこに込められた姿勢や志向によって定義される時代に入っている。

Text:Kim-Sarah Biehl
Photo:Mercedes-Benz AG