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【ウインターテスト】ミッドシップスーパースポーツカーは雪が苦手?「マクラーレン GTS対フェラーリ 296 GTS」雪上ではマクラーレンとフェラーリが、これ以上ないほど接近する

2026年2月23日

ミッドシップ、後輪駆動、そしてハイパワー。雪上において、これほど扱いづらい組み合わせがあるだろうか。しかも我々は知っていたはずだ。2年前、同じ雪の舞台に連れ出したのは「マクラーレン アルトゥーラ(McLaren Artura)」。その扱いづらさは、暴走したリス並みだった。

スーパースポーツカー、ラリーレジェンド、そしてeパワーが雪上テストに集結!フェラーリからGRヤリスまで―白銀の世界を制するのは誰か?:https://autobild.jp/63106/

680馬力はほとんど制御不能。常にさらなるグリップを求めて雪を探し回り、ステアリング修正は絶え間なく、ドライバーは汗だく。低ミュー路でこれほど瞬発的な反射神経を要求するクルマはそう多くない。幸い、「マクラーレン GTS」は特別製のピレリP Zeroウインターを装着していた。それが幾度も破滅的な瞬間を救った。

マクラーレンの635馬力を雪上に伝えることがいかに過酷か、その表情がすべてを物語る。

その経験から普通は学ぶ。より適したクルマ、できれば四輪駆動を選ぶべきだと。だが我々は再び、マクラーレンとフェラーリのフレンドリーな広報担当に電話をかけていた。雪上遠征の話を何気なく切り出すと、マクラーレンはオレンジの「マクラーレン GTS(McLaren GTS)」を、フェラーリはブルーの「フェラーリ 296 GTS(Ferrari 296 GTS)」を提案してきた。オレンジもブルーもどんな記事にも完璧な彩りを加えるし、スーパーカーでのウインタースポーツなど、真に特別な企画だからだ。

イタリア・リヴィーニョ、月曜朝8時、気温0度。2台はトレーラーから降ろされる。フェラーリは静かに、マクラーレンは冷間始動の極上V8サウンドとともに。洗練された20インチホイールに扁平ウインタータイヤ。面白くならないはずがない。

共通点はあるのか?両車が「GTS」を名乗り、ドライバーの背後にエンジンを積むこと以外、ほとんどない。

【ガチンコ勝負!】マクラーレンGTS対フェラーリ296 GTS  GTSとして優れているのはフェラーリかマクラーレンか?:https://autobild.jp/50716/

スペック上、よりモダンでスポーティなのはフェラーリだ。120度バンクのツインターボV6と8速デュアルクラッチの間に電気モーターを配置。内燃機関の663馬力に167馬力を加算する。一方、マクラーレンはより伝統的でやや穏当だ。おなじみのツインターボV8は635馬力を発生。さらにリサイクルカーボン製の新ルーフにより10kg軽量化を果たしている。

雪上アドベンチャーへ

エンジンは暖まり、バッテリーは満充電。ウォーキングの2名のテクニカルスタッフも、我々同様にこの“2本のスキー”の実力を見極める気満々だ。舞台は火曜午前4時、整備直後のゲレンデ。理想的なコンディション。イタリアのスキーヤー(=フェラーリ)が最初のラインを刻み、いきなり高いハードルを設定する。

例外的な瞬間―フェラーリ 296 GTSが理想的な進入角でコーナーをクリアできたのは、わずか数回のみだった。

だがスポーツモードは攻撃的すぎる。スロットルレスポンスが鋭敏すぎるのだ。そこでウェットモードへ。しかしこちらはESPが強制介入する。その結果、「296」はコース上をぎこちなく周回するばかり。ではCTオフ、さらにダンパーをソフト側へ。結局、スピンを回避できたのは3周目になってからだ。

アクセルは「触れる」程度に。絶対にスピンさせない。クルマを“運ぶ”ように、可能な限り滑らかにトラックを回る。この緊張状態の中で、背後で美しくさえずるV6のサウンドを味わう余裕はほとんどない。

マクラーレンのV8はさらに官能的だ。そしてコンフォートモードではESPを個別に解除できる。これによりマクラーレンは、少なくともアクセル操作においてはフェラーリより明らかに従順になる。とはいえ、ここでも635馬力は路面に対して過剰だ。「296」のミシュランに対し、マクラーレンのピレリはわずかに高いグリップを示す。特にフロントアクスルの応答性が優れている。

総論として言えば、どちらもドリフトは容易ではない。だがその困難さこそが、このテストを特別なものにしている。

Ferrari 296 GTS:過剰という名の個性

フェラーリでの走行は、正真正銘、消耗戦だ。10周中、スピンなしで完遂できたのは3周のみ。「296」は明確にアスファルト向けに設計されている。それでも最遅ではなかった。

McLaren GTS:より高いグリップ

マクラーレンGTSも決して楽ではない。だがより柔らかいサスペンションと、わずかにグリップに勝るウインタータイヤのおかげで、少なくとも一段階は扱いやすい。雪上では、両雄はかつてないほど近づいた。

Text: Guido Naumann
Photo: Almuth Heene