【楽しみと喜びの空間】第45回JAIA輸入車試乗会2026特集「MINIジョン クーパー ワークス&MINIコンバーチブルS」
2026年2月11日
毎年楽しみでたまらない試乗会が今年もやってきた!我々は2026年2月4日「第45回JAIA輸入車試乗会」で最新モデル14台を試乗した。


湘南の海が大きく広がる大磯は、青空の広がる快晴で、風も穏やかで、気持ちの良い絶好の試乗会日和だった。今年もありがとう神様。我々はこの日、欧州のモデル14台を試乗、存分に味わった。

さあ、それではまず、「MINIジョン クーパー ワークス&MINIコンバーチブルS」の2台の試乗記からお楽しみください。
MINIジョン クーパー ワークス&MINIコンバーチブルS

ミニミニ小作戦
太い、固い、速い
ミニに乗ると最初にいつも思う。「太い」と。
何が太いって最新のミニのステアリングがとにかく太い。特に2時と10時のサポートみたいに盛り上がった部分がめちゃめちゃ太く、これじゃあジャイアント馬場だって握れるかどうかの太さなのである。おそらくレスレストン(Les Leston)の3本スポークステアリングの3倍くらいはあるような太さで、こういうのも嫌いではないものの、こんなに太くなくったっていいのになあ、そう思いながら走り出すとこう思う。「硬い」と。

何が硬いかというと、今回のジョン クーパー ワークスの場合は特になんだかガチガチで、路面の凹凸を実によく拾う。この部分に思い切りクラシックミニのオマージュをそぎこんだのかどうかは分からないが、とにかく普通のミニ クーパー(そう今や、ミニ クーパーという名前の商品なのだ)、カタイ印象が強い。
最後の速いは、とにかく今のミニは速いことにびっくりで、特に今回、JAIA輸入車試乗会で試乗したジョン クーパー ワークスはもうめちゃめちゃ速い。

速いのも当たり前で直列4気筒エンジンは、231PS&380Nmもあるからで、このパワーに7速DCTを組み合わせて1,350kgの車輛を走らせるのだから遅いわけがない。これだけ速いと、よほどの自制心がなければあっという間に免停領域に行ってしまうし、路上歩行者に迷惑をかけかねない。しかも今のジョン クーパー ワークスは、ひとつ前の荒々しさの強かったジョン クーパー ワークスと比べて洗練された部分も強く、知らないうちに速度が上がっている場合も多いから余計に注意が必要である。

実のことを言えば今回、JAIA輸入車試乗会でジョン クーパー ワークスに乗せてもらえると聞いた時、てっきりBEVのジョン クーパー ワークスに乗れるのか、と早合点してしまった自分がいた。個人的にはBEVのジョン クーパー ワークスにも大変興味があったのだが、大磯ロングビーチに来ていたのは従来までと同じ内燃機関の方であった。
たしか計画プログラムでは2025年(もう去年か……)で、ミニは全部BEVになっているという発表が5年ほど前に発表されているのだが、それ以降の世の中の趨勢と現状に関しては皆様ご存じの通りで、まあ「そういうこと」なのである。
とはいってもゴールポストの位置がずれただけで、世の中がずっと内燃機関でBEVの時代はもうはるかかなた、ということではないとも思うし、今回の内燃機関のジョン クーパー ワークスがどれだけ延命されるのかは未知数である。たぶん今回のジョン クーパー ワークスが内燃機関最後のモデルになりそうな気もするし、欲しいのであれば5,400,000円(今回の車輛は344,000円のオプションがついていたため5,744,000円)を用意して、今のうちに買っておくのも決して悪くはないと思う。
さて、そんな「太く固く速い」ジョンクーパーワークスから、明るい内装色のミニ クーパー コンバーチブルSに乗り換えて走り始めても、やっぱり「太く固く速い」車であった。もちろんこちらはジョン クーパー ワークスのような馬鹿力ではないものの、204PS&300Nmと十分以上にパワフルなのだから速くないわけがない。一昔前ならスポーツカー顔負けのパワーを持っているし、車重も1,410kgのだからこちらも街中では一人リレー競技者になりかねない俊足ぶりである。

今のミニ クーパーには(ジョン クーパー ワークスも含めて)、「マイモード」というトグルスイッチがダッシュボード中央に備わり、ゴーカート、コア、グリーン、タイムレス、ビビット、バランス、パーソナルと様々な変幻万化をお好みで愉しむことが出来る。内装カラーやセンターメーターのグラフィックだけではなく、いくつかのモードでは運転者は、はっきりと走行感覚が変わったことがわかるほど変更することが出来る。特に「ひゃっほー」と陽気で能天気なサウンドを響かせながら変身するゴーカートモードは身の変わり方が顕著だが、コンバーチブルSにはタイムレスくらいのゆるい雰囲気モードで流すのが似合っているのではないかと思う。タイムレスであったとしてもかなり乗り心地はハードではあるが、なんとなく昔っぽいメーターグラフィックを見ながら、気持ちよく晴れた冬の空の下をヒーターガンガンに効かせて走るのは、なかなか気持ちの良い体験であった。

実は今回試乗したミニ クーパー コンバーチブルSは5,180,000円の車両価格に596,000円のオプション装備(コッパグレーのボディーカラー89,000円、Mパッケージ(電動フロントシートとハーマンカードンスピーカーシステム)209,000円、フェイバードトリム(ブラックミラーキャップ、スポーツステアリングホイール&ヒーター、ジョンクーパーワークススポーツシートなど)179,000円、イギリス国旗マークのソフトトップ119,000円)が追加され、5,776,000円であった。これは同時試乗したジョンクーパーワークスよりも高価なのである。

だが、どちらを選ぶかと聞かれたならばミニ クーパー コンバーチブルSを個人的には選びたい。こういうちょっと遊び感覚の多い、乗っていて楽しくなるような自動車が個人的には好きだからで、いつの日か新車で好きな色、内装、装備を思い切りコンフィギュレーションして発注してみたい。

もちろん高価なことは分かるが、本来こういう洒落たオープンカーなどは、損得勘定とか実用性とか飽き、などという無粋なことを考えずにさらっとノリで買うべきで、ベルエアあたりに住んでいるお金持ちの家庭の女子高校生が、サンタモニカあたりに行くのに気楽に乗るべきクルマなのだと思う。
そんな自動車がまだ世の中にあることを素直に喜びたい。
Text: 大林晃平
Photo: Auto Bild Japan

