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高級スポーツカーが究極のテストに挑む「ポルシェ911 カレラ4 GTS 対 メルセデスAMG GT 63 4MATIC+」アルプスをより巧みに制するのはどちらか?

2026年2月21日

ポルシェ(Porsche)とメルセデスAMG(Mercedes-AMG)は、これまで幾度となくサーキットで対決してきた。だが今回は、両雄が初めて雪上で激突する。リアエンジン+四輪駆動+eブースト対V8+4Matic+。冬のレースを制するのはどっちだ?

リヴィーニョでのウインターキャンプで最高なのは、そこへ向かうドライブだと言う人もいるかもしれない。だがそれはさすがに大げさだ。とはいえ、高速域のアウトバーンと、目的地へと続くワインディングの山岳路の組み合わせは、確かに唯一無二のドライビング体験をもたらす。とりわけ、今回の「メルセデスAMG GT 63 4MATIC+(Mercedes-AMG GT 63 4MATIC+)」や「ポルシェ911 カレラ4 GTS(Porsche 911 Carrera 4 GTS)」のようなクルマが手元にあるならなおさらだ。

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両車はセグメントにおける直接のライバルであり、いずれも最近大幅なアップデートを受けた。「AMG GT」に関しては、トランスアクスルレイアウトそのものが変更されたと言っていい。トランスミッションはフロントへ移され、四輪駆動とリアアクスルステアリングが標準装備となった。壮麗なツインターボV8は585馬力を発揮する。

AMG GT 63では、サスペンションの硬さに至るまで、あらゆる項目を個別かつ細かく調整できる。ここでは“Comfort”が王者だ。

「911 カレラ 4 GTS」にもニュースがある。従来のツインターボに代わり、ハイブリッド化されたシングルターボが3.6リッターから541馬力を引き出す。電動駆動式ターボチャージャーはもはや排気ガスのみに依存せず、デュアルクラッチトランスミッションに統合された54馬力の電気モーターがこれを支援する。もちろん四輪駆動も備わる。

メルセデスAMG GT 63 4MATIC+ポルシェ911 カレラ4 GTS
エンジンV型8気筒ツインターボ水平対向6気筒ターボ
排気量3982cc3591cc
最高出力430kW (585hp)/5500-6500rpm398kW (541hp)/6500rpm
リッター馬力147hp/L151hp/L
最大トルク800Nm/2500-5000rpm610Nm/1950-6000rpm
eブースト40kW (54hp)/150Nm
トランスミッション9速AT8速DCT
駆動全輪駆動全輪駆動
タイヤサイズ(F-R)295/35 R20 – 295/35 R20245/35 R20 – 305/30 R21
タイヤ銘柄Pirelli P Zero Winter 2 (M0)1Michelin Pilot Alpin 5 (NA2)
全長/全幅/全高4728/2100/1354mm4553/2033/1296mm
ホイールベース2700mm2450mm
燃料タンク/トランク容量70/321L63/135+373L
0-100/0-200 km/h3.2/11.5秒3.0/10.7秒
最高速度317km/h312km/h
燃費7.1km/L9.0km/L
価格190,192ユーロ(約3,518万円)175,500ユーロ(約3,246万円)

両者は哲学が異なるため、本質的にキャラクターも違う。その違いは四輪駆動システムに明確に表れている。両車とも前後アクスル間に配置された多板クラッチによる完全可変トルク配分を採用しているが、システムの性格はそれぞれ異なる。

「AMG GT」はフロントアクスルを切り離す(ドリフトモード)ことも可能だが、ポルシェはそうしたギミックを採用しない。フロントアクスルは極めて俊敏かつ繊細、そして状況に応じてパワーフローへ統合される。このシステムにより、「911 GTS」は雪上で極めて緻密に調律されたリア寄りのスポーツカーとなり、その目標は常に最大限のトラクションである。

ウェットモードでは、「GT 63 4MATIC+」はフロントアクスルをより強く介入させ、ほぼクラシックな50:50の四輪駆動のように走る。そのアルゴリズムは、雪上での扱いやすさを明確に高めている。

ポルシェ911 GTS、その硬さに苦戦

ではリヴィーニョでの周回はどうだったか? 残念ながら、「911 カレラ 4 GTS」は本質的によりスポーティな硬さゆえに、このコンディションではやや落ち着きを欠き、「911 Turbo S」や「911 Dakar」が見せた成功を再現することはできなかった。ブレーキング時、シャシーにはタイヤを確実に路面へ押し付け続けるための十分なストロークが不足している。さらにリアアクスルの動きも大きすぎ、後輪が比較的容易に外へ流れる。すると四輪駆動が即座に介入し、ドライバーには瞬時の修正操作が求められる。

短いホイールベースにより、ハンドリングはより俊敏。911は運転しやすいが、より硬めのGTSサスペンションは雪上ワルツには理想的とは言えない。

「AMG GT」はこれをより巧みにこなす。よりソフトなサスペンション、穏やかなV8のレスポンス、そしてグリップに優れるピレリタイヤにより、Evo勢に匹敵するラップタイムに迫る。1.9トンという重量は、まるでコンパクトカーのように感じられるほどだ。ロール角は驚くほど安定し、コーナー出口で卓越したトラクションが支配する前に、ステアリング操作で修正することすらできる。誤解しないでほしい。「911 GTS」も雪上で楽しめないわけではない。だが今回は、AMGの方がパワーをより効果的に、そして何よりも予測可能な形で路面へ伝えている。

Mercedes-AMG GT 63 4MATIC+: 速く、そして容易

エンジン、サウンド、ルックス——三拍子そろって“ワオ”。優れたタイヤ選択、直感的に制御される四輪駆動、そして緻密にコントロール可能なビターボV8により、今回はAMGがポルシェを置き去りにする。

ポルシェ 911 カレラ 4 GTS: 安全で、そして楽しい

より良いタイムのためには、サスペンションはもう少し柔らかく、タイヤはもう少しグリップが必要だろう。しかし、短く俊敏な「911 GTS」が、雪に覆われたプレイグラウンドで見せる楽しさは絶大である。

Text: Ralf Kund
Photo: Almuth Heene