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【オフロードテスト】510馬力、41トン、妥協ゼロ「メルセデス アロクス 4151 AK 8×8」で究極のオフロードテストに挑む

2026年2月22日

510馬力のエンジンを搭載する「メルセデス アロクス 4151 AK 8×8」は、最大41トンを牽引可能。建設現場において、これ以上を望むのは難しい。パワー、知性、そして真のオフロード性能の物語だ。

初夏の早朝、エーティッヒハイム。テストコースには薄い霧が立ち込め、湿気を含んだ重い空気が拡散した光を包み込む。完全な静寂。だが突然、遠方から腹の底に響くような低い唸りが静けさを破る。地面がわずかに震える。朝霧を切り裂いて姿を現したのは、単なる商用車ではない。舗装路の外で生まれた、鋼鉄とテクノロジーの巨人―メルセデス・ベンツ アロクス 4151 AK 8×8(Mercedes-Benz Arocs 4151 AK 8×8)だ。

本日、この車両はバーデン=ヴュルテンベルク州エーティッヒハイムにあるメルセデスのオフロードテストコースで究極の耐久試験に臨む。車両の限界がどこにあるのかを示すため、徹底的に追い込まれる場所だ。もちろん「アロクス(Arocs)」に容赦はない。メルセデスはこの大型トラックを、過酷な作業が求められる建設現場のために開発した。モットーは「やることは、望むことよりもはるかに強い」。

アップデートされたディスプレイにより、ドライバーは空調やエンターテインメントシステムなど各種機能を操作できる。

一目でわかる。「アロクス 4151 AK 8×8」は見せるためではなく、働くために造られた。それでも強烈な存在感を放つ。4軸すべてが駆動。高くそびえる堂々たるボディ。フロントはまるで要塞だ。三分割式スチールバンパーに保護グリル、高位置に備わるLEDヘッドライト、ショベルカーの歯を思わせる大型ラジエーターグリル、その中央には誇らしげなスリーポインテッドスター。極限環境での機能性と堅牢性を、全身で主張する。

極限のためのシャシー

シャシーもまた極限仕様だ。フロントはコイルスプリング付き独立懸架、リアは強化トレーリングアームを備えたパラボリックスプリング。最大400mmの最低地上高により、深い窪地や岩だらけの河床も難なく走破する。短いフロントオーバーハングと大きなランプアングルにより、他車が立ち往生する場所でも前進可能だ。

キャブへの乗り込み位置は高い。泥や氷でも滑りにくい大型ステップを経て、クラシックスペースルーフを備え、地上高60cmのキャブへ。内部は外観と対照的にモダンで機能的だ。デジタルコックピット、広い空間、そしてわずかながらの上質さ。2つの高解像度ディスプレイを備えたマルチメディアコックピットが、車両データをリアルタイムで表示する。シートはエアサスペンション式で空調機能付き。細かい調整が可能だ。ここで求められるのは単なる作業ではなく、極限状況下でも集中して車両を操ることだ。

キャブをチルトさせると、12.8リッター直列6気筒エンジンが姿を現す。

ステアリングは手にしっくりと馴染む。右側のコラムにあるATセレクターを「D」に入れると明確なクリック音。右足の下では強力なディーゼルがすでに鼓動している。軽く踏み込むだけで、総重量41トンの巨体が悠然と動き出す。ダンプに約30トンを積載しても、苦しさは微塵もない。

心臓部はOM471型。排気量12.8リッターの直列6気筒ディーゼルで、510馬力、最大トルク2,500Nmを1,100rpmから発生する。この数値は印象的であるだけでなく、不可欠だ。総重量41トンの車両を荒れた地形で走らせるには、すべてのトルクが必要になる。

知能的な駆動制御

トランスミッションは「Mercedes PowerShift 3」。オフロード専用シフトプログラムを備えた12速AMTだ。登坂発進や軟弱地での取り回しなどの難局でも、制御は極めてスムーズ。ギクシャク感やホイールスピン、不必要な荷重変動はない。さらにターボリターダークラッチを装備。ダイムラートラックのテストエンジニア、ディルク・シュトランツは語る。「これにより急勾配でも摩耗なく発進でき、ブレーキとしても機能します」。極端な負荷下でも、クラッチ過熱の心配はない。

エーティッヒハイムのテストエリアは、各種「アロクス(Arocs)」および「アテゴ(Atego)」モデルの実力を試す舞台だ。

「アロクス 4151 AK 8×8」の最大の特徴は、常時四輪駆動。4軸すべてに駆動力を配分し、常に最適なトラクションを確保する。コックピットのロータリースイッチでデファレンシャルおよびトランスファーを完全同期ロック可能。副変速機を選択すれば、より精密な発進制御と最大限の牽引力を発揮する。減速比1.45:1では、1速で1,800rpm時わずか5.3km/h。ホイール内の外部遊星ギアによりセンターギアを小型化し、地上高向上にも寄与している。

30トン積載のストレステスト

約30トンを積載し、湿った砂地で停止状態から30度(勾配60%)の坂へ挑む。フロントフェンダーが地面に迫り、大径タイヤが路面を噛もうとする。「スムーズにアクセルを踏み続けて」とシュトランツは助言する。

荒地仕様:後部にはダブルタイヤ、リジッドアクスル、エアサポート、折りたたみ式アンダーランプロテクションを装備。

副変速と前後左右のデフロックを作動させると、「アロクス(Arocs)」はゆっくりと前進し、力強く登坂する。空しか見えなくなるほどの角度でもトラクションは失われない。途中で停止しても後退しない。ターボリターダーが確実に支える。摩耗や警告灯の点灯は皆無だ。

下りではターボリターダークラッチが再び真価を発揮する。ほぼワンペダル感覚で制御可能。車両への負担も少ない。ダンプ、ミキサー、重量物運搬、災害対応など用途は多岐にわたる。ヘビーデューティ仕様では最大250トンの牽引も可能で、装甲回収車も4151をベースとしている。

それでも操縦性は驚くほど軽快だ。電動油圧式ステアリングが操舵力を大幅に低減。従来型ミラーは堅牢で確実な後方視界を確保する。アクティブブレーキアシスト5やターンアシストなどの先進安全装備も搭載。ESPはオフロード専用セッティングで、滑りやすい路面でも穏やかに介入する。

メルセデス・ベンツ アロクス 4151 AK 8×8
エンジンOM471 直列6気筒ディーゼルエンジン
排気量12,809㏄
最大出力375kW/510hp
最大トルク2500Nm
トランスミッションG330-12/11.63-0.77 12速 ドッグクラッチ
ブレーキF/R ドラムブレーキ ABS付電動ブレーキ 電動パーキングブレーキ
タイヤ315/80 R22.5
全長/全幅/全高9127x2500x3648mm
ホイールベース4850mm
車重(シャシーのみ)2326kg
最高速度85km/h
価格(シャシーのみ)150,000(約2770万円)から250,000(約4620万円)ユーロ以上

テストコースは最大勾配80%の急坂、泥濘、岩場、水深1.2mの渡河区間など、過酷極まりない。4時間に及ぶ走行後も、警告灯や不具合は皆無だった。

フロントフラップは容易に上方へ開き、日常点検やウォッシャー液補充が可能。

テストエンジニアのディルク シュトランツ(Dirk Stranz)は額の泥を拭いながら言う。「これは単なる車両ではない。過酷な日常のための道具です」。その言葉に偽りはない。

価格は仕様により約15万〜25万ユーロ超。しかしその対価として、少なくとも10年または100万km、最も厳しい現場で働き続ける。

結論:
「アロクス 4151 AK 8×8」は、極めて堅牢な建設用大型トラックでありながら、乗用車のような扱いやすさと快適性を兼ね備える。重労働と快適性は両立できる。その事実を、この巨体が証明した。

Text: Fabian Hoberg
Photo:Photo design Kilian Bishop