184馬力の電動SUV「トヨタ アーバンクルーザーAWD」をテスト!
2026年2月23日
電動トヨタ アーバンクルーザーAWD(Toyota Urban Cruiser AWD)は、2基のモーターと184馬力を備える、単なるシティカー以上の存在だ。だが、この四輪駆動EVはオフロードと充電性能で課題を抱える。
12月のトスカーナの朝は冷え込む。気温はわずか8度。フィレンツェの谷間にはまだ霧が垂れ込めている。私たちは新型トヨタ アーバンクルーザーのシートに身を沈める。
この名称は、かつてトヨタが展開していた実直だがやや地味な小型車を思い起こさせる。しかし今回のモデルは別物だ。見た目はトヨタだが、実態はスズキとの緊密な協業による電動BセグメントSUV―すなわち「スズキ eビターラ(Suzuki e Vitara)」のテクニカルツインである。
試乗車は最上級グレードのAWD仕様。小型セグメントの電動車で四輪駆動は極めて希少だ。多くの競合、例えば「オペル モッカ(Opel Mokka)」や「ジープ アヴェンジャー(Jeep Avenger)」は前輪駆動が基本で、四輪駆動はせいぜいマイルドハイブリッド止まりだ。だがトヨタは本気だ。前後にモーターを1基ずつ搭載し、システム出力は135kW、すなわち184馬力。全長4.29mの車体としては十分以上の数値である。

ただクルーズするだけでは物足りない?スタートボタンを押し、無音のままホテルの中庭を抜け、フィレンツェの朝のラッシュへと溶け込む。
角張ったデザインと“本物のボタン”
市街地での第一印象は明快だ。アーバンクルーザーは存在感を放つ。シャープなLEDデイタイムランニングライトとブラックのプロテクションクラッディングを備えた力強いフロントマスクは主張が強い。小柄な「フィアット パンダ(Fiat Panda)」や無数のスクーターに囲まれても埋もれない。視界は良好で、やや高めの着座位置はこのクラスのSUV購入層が求める俯瞰性をしっかり提供する。

インテリアは最新のタッチスクリーン技術とクラシックな物理スイッチの融合だ。これを高く評価したい。シートヒーターを作動させるのに3階層のメニューをさまよう必要はない。実ボタンが残されている。コックピットは整理され、素材は堅実。多くの部分にハードプラスチックが使われるのはクラス相応だが、むしろ質実剛健なキャラクターに合致する。

俊敏な加速、だが足回りは硬すぎる
市街地を抜け、糸杉が並ぶカーブの続く田舎道へ。ここで四輪駆動の真価が問われる。縦方向のダイナミクスは見事だ。0-100km/h加速は7.4秒。瞬発的な加速も容易い。307Nmのトルクが即座に立ち上がり、追い越しは一瞬で完了する。後輪モーターがコーナリング時のトラクションと安定感を高める。
しかし失望もある。それはサスペンションだ。トヨタはかなり硬めのセッティングを与えている。平滑な高速道路では許容範囲でも、ひび割れやうねりのある路面では容赦なく突き上げる。SUVでありながらローダウンしたスポーツカーのような乗り味は疑問だ。ステアリングもフィードバックに乏しく、スポーティさを語るには説得力を欠く。
オフロードでの挫折と電費の現実
舗装路を離れ、ブドウ畑の間の未舗装路へ。砂利、段差、昨夜の雨によるぬかるみ。本物の四輪駆動なら問題ないはずだ。
駆動制御自体は優秀だ。電制が瞬時に前後へトルクを配分し、トラクション不足は感じない。だがサスペンションストロークと硬さが足を引っ張る。やや深めの段差で底付き音が響く。オフロード性能は限定的だ。アスファルトを離れた瞬間から慎重さが求められる。

航続距離にも同様の注意が必要だ。バッテリーはLFP(リン酸鉄リチウム)セルを採用。安価で堅牢だがエネルギー密度は低い。ネット容量60kWhで、理論値は395km。しかし実走では状況が異なる。
市街地、郊外路、高速道路、軽いオフロードを含むルートで、平均電費は26kWh/100km。これは率直に言って過大だ。フルサイズのラグジュアリーSUVなら理解できるが、全長4.3mのコンパクトSUVとしては高すぎる。この消費量では実航続距離は約230kmにとどまる。

充電性能も課題だ。最大充電出力は67kW。10〜80%まで約45分を要する。競合はより高速に充電できるモデルが多い。長距離移動では、実用航続距離を回復するために約45分間の待機が必要となる。LFP採用や保守的な熱管理が影響している可能性があるが、この価格帯ではより効率的な充電性能が期待される。
可変性は秀逸
一方で室内の実用性は高評価だ。ラゲッジ容量は310Lと平均的だが、リアシートが秀逸。前後に16cmスライド可能という、このクラスでは稀有な機構を持つ。後席に長身の高い人が座る場合は後方へ、積載重視なら前方へ。背もたれは40:20:40分割可倒でリクライニング調整も可能。家族用途に理想的な柔軟性だ。
結論:
「トヨタ アーバンクルーザー AWD」の量産モデル初試乗の総括は明快だ。デザインは的中。自信に満ち、個性的で、群衆から抜け出す存在感を持つ。四輪駆動の動力性能は痛快で、路面が良好ならハンドリングも悪くない。室内の可変性も優秀だ。だが硬すぎるサスペンション、実測26kWh/100kmという高消費電力、そして平凡な充電速度は明確な弱点である。さらに価格は約45,000ユーロ(約832万円)。BセグメントSUVとしては高額だ。四輪駆動を備えるとはいえ、容易に受け入れられる水準ではない。
Text: Maetin Westerhoff
Photo: Toyota

