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【兄弟対決】ハチロクバンザイ! AE86とGT86で全開ラップ「トヨタ カローラ クーペ GT(AE86) 対 トヨタ GT86(ZN6)」

2026年3月2日

AE86:4バルブの先駆者

80年代のスポーツカーとしては驚くほど先進的だ。VWがGTI用16Vを開発していた頃、日本ではすでに4バルブ技術が高回転・高出力を実現していた。ドイツ仕様のAE86も124psを発生する1.6リッター直4を搭載。

縦置き1.6リッター自然吸気エンジン。次世代のハッチバックは横置き前輪駆動だった。

最大トルク142Nmは5200rpmで発生。7600rpmまで引っ張れる。高回転を維持しながら5速MTを素早く操れば、0-100km/h加速は8.9秒。GT86はこれより1.5秒速いだけだ。最高速は195km/h(GT86は226km/h)。ショートギア比が効いている。

15インチのパンチングホイール。対するGT86の17インチは巨大に見える。

外観は低く落ちたノーズと引き締まったテールが印象的。派手さはなく、「Twin Cam 16」のバッジがすべてを物語る。

GT86用エアロの大型リアウイングは、AE86の繊細なスポイラーをかすませる。

GT86:ドライバー中心主義

GT86に乗り込むと、まず低い着座位置に驚く。セグメント最低とされるシート高は、低重心=優れた旋回性能を意味する。

中央にタコメーター、トグルスイッチ、アルミペダル。2013年のスポーティネス。
7400rpmからレッドゾーン。スピードメーターは260km/hまで。

直径365mmのステアリングは、トヨタ市販車史上最小。ボンネット下には200psを発生する2リッター水平対向4気筒。このボクサーエンジンはスバル製で、GT86はスバル BRZとほぼ兄弟関係にある。

派手なボディキットを装着したGT86テスト車

「トヨタ GT86」のデザインは、1967年の「トヨタ 2000GT」に着想を得ている。低く構えたフロントグリルと鋭いヘッドライトが、「GT86」のスポーティなキャラクターをいっそう強調する。さらにアグレッシブな外観を求める向きには、テスト車両に装着されたエアロパッケージが1400ユーロ(約26万円)で用意されている。巨大なリアウイング、フロントスポイラー、そしてサイドスカートを備えた本格仕様だ。

2013年に設定されたGT86用エアロキットには、いわゆる“アンダーバイト”形状のフロントスポイラーや、ブラックのコントラストストリップなどが含まれている。
サイドシルと後輪裏側のコーナーも、GT86のエアロキットの一部だ。

サーキットでの真価

まずは「AE86」から。124psと955kgなら十分戦える。エンジンは鋭く吹け上がり、アクセルオフでリアが器用に向きを変える。だが絶対的な速さはない。かつて助手席で味わった軽快さは薄れ、積極的に振り回さなければオーバーステアは出ない。足回りは柔らかく、ロールも大きい。それでもクロスレシオの5速MTと効きの良いブレーキは健在。ラップタイムはほぼ2分ちょうど。悪くない。

一方GT86。前後重量配分53:47のバランスゆえ、極端なオーバーステアマシンではない。だが足回りは明確に硬く、縁石やS字でも落ち着きを失わない。

トヨタGT86の200馬力の2 リッター水平対向エンジンも縦置きで搭載されている。
小さなカバーにはトヨタとスバルと書かれている。なぜなら、ボクサーエンジンはスバル製であり、トヨタGT86は姉妹車であるスバルBRZとほぼ同じ構造だからだ。

高回転を維持すれば、あらゆるコーナーを理想的なドリフトアングルで駆け抜けることも可能。ダイレクトなステアリングは豊かなフィードバックをもたらす。レーシングラインで攻めれば、ザクセンリンクを1分48秒57で周回する。

ザクセンリンクでは、AE86はGT86に対して12秒遅れ。

結論:
AE86とGT86の間には約30年の歳月が横たわる。走らせれば、その差は明確だ。角ばったボディと高回転4バルブを持つ旧型は、空力とボクサーエンジンを武器とする現代マシンにサーキットで太刀打ちできない。

だが両車には共通点がある。純粋なドライビングプレジャー。それこそが、86の本質だ。

Text: Guido Naumann
Photo: Ronald Sassen / AUTO BILD