【Tuning Car】トヨタGRヤリス ドイツのチューナーによって強力にパワーアップ
2021年1月26日
ドイツのチューナー、DTEが「トヨタGRヤリス」をチューンアップ。「GRヤリス」により多くのパワーとより少ない燃料消費を実現させた。そのチューニングの詳細をお届けする。
最高のドライビングプレジャーのために、ドイツのチューナー「DTEシステムズ」は、「GRヤリス」のパワーをほぼ300馬力にまでチューンナップした。
と同時に、そのチューニングはGRヤリスをより少ない燃料で走ることも可能にしている。
しかも価格は大変安価だとのことだ。
トヨタがGRヤリスのホイールの上に載せたものは、21世紀の現代ではほとんど信じがたいものだ。
第一に、ベーシックモデルは5ドアモデルしかないので、トップモデルのために特別に開発されたこの新しいボディ。
第二に、この小型車は1.6リッターターボ3気筒エンジンを搭載し、261馬力を発揮する。
全輪駆動とマニュアルトランスミッションとの組み合わせで、まるで別の星から来たかのようなドライビング体験を提供してくれる。
しかし、「多ければ多いほどいい」という例えの通り、チューナーの「DTEシステムズ」は「GRヤリス」をさらにパワーアップさせた。
チューニングされた「DTE-GRヤリス」は292馬力を発揮する。
チューニングは追加のコントロールユニットによって行われる。
261馬力から性能は292馬力、トルクは360から405Nmに増加した。
0から100km/hまでの標準モデルの5.5秒という加速タイムは、簡単に「DTE-GRヤリス」によって短縮されるはずだ。
DTEによれば、余分なパワーは状況に応じて供給され、必要に応じて呼び出されたときにのみ利用可能になるという。
さらに、さまざまな走行モードを選択でき、「エコ」では燃料消費量を最大15%も削減できるという。
また喜ばしいことに、このチューニングのためにかかる費用は599ユーロ(約7万円)というとてもお得な価格だ。
トヨタGRヤリス自体は、この種のクルマにはかなりフェアな価格である33,200ユーロ(約421万円)からとなっている。
つまりトータルでも450万円以下なのである。
GRヤリスほど海外に注目され、乗ったジャーナリストから絶賛を浴びる日本車は昨今珍しい。多くの記事はかつてのランサー エヴォリューションやスバルWRXのことを引き合いにだし、現在に蘇った一台と書いてあることが多いが、個人的には21世紀のセリカGT-FOURのようにも思えるが、それはさておき、今の元気の少ない日本車の中では珍しいほど割り切られた武闘派の、熱い一台であることは間違いない。
とにかくこのサイズと内容で、これだけマジに作った一台を世の中に正々堂々と発表したトヨタはさすがだなぁ、と思うと同時に、やはりここはWRCの世界で思い切り暴れまわって欲しいとも思う。今や日本のメーカーの多くに欠けているのは、「元気さと明るさ」であり、自動車の魅力を伝えるためにはGRヤリスのような一台は大切な存在なのだから。
さて今回のチューニングされたGRヤリスだが、たった7万円でパワーも向上し、しかも燃費も向上するというならば大変お得でいいニュースである。とはいっても、そんなに美味しい話ならば、当のトヨタ自身最初からそれぐらいの処置はできるはずだし、なんらかのネガティブな面も生まれているのではないだろうか、と少し不安にもなってしまう。とはいっても、GRヤリスのことをドイツのチューナーも着目し、製品を生み出してくれたこと、それはそれで、とても嬉しいニュースなのである。
Text: Moritz Doka
加筆: 大林晃平