【このドバイ王族のGクラスなんぼ?】世界にわずか4台しか存在しない右ハンドル仕様「メルセデスG55 AMG」の想定落札価格とは?
2026年2月27日
王族が所有していたという2005年式のメルセデス・ベンツ G 55 AMG。走行距離はわずか230km。いま、このユニークな個体が売りに出されている。
ブラック、ホワイト、シルバー―Gクラスの多くは落ち着いた色でオーダーされる。メルセデスはカスタムプログラムを通じて事実上無限ともいえるカラーバリエーションを用意しているが、20年前は事情が異なった。当時のパレットははるかに限定的だったのだ。そんななか、現在RMサザビーズ(RM Sotheby’s)が取り扱うこの「G 55 AMG」は、ひときわ鮮烈な存在である。
まずは基本から。ベースは2005年式の「メルセデス G 55 AMG」。ボンネットの下には、有名な5.4リッターV8スーパーチャージャーエンジン「M 113 K」を搭載する。当初476psを発生し、その後500ps、最終的には507psへと高められた。仕様にもよるが、0-100km/h加速は5.5~5.6秒。最高速度は210km/hでリミッターがかけられている。
走行距離わずか230km
このメルセデスGクラスは、いくつもの点で特別だ。まずは走行距離。21年落ちの個体でありながら、デジタルオドメーターが示すのは143マイル、すなわち約230kmに過ぎない。20年以上前の“ほぼ新車”と堂々と名乗れるレベルである。

さらに特筆すべきは右ハンドルであること。G 55は公式には右ハンドル仕様が設定されていなかった。しかし、特別なVIP顧客向けに例外が設けられ、この個体はAMGによって右ハンドルへとコンバートされたという。右ハンドルの「G 55 AMG」は世界にわずか4台しか存在しないとされる。
VIP顧客のために製作
そのVIP顧客とは、ドバイ王族の一員だ。ただし車両は英国に留め置かれる予定だったため、右側にステアリングが備わる。走行距離の少なさを考えれば、このAMGはほとんど必要とされなかったのだろう。

このGクラス最大のハイライトは、やはり「ゴドルフィンブルー」の専用ボディカラーだ。王族のためだけに開発された特注色で、名門レーシングチーム「チーム ゴドルフィン」へのオマージュとされる。内装には“designo ミスティックブルー”レザーを組み合わせる。おそらく唯一無二の仕様だ。
2024年まで王族が所有
写真を見る限り、AMGのコンディションは極上。実質的に走られていないとはいえ、2024年まで王族の手元にあったという。ただし機関のコンディションは不明だ。2024年9月に整備は実施されたものの、RMサザビーズは登録・使用前に資格を持つ専門家による点検および必要に応じた技術的アップデートを推奨している。

気になる価格は?
新オーナーは整備やメンテナンスのために数千ユーロ規模の予算を見込む必要があるだろう。この唯一無二の「メルセデス G 55 AMG」は個人売買扱いで、約10万ポンド(約11万5000ユーロ)で提示されている。
比較として、現在の中古「G 55 AMG」市場はタマ数が限られる。ドイツでは最安で約4万ユーロ(約740万円)から見つかるが、走行距離20万km級や、G 63仕様に粗雑に改造された個体がほとんどだ。最も高価な個体でも約75000ユーロ(約1387万円)程度。しかし走行距離や装備内容を考えれば、このワンオフGクラスとは比較にならない。
したがって価格は、原理的には非現実的とは言い切れない。最終的な判断材料は、どれだけの整備費用と技術的リフレッシュが必要かという点に尽きる。事実として言えるのは、これほど特別な「G 55 AMG」が再び市場に現れる可能性は極めて低いということだ。
結論:
唯一無二のカラーコンビネーション、AMGによる右ハンドル化、そしてほぼ未走行。これこそが「金に糸目をつけない」という言葉を体現する一台である。
Text: Jan Götze
Photo: Alex Penfold ©2025 Courtesy of RM Sotheby’s

