メルセデスAMGが再びレブを上げる!AMGトップが断言する「“ブラックシリーズ”は必ず戻ってくる」そして新たな高性能モデルと電動化への本格攻勢が始まる
2026年2月26日
苦しい数年を経て、メルセデスAMGは舵を切った。シリンダーは増え、エモーションは取り戻される。同時に、電動化という次の大波にも真正面から挑む。
率直に言って、熱狂は生まれていなかった。「メルセデスAMG C 63(Mercedes-AMG C 63)」のスペックは確かに圧巻だ。だが4気筒+プラグインハイブリッドという構成は、メルセデスのハイパフォーマンス部門に熱狂してきた顧客層の心を掴めなかった。
680psを誇るセダンは、「世界最速のファミリー」とその裕福な支持者との間に生じた“亀裂”の象徴となった。未来への道筋を示したはずのパワートレーンは、情熱を求めるファンに受け入れられなかった。
この現実は、アファルターバッハも理解している。「この2年間で数え切れないほどの戦略会議を行い、新たな方向性を定めた」とメルセデスAMG CEOのミヒャエル シーベ(Michael Schiebe)は語る。
親会社であるメルセデス・ベンツが2025年に開始した“史上最大のモデル攻勢”は、AMGにとって単なる新型車ラッシュではない。明確な軌道修正だ。シーベは今後のAMGに「より多くの情熱、より強い存在感、そしてさらなるパフォーマンス」を約束する。これは事実上、「C 63」に代表される4気筒+PHEV路線の終焉宣言でもある。
EU7排出ガス規制を理由に挙げつつも、不人気だったこのタンデムの終わりは近い。「GLC」はまもなく単一のパフォーマンス仕様へ集約され、技術的に近縁なCクラスも同様の道を辿る可能性が高い。

直6が主役へ、V8も存続
この夏、希望の星が登場する。「メルセデスAMG GLC 53」に、「CLE」で実績を積んだ直列6気筒が搭載される。「顧客から非常に高い支持を得ているエンジンであり、回転フィールと出力の両面で大幅な進化を遂げた」とシーベは語る。M256“Evo”は今後、複数モデルへ展開される見込みだ。
しかしAMGはそれで満足しない。改良型Sクラスに搭載される最新世代V8は、EU7排出ガス規制に適合しつつ537psを発揮。これは限界ではない。このV8は「GLE」、「GLS」、そして最も収益性の高い「メルセデスAMG G 63」にも理想的な選択肢となる。
SUVはすでに販売の50%を占める中核セグメントだ。「GLC」、「GLE」、「GLS」、そして「G 63」がブランドの利益を支えている。
現在生産されているメルセデスGクラスの約60%はG63だ!新型メルセデスAMG G63の全ての情報:https://autobild.jp/35554/
“ミトス(Mythos)”とブラックシリーズの復活
量販と利益をSUVで確保しつつ、AMGはエンスージアスト向けの特別モデルにも注力する。「Pure Speed」に続き、超限定の“ミトス(Mythos)”が計画されている。
北極圏近くで目撃されたV8搭載の「CLEプロトタイプ」は、その序章にすぎない。さらに、「GT」の過激仕様も準備中だ。サーキット専用を示唆しながらも、公道走行可能な形での投入が有力視される。
そして決定打がこれだ。「“ブラックシリーズ”の名は、将来必ず復活する」。

1000ps超の電動AMG
このアプローチは、情熱的なアクセル全開ドライバー、いわゆるペトロールヘッドに配慮したものに見えるかもしれない。そしてBentleyからFerrariに至る競合と同様に、電動化をやや後景に退けているようにも映る。
「その印象は誤りだ」とシーベは強く反論する。
この夏、市販版の「メルセデスAMG GT XX Concept」が発表される。革新的なアキシャルフローモーターとAMG独自のバッテリーにより、1000ps超を誇り、スーパーカー並みのパフォーマンスを実現する。それだけでなく、内燃機関車と同様に感情に訴える存在となることを目指す。そして最終的には、あるいは少なくともそう意図して、スピードを愛するエリート層を電動車へと転向させる。
アファルターバッハはその成功を確信している。AMG.EAプラットフォームからはさらに2台が登場する。「年内にSUVを発売し、その後まもなく対応するSUVクーペを投入する」とシーベは語る。
そしてそれで終わらない。スペクトラムのもう一方でも電動化を推進する。新型CLAをベースとしたスポーティなエントリーモデルを投入し、こちらはプラグインハイブリッド仕様となる。
内燃機関と電動、その両立は可能か
不評だった4気筒PHEVを整理し、6気筒と8気筒を進化させる。一方で、1000ps級EVで電動時代を先導する。どちらかを捨てるのではない。両方を本気でやる。
もしシーベの構想どおりに進めば、AMGは今後2年で再び全開モードに戻る可能性がある。電動世代に強くアプローチしつつ、ペトロールヘッドもつなぎ止める。それがアファルターバッハの攻勢成功への道となり得る。ただし、その行方をやや距離を置いて見守ることになるのはシーベ自身かもしれない。7月には、元ポルシェの開発責任者であり、「ポルシェ タイカン」の生みの親でもあるステファン ヴェックバッハ(Stefan Weckbach)がAMGのCEOに就任する。もっともシーベもアファルターバッハを見守り続ける。親会社の生産責任者として、最終的にはすべての新型AMGモデルの基盤を築く立場にあるからだ。
Text: Thomas Geiger
Photo: Mercedes-Benz Group

